甘く優しい籠の中 4
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部屋の説明を終えて、お兄様は宰相に連れられて仕事に出かけた。
どうやら仕事をほっぽりだしてわたしに部屋の案内をしていたらしい。
宰相のマガリッジ伯爵にしみじみと「カレン王女殿下がようやく城へ戻って来られて安心いたしました。心から」と言われた。わたしが離宮にいたせいで、お兄様がやたらと休憩を取りたがって、とっても大変だったとか。申し訳ないわ……。
仕方がなさそうな顔をしたお兄様が散々「私が戻るまでは部屋から出ることを禁止する」と繰り返して、宰相に連れられて仕事へ行くと、わたしはダイアナとティータイムをすごすことにした。
もう、もうもうもう! たっくさん知りたいことがあるの!
「ねえダイアナ、どういうことかしら? どうしてわたし、この部屋に案内されたのかしら? きっと国中の貴族が反感を覚えると思うの。ねえ、わたし、どうしたらいいの?」
お腹の中にたくさんの疑問がぎゅうぎゅうに押し込まれてせいで、わーっと巻き付く勢いで訊ねたわたしに、ダイアナが微苦笑を浮かべる。
「わたくしにはもう、諦めてくださいと言うことしか……。きっと、カレン様がいなくなったら、この国が滅亡しそうですし」
「どういうことなの⁉」
国の滅亡って、いったいなにがどうなったらそんなことになるの?
知らない間にどうしてわたしの肩にそんなに重たいものがのしかかっているの?
ダイアナはわたしの両肩に手を置くと、「落ち着いて聞いてください」と前置きをした。
きっとすごいことを言われるんだと、わたしはごくんと唾を飲んで頷く。
「いいですか、カレン様。あとであのくそったれ陛下をいくらでも殴っていいですが、どうか、これは拒否しないでいただきたいのです」
「ええ。……ええ?」
またくそったれ陛下って言った? お兄様のことよね? だからどうして、わたしがお兄様を殴ると思われているのかしら?
首を傾げるわたしに、ダイアナは重々しい口調で言う。
「カレン様のご意思を無視して大変心苦しいのですが、陛下とギブソン公爵と宰相であるマガリッジ伯爵と、あと重鎮たちと、さらにカレン様のご両親が満場一致で決定したことなので、諦めて飲み込んでいただきたいのですが……」
「え、ええ」
ダイアナはそこで一度言葉を区切り、困ったような、それでいてちょっと嬉しそうな顔で言った。
「カレン様は、陛下の妃……この国の王妃に、内定いたしました」
頭の中が真っ白になるって、こういうことを言うのね。
わたしは瞬きも忘れるくらいに固まって、ダイアナをとても心配させた。
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