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邪神の眷属になったようだが私は何をすれば良い  作者: 屯田観烏之羽(ミタミ・アノウ)
騎士覚醒編
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接触

 拠点に戻れば僅かばかりの人数が残っているだけで、(もぬけ)の殻かと一瞬感じてしまう程静かだった。

出る時は騒々しくは無かったが暑苦しい程の熱気に包まれていた、人が減った分冷めて感じるのだろう。

連れ出した奴隷達……もう奴隷でもないし生存者と呼称しておくか。

生存者を一先ずこの拠点で預かって貰いたかったが、拠点の守りに詰めている人数だけでは少し心許ないだろうか。


「ウィル、此方はまだ仕事が残っているのだが、彼らを此処で預かれる余裕はあるか?」


 使い魔をさらに増やすなら十分戦力には足りるだろうが、既に使い魔の数が桁一つ増えそうな程増えている。

混沌の総量は恐ろしい速度で増え続けているのでまだ余裕はあるのだが、自律行動可能に設定していても私自身に負担が掛からない訳ではない。

制御面の負担軽減の為にも自律行動以上の軽減策を考えないとそろそろ厳しい。


「少々厳しいですが一日以内なら問題ないと思われます……一点除けばですが。」


 拠点の現状を確認していたウィルが此方に駆けて来て返答する。

大体予想通りと言うべきだろう、当然除かれる一点は触媒にされていた子供だ。

流石にあの子は応急処置すらその方面での専門知識が必要になる、此処では何に遇っても如何にも出来無いだろうから連れていくしかない。


「あれは……本国以外では如何にも出来ない、連れて行くからそこは考慮しなくていい。」

「それなら丸二日は問題無く対応できると思われます。」

「では済まないが頼んだ、明日の夕方迄には戻れる予定だ。」

「了解です。」


 生存者は拠点に着いた段階で拠点に詰めている隊員達が救命施設等に案内してくれているので既に出発できる状態だが、急いで出発しても途中で不死者の集団を追い抜いてしまうだろう。

とりあえず触媒の子供の状態の安定させるのに時間を割くか。


「アリス、交代するから少し休め。」

「……先輩も少し休んだ方が良いと思うのですが?」


 アリスは触媒の子供に惹かれて悪霊の類が寄って来ない様に警戒しているので休ませたい。

そもそも魔術系の単位は総合中位迄しか取得できていないアリスに対応できる物ではない。


「私は大丈夫だ……と言っても聞かないだろうがまだ問題は無い、夕方には出発するからそれまで休んめ。」


 不服そうな顔はしていたが車内で仮眠を取りに入って行った。

運転席を占領したのは次の運転中にこちらを休ませる気だからだろう。

全く休まない人が隣で働き続けていると気になって休めないという事もあるかもしれないし、それくらいは良しとするか。





 とりあえず触媒の子供は今のところ安定している。

目を覚ましてしまうと触媒として反応する可能性があるので、眠らせ続けてあるが意識が無い状態が長く続くのもあまり宜しく無さそうだ。


 身体に刻まれている模様の解析をして、どれが術式として成立してしまっているか、決して問題無い物かを調べていく。

殆どはまるで意味のない模様になっている様にも見えるが、本当に意味が無いのかは全てを解析してみなければわからない。

特に意味が無さそうな模様にも、他の模様を消す順番によっては意味を持ってしまう物も混じっている。

そもそも私が知らないだけと言う可能性も有って手を出し難い、私自身呪術は専門ではないのだ、専門家の意見が聞きたい。


 やはり今すぐにできる事は精々悪霊が付かない様、魔除けが精々と言ったところだ。

集まってくる悪霊に対処するのは可能だが、根本的な面では如何にも出来ない。

回収した資料にも碌な情報が無かったが、暗号になっていないとも限らないのでまだしばらく精査し続けるしかないな。





 予定通り日が沈む前にアリスの運転する車両で首都へと向かう。

不死者の集団はもう首都の目の前だ、流石に向こうも気が付いているようで防衛部隊が展開しているがそれで良い。

既に彼方側に接触している使い魔の目で見ると、回収予定の人物もその関係者合わせて全員で纏まっている。

都合良く守備部隊の最前線に展開しているので、後は回収する此方との時期(タイミング)調整と偽装(カモフラージュ)を如何するか、だ。

恐らく向こうも誘導したのだろう、一度で確実に回収できなければ名が(すた)りそうだ。


 流石に意識の無い人間を最前線に連れ出す訳には行かないので、アリスには子供と共に車両に残って貰う。

()れが終われば国に帰れると思えば気合も……特に入らないな、まだ国を出て大した時間も経っていないからだろう。

何時もならまだ往路の途上と言ったところだろうし、まだ国が恋しくなるには早過ぎるな。


 不死者の集団に後ろから近付いていく。

彼方は此方を認識しているし意思の疎通も問題なさそうだ、目的の人物の集団の周辺を開けて貰う。

敵が居なくなってしまうと相手に気取られてしまうので幻術を即座に被せる。

使い魔と同じ要領で実態を持たせて戦闘も変わらせてしまう。


 さて、後はどうやって此方側に自然に誘導するか、か。

幾つか手段は考えられるが、最も有効だろう手段は……不死者創造クリエイト・アンデットが良いだろう。

意外と作り出す形状に幅を持たせ易いし、周辺に展開している戦力との違和感が無い。

(つい)でに不死者の支援にもなるので丁度良い。

これで行こう。


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