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追放された魔無しの俺にだけ、世界最強の魔法がひざまずく  作者: seisei


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第5話 エリート達の極大魔法が勝手に自爆? いえ、僕の前にひれ伏しただけです。なぜか聖女様まで祈り始めて困ってるんだが。

 教室の空気が凍りつき今にも爆裂しそうだ。


 一触即発。


 爆発するその瞬間。


 エバンス学園Sクラスに合格した化け物たちは、立ち上がり気に入らぬそれぞれの敵を睨みつけた。


 今年の本当の一番は誰か? 


 誰が引こう。


 そんな今にも爆発しそうな緊張の中、アッシュはさっさとポールポジション(窓際の最後列)をキープしたことに満足してのんびりと水を飲んでいた。


 立ち上がって敵を威嚇するクラスメイト達とは対照的なほど穏やかだ。


 アッシュはホッと息を吐いて、コップを机に置いた。


 コトリ


 その音が怪物たちの戦いの合図となった。


 ハイエルフのシア•ソレイユ王女は、額に両手を添えると、額から眩い光線が迸る。


 その光線は、姫騎士アテナ•ローデン王女に向けられた。


 対するアテナはなんのためらいもなく最強の攻撃魔法ドラグスレーザーを発動していた。


 姫騎士の剣から強い光が迸り、教室全体を埋め尽くす。


 その他の化け物たちも、ほとんど同時に各自の魔法を放っていた。

 

 全ての魔法は同時に発動され、それぞれの敵に向けて放たれた。


 まさに全ての魔法が相手に着弾する直前。


「ごほっ」


 咳の音。アッシュが咳き込んだのだ。


 その瞬間、全ての魔法が凍りついて対象の者の前にとどまっていた。


「ごほっ」


 再びアッシュの咳。


 その瞬間、魔法は呼ばれた子犬のように、自ら完全に方向を変えてアッシュの前に集まった。


 そのまま、全ての魔法がアッシュの前に勢揃いし、地面すれすれの場所で震えるように明滅している。


 それは王に対する家臣達が平伏するかのようだ。


 アッシュはそんな魔法を見て首を傾げてみせた。


 それに答えるように魔法たちが揺れる。


 アッシュはニッコリと笑うと手をあげて


「やぁ、元気?」


 元気に声をかけた。


 今度こそ魔法達は、飛び上がって反応した。


 一方のアッシュは、ハハと笑う。


「みんな、格好いい魔法を見せてくれてありがとう。勉強になったよ」


 魔法達は、頷くようにさらに低くなり円を描いて回りだす。


 回転を早めた魔法は混ざり合い……パッと跡形もなく消えた。


 唖然とクラスメイトたちはそれを見ていた。


 アッシュは何でも無かったかのように席を立つと周りの彼を見る人々を見回した。


「コップ割れちまったぞ。どいつのイタズラだ」


 アッシュは水がこぼれたとか服が濡れたとか言いながら教室を後にした。


 化け物たちは、様々な反応を示してドアを睨んでいた。


 Sクラスの合格者の一人ソフィア•ミレーだけは違った。


 彼女はそもそもアッシュと同じく傍観者として戦いを見ていた一人だ。


「私は神眼の異能持ちなんだけどぅ……あれは何?」


 誰もが答えない。いや答えられないのだ。


 同じく傍観を決め込んでいた商人出身のエディがおずおずとみなの前に出てきて尋ねた。


「ねぇ、みんな。アッシュがみんなの魔法の制御を奪ったの?

 それとも皆が示し合わせてあんな魔法を使ったの?」


 本年度のSクラス特待生として入学した精霊王子ソ•リアルは静かに答えた。


「私は魔法を放っていない」


 驚きの発言。


 しかし精霊王子の言葉を受けて別のクラスメイト達も次々に自分は魔法を放っていないことを明かした。


「つまり、ここの誰も魔法を放たなかったってこと? するとあれはアッシュ君が……」


 エディがドアを見ながら呟く、言葉の途中で声が震えて黙ってしまう。


「いいえ、アッシュ君も魔力を放ってません。魔法が勝手に発動し、彼の前にひれ伏したとしか思えません」


 魔眼持ちのソフィアも声を震わせて言った。


 その時、すすっと皆の前に出たのは今年の話題の生徒、セレン神聖国の星、マリア聖女だった。彼女はとても真剣な表情をしている。


 頬が紅潮し、涙目になっていた。


 彼女は魔法の異常な行動に興奮しているようだ。


 アッシュの消えたドアの前に跪く。


「神よ、あの方は何者なのです。どうかわたくしをお導きください」


 聖女はそう呟くと、祈りを捧げるように両手を強く結んで深く頭を垂れた。


 聖女の幼馴染ギネスが彼女の背中から視線をドアに向けた時、その瞳は、強い憎悪で引き裂かれそうだった。

コメント

ブクマ

高評価

よろしくお願いします。


異世界転生の日間273位にランクインしました。

ありがとうございます。皆様に感謝です


この作品は51話で第1章が終わります。

既に書き溜めしております。

今、誤字など訂正してます。

カクヨムで19話まで先行投稿中

よければそちらも見てください

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