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邪神の眷属になったようだが私は何をすれば良い  作者: 屯田観烏之羽(ミタミ・アノウ)
騎士覚醒編
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帰投

 朝食の時間が過ぎ、昼食の時間も過ぎ……何もすることが無いな。

急ぐ必要もない使い魔の調整を結局やる事にするべきか、身体の調整でもするべきか。

……いや、何もしないのも有りか。

既に仕事の殆どが終わっているし次の仕事は今の所決まっていない。

以前からの習慣で、次の仕事や研究や訓練と予定を詰めて動き続けるような生活だった所為もあって如何にも休むという行為に慣れない。

アリスに休み方を聞いてみるのも良いか、家に戻ったら聞いてみるとしよう。

とりあえずは……


「丁度良い所で戻って来たなヤビィ、今日の予定は終わったか?」


 最優先の健康診断以外の予定は無い筈だが、全く初期個人情報の無い人の診断は項目が多くてどの程度時間が掛かるか予想できない。

この基地で全て終わらせる必要は無いだろうからある程度の所で終わらせるだろうとは思うし、ヤビィの顔を見るに終わった様に感じるが……


「丁度終わりました、ドゥさんは……暇を持て余してる感じですか。」


 ……何となくと言う非常に曖昧な繋がりを通してでも、目の前の相手の考えている事は大体察せれる様で、向うもまた此方の状況は理解してくれた様だ。

とりあえず目の前の席に座るのを待って話を続ける、暇を持て余している此方と予定を消化して何をするか決まっていない彼方とで、やる事が無い状況はよく似ている。

彼方はやる事とやれる事を探す必要があるから似ていてもまるで違うだろうが……


「基本的に忙しくし過ぎて暇があれど何をするべきか……と言った状況でな。

折角時間があるんだ、君達が知りたい事を聞いて答えるのが良いかな?」


 基地を出て都市に着けば当分の間、様々な分野から声が掛かるだろうから忙しくなるだろうし、今の内にある程度の情報を伝えておいてやるべきだろう。

と言ってもどの程度答えられるかは聞いてみなければ分からないが。


「そう……ですね、早め早めに聞いておきたい事は有ったのでこっちとしても助かります。

取り敢えず……」


 ヤビィからの質問内容はざっと三つ。

異世界から召喚された人物は他に居るのか、また送り返す方法が有るか。

ヒムニトリアと比べてこの基地の文明は進みすぎに見えるが世界的に文明は何方に寄っているか。

助けに来るのを友人に頼まれたと言ったが、その友人はどんな人物なのか。

他にも聞きたい事はあっただろうが、取り敢えず直ぐにでも聞いておきたい事を三つの様だ。


「そうだな、準が逆になるが三つ目から答えよう。

君達の保護を頼んできた友人は……まぁ私にとってはごく最近知り合った色々な意味で規格外の存在だと言っておこう。

君達と合流するまで分体とはいえ一緒に行動していたのだが君を見るなり引っ込んでしまったが……これは君の能力上の問題だな。

そもそも君達が召喚されてきた事を察知したのもその友人で、君の能力故に気が付き、能力故に保護を頼まれた。

ヤビィ、君が持つ能力をある程度扱える様になったら直接会えるだろう。」


 ミラについては正直これ以上伝えてやれる事は無いな、私自身あまり把握できてないし。


「次に文明水準だが、ヒムニトリアが遅れ過ぎで此方は進み過ぎだと考えてくれ。

他の国は……そうだな、少なくともこの大陸上でヒムニトリアほど酷い所は無かった筈だ。」


 大陸外まではわからないが。


「そして最初の話になるが……少なくともこの国では把握していない。

召喚と言う技術自体が碌に研究が進んでいない分野だ、異世界と言われても他所の国なら正気を疑われるだろう。

個人的に先日、異世界に多少関係の有りそうな物に触れはしたから、其方の事後調査からある程度情報は得られるかもしれないといった程度だろう。」


 魔術の中でもとりわけ召喚を専門に扱っている研究者も居るには居るが机上の空論が殆どだ。

召喚術として学科も設立されていないし、国の優先度はあまり高くないというのが現状だろう。

机上の空論を使い魔に組み込んで盛大に利用している私みたいなのもいるが、それでもその程度だ。

世界の外から何かしらを呼び込む……と言う方向でなら呪術として研究されているかもしれないが、そっち方面でも大差は無いだろう。

私が知らないだけという事も有り得るので一度国に照会を掛ける必要はあるだろうが、望みが薄そうなのは間違いないな。


「そうですか……まぁある程度は予想通りですが……まぁ帰れないよなぁ……」


 一応もっと別の方向から聞いておくべきだろうから聞くが……ミラなら可能か?


『失敗も代償も大きい方法なら提案は出来るよ?

でもお勧めは……まぁ言うまでもないよね。』


 当然だな。


「件の友人に任せれば帰れない事も無いだろうが……おそらく相当な危険性と相応の代償が付いてしまうだろうとの事だ、個人的にもお勧めは出来ないな。」

「あー……勝算の無い賭けは賭けと言わないですよね……おまけに代償付き、流石に駄目でしょう。」


 ヤビィ以外にも集まって来ていたので今の話の内容は彼等全員が聞いていたが、大なり小なり落胆の表情こそ浮かべている位であまり落ち込んだ様子は無いな。

その可能性に関しては彼らの中である程度共通の見解がある様だ。

理性的で良いとは思うがそれはそれで不思議だな。

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