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人質王女は幼馴染の国王の執着から逃れられない  作者: 狭山ひびき


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8/13

国王になった王子様 7

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 さすがに一日中わたしに張り付いているわけにもいかないらしく、お兄様はイヴリン先生の教科書説明が終わるとお仕事に戻って行った。


 そして午後。


 アーネストお兄様が手配した仕立屋のマダムとお針子たちが、わたしの部屋にやって来た。

 ドレスやその他必要なものを購入するというけれど、実のところ、わたしは自分でドレスなどの注文をしたことがほとんどない。

 ずっと離宮にいたから流行に疎いので、お買い物はダイアナとイヴリン先生にかなり助けてもらうことになりそうだ。


 最初はソファに座っていたらいいとダイアナに言われたので、わたしは彼女が用意してくれたお茶を飲みつつ、仕立屋のマダムとお針子たちがわたしの部屋にドレスを着せられたトルソーを並べていくのを見やる。


 全部で二十着以上はあるかしら?

 デザインや色違いのドレスがずらりと並べられているのは圧巻ね。

 わたしが今身に着けているドレスも、アーネストお兄様からのプレゼントだから、とってもいいものだと思うの。着心地がとってもいいもの。


 だけど、こんなことを言うのは失礼かもしれないけど……いかんせん、デザインが子供っぽかったのね。並べられているドレスを見て、理解したわ。


 ……きっとお兄様の中では、わたしはいつまでも子供なのね。


 お兄様が贈ってくれるドレスは暖色系で、ふわふわと軽い布を幾重にも重ねたデザインのものが多いの。そして、きっちりと首元まで襟が詰まっているのよ。

 だけど、社交デビューするような年齢の女の子は、もっと大人っぽいデザインの――具体的には、胸元や背中が開いたドレスを着るんだわ。

 令嬢は社交デビューを終えたらすぐに婚活に突入だから、大人っぽさを押し出さないと駄目なんだと思うわ。いつまでも子供みたいなドレスを着ていたら魅力的に映らないのよ。

 わたしに色っぽいドレスが似合うかどうかは置いておくとしても、わたしも十六歳だもの。大人のデザインのドレスを着なくては。


 ……お兄様には悪いけど、大人になったみたいで嬉しいわ!


 華やかで上品なドレスをうっとりと眺めていると、ダイアナが頬に手を当てて息を吐き出した。


「陛下を追い出して正解でしたわね。絶対デザインに口出ししていましたわ。鬼のいない間に、今日中に選んで注文しましょう」

「?」


 見れば、イヴリン先生も苦笑している。

 トルソーが並べ終わると、マダムがカタログをローテーブルの上に開いた。


「見本にいくつかお持ちしたのは、現在若いご令嬢たちに人気が出ているデザインでございます。こちらのカタログは、まだ世に出していない新作のデザインです」

「新作もいいですわね。ですが、カレン様には、現在の流行から選んでいただいた方がいいと思いますわ。新しいデザインで流行を発信するためにはパーティーに出向かなければならないですけど……陛下がきっと、お許しにならないでしょうからね」


 そうね、わたしは人質だもの。

 ダイアナの言葉にこくんと頷くと、マダムが「あらあらまあまあ」と楽しそうに笑ってカタログを閉じる。今の会話に楽しい要素があったのか、謎である。


「それでは、今お持ちしたものからデザインや色などを決めましょうか。お気に召したものがあれば試着もできますので、どうぞ」


 マダムに促されて、わたしはダイアナとイヴリン先生と共に並べられているドレスを確認しに向かった。

 作る予定のものは秋冬用のドレスだけど、夏物も少し買うのだそうだ。夏物はすべて仕立てていると時間がないため、見本で持って来られたものをお直ししてもらうのがいいだろうとダイアナが言った。


「ここの六着が夏物ですね。あとは全部秋冬用のドレスのようです」

「カレン王女殿下には、この薄いグリーンがよく似合いそうですわね。生地が薄くて軽やかで、肩が出ているので夏でも涼しく着られますわ」


 イヴリン先生がそう言って「よかったら試着しませんか?」と誘って来る。

 華やかなドレスの数々にわたしもとっても気分が高揚していたから、もちろんそのお誘いを受けた。

 部屋の中に衝立が用意されて、マダムとお針子たち、ダイアナに手伝ってもらいながら着替えると、ちょっとウエストのあたりが大きい。

 マダムがウエストの部分と、あと少し緩い肩の部分を確認してメモを取り、お針子たちが仕付け糸で慎重に余っている部分をまとめて縫った。

 わたしに針を刺さないように気を使ってくれているのがわかって、ちょっぴりくすぐったくなる。


 着替えをすませて衝立から出ると、イヴリン先生がにっこりと微笑んだ。


「とてもよくお似合いですわ。カレン王女殿下の亜麻色の髪にその色は映えますわね」

「そうですね。カレン様がお気に召したのなら、こちらは購入リストに入れておきましょう。いくらでも買っていいとお許しが出ているんです。遠慮することはありません」


 ダイアナのその言葉は、マダムの商売心に火をつけたらしい。

 きらんと目を輝かせて、「次はこちらはいかがでしょう!」と新しいドレスをすすめて来る。


 結局、マダムとダイアナ、イヴリン先生におすすめされるままに試着を繰り返して、わたしは夏物のドレス三着に秋冬用のドレスを十着、それにあわせて下着類などを大量に購入して……お買い物が終わったのは、夕方遅くになってからだった。




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