私の最愛(SIDEアーネスト) 3
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一時間足らずで、アーネストの部屋に昨夜カレンの部屋の警備にあたっていた衛兵が集められた。
少し時間がかかったのは、昨日の夜勤の後で休みに入っていたものもいたからである。休みの日に家に帰っていたものは、国王に急に呼び出されたことに怯えているようだった。無理もない。
アーネストは自分がかなり険しい顔をしているのを自覚していた。
心臓が先ほどから軋むほどに大きな鼓動を打ち付けており、全身を熱した油のように熱く感じる血が駆け巡っている。
到底、冷静な状況ではない。
それがわかっているからこそ、この場に宰相マガリッジ伯爵の同席を頼んだ。
とてもではないが、口を開けば「無能どもが!」と怒鳴りつけそうでしばらく何も言えそうにない。
こんなにも頭に血が上ったのは、離宮の使用人がカレンに暴力をふるっているのを目撃して以来だった。いや、それ以上だろう。何故ならあの時カレンはそこにいた。だけど今はどこにもいない。生死すら不明だ。
正直なところ、アーネストは発狂寸前だった。
それでも必死に理性を繋ぎとめているのは、カレンを探さなくてはならないからだ。まだ、望みがないわけではない。カレンは生きている。そう思わなければとっくに頭がおかしくなっていただろう。
アーネストにとって、カレンはすべてだった。
カレンは何物にも代えがたく、彼女がいないのなら王という椅子すら油をかけて燃やしてしまえるほどだ。
カレンがいるからアーネストはアーネストたりえるし、王の椅子にだって座っている。この椅子にカレンを守る力と、彼女を手に入れる力があると知っていたからだ。
アーネストにとって王の椅子とは、重たく鬱陶しく、忌々しい。どちらかと言えば負の感情がつきまとう存在だった。――カレンを愛するまでは。
マガリッジ伯爵が衛兵たちに質問をしていくのを眺めながら、アーネストはふと昔を思い出す。
毎日がつまらなく、まるで灰色に染まった世界で暮らしていたようなあの日。
――カレンが、アーネストの世界に、色をくれた日。
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