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邪神の眷属になったようだが私は何をすれば良い  作者: 屯田観烏之羽(ミタミ・アノウ)
騎士覚醒編
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帰投

「すいません、僕からも一つ良いですか?」


 あー……えっと、ヤビィの友人その一の、名前はイノハラ……リュウトだったか。


「かまわんぞ、君達の今後のことを決めるのは君達自身であり、私達は協力は出来ても君達の人生の責任は取れないからな。」

「その協力の為に……貴方達が僕達に求める対価は何ですか?」

「……最初は君達の価値も定かでなかったから、単純にヤビィの持つ能力の情報以外に要求出来る対価が無かったんだが。

君達の立ち居振る舞いを見るに相応の文明で育ったと見受けられる、その文明の情報とこの国を見た君達の所感を纏めて述べてもらうだけでも対価足りえると私は見る。」


 それだけで大丈夫だとは言ってやれないが。

そもそも政治部等とは縁遠いし、軍部の代行者である程度の融通は効かせられるがある程度でしかない。


「……先程も言ったが、この国は大陸上で最も文明的に進んだ国と言えるだろう。

それは同時にこの国に比肩する他の国家が存在しない孤独の国ともいえる。

新しい技術や理論を競う相手が何時も国内の別の誰か、もしくは誰も居ないという事も多く、知らず歪な進歩の道を歩んでいる可能性もある。

其処に一石……それがどんな方向であっても投じられるなら、この国を協力させるだけの力になる筈だ。」

「なるほど……僕たちは別に何かしらの専門家と言う訳では無いですが、外国人の意見というだけでも価値になると。」

「そもそも他国の人間は教育からして覚束ない程でな、何かしらの専門家の大体はこの国に招待済みだ。

その結果この国だけ進歩して他の国は停滞している有様でな、解消するための策は講じられてはいるが成果がでるのにまだ数十年以上かかる見通しなんだ。

だがここに既に教育の十分に行き届いている君達が居て、しかも完全に未知の領域の文明から来たとなれば……相当数の分野の研究者が飛び付いてくると予想している。」

「つまりそこで研究者が多く飛び付いてくるだけの魅力を僕たちがアピールできれば……」

「この国に住むだけでなく、協力させるだけの交渉も出来るだろう。

この予想が……外れることは無いと思うが万が一外れたとしても、私に可能な権限で君達の住む空間程度なら保証しよう。

これに関しては君達を保護した私の面子にも関わるので対価は気にしなくて良い、その程度なら十分過ぎる程に貰える見込みだ。」


 その場合彼等の知識と情報を私が独占する形になるので、多少豪遊させても御釣りがくる程の価値になる見込みだ。

正直ヤビィ一人の価値だけで此処に居る七人を養う程度と思える程だ。

ヤビィとの繋がりを辿って、無くしてしまった生物的現象の情報の復元を試みているのだが、混沌の向こうでミラがかなり(はしゃ)いでいるのを感じる。

現状の感覚では殆ど手応えは無いがまるで無い訳ではない、将来的な期待値はミラの燥ぎ様を感じるだけで分かる。

念の為に聞いておくか。


『ミラ、そこまで燥ぐ程なのか?』

『もちろん!僕達は基本的に混沌を発現した時点で生物じゃない別の物になってしまうんだけど、ヤビトくんは生物のまま混沌を発現しかけてる。

僕達が失った物を彼は持ってるんだ、それは僕の願いを叶えるのに必要になる情報そのものだからね。

これなら僕の大切な友人達を君に紹介してあげられそうだよ。

君の……君の願いを叶える手伝いができる人にも会わせて上げられる。』

『私の願い?』

『おっと、これはまだ内緒だったね。』

『なるほど……』


 私の記憶の鍵に関係する話か……

なら対価は貰い過ぎる程に貰える見込みと言うべきなんだろうな。

とはいえヤビィの混沌が完全に発現する迄の間に、私が十全に仕事をする必要はあるだろうが。





「あ、じゃー私も一つ質問でーす。」


 ……こっちはヤビィの友人そのニの、ハツユキキリネか。

リュウトとキリネにヤビィの三人で一つの集団(グループ)らしい、共通の趣味に通じる戦友と言う話だ。

三人とも性格も趣向も違う様に見えるが、いったいどのような共通の趣味だったのかは後で聞いておくべきだろうか。


「その研究者たちが山もり釣れてしまった場合はどうすればいーですかー?」


 山もり……山盛り?

ヤビィの方をちらりと見たら大量にと言う意味の様だ、山を盛る……山の様に盛るか。

通常はこの手の言い回しは意味が理解できる様に術式で補助が働いているのだが、今の単語には機能しなかった。

基本的には機能しているので向こうも翻訳の為の術式を利用している筈だが、此方と彼方とで言語翻訳の仕組みに問題でも発生してるのだろうか。

これは後で調べておくべきだろうな。


「私が選別しよう、一応法に依って研究している者達の筈だが、研究者が乗りと勢いで道を踏み外す事はよく有るからな。

初めから、私とアリスから見て危険性の無い研究者のみに絞っておく必要はあるだろうとは考えてはいたから、その数が増えるだけだな。

万が一にも危険な思想を持つ研究者が、君達に手を出そうと考えている可能性を心配しているなら……そうだな、私の使い魔を君たち一人一人に付けても良い。」

「あ、そこまで面倒見てくれるんだ。」


 この辺は面子にも関わるので、軍の情報部に暗部も味方に付けられるだろう。

国内でなら……それこそ危険な実験に関わりに行かない限りは安全と言えるだろう。

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