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邪神の眷属になったようだが私は何をすれば良い  作者: 屯田観烏之羽(ミタミ・アノウ)
騎士覚醒編
36/82

特異個体

 アリスに頼んだ集団は、中規模の緑鬼(ゴブリン)の群れになっている様だ。

特異個体も、緑鬼によく似た個体の様だが、アリスなら問題は無いだろう。


 特に不慮の事態が起こりそうな要因も無さそうだ、私の分の仕事をさっさと済ませてしまおう。

移動中に手の届く範囲に居た緑鬼は、首を落として置く。

個人的には通行の邪魔にもならないが、緑鬼の最大の強みは数だ、減らしておいた方が味方も楽になるだろう。


 さて次の集団は……狼の集団か?魔獣から逃げてきた野獣集団だな。

味方部隊は横に線の形で展開している、原因らしき場所に一番近いのは基地司令が居た地点。

つまり中心に行くほど危険度の高い魔獣や魔物がいるのだろう。


 中心は縄張り争いの最中で、押し出される形で弱い物が溢れてくるのだろう、やはり中心を抑えないと駄目だな。

狼の集団の中心にいる特異個体は……猪の様な牙の生えた狼だろうか。

この辺りに来ている特異個体は(おおよ)合成獣(キメラ)の様な形態をとっているな。

一番最初に交戦した岩の塊の様な、純粋な生物から遠いものより対処しやすいから問題は無いが。

こう大量に湧かれると生態系はもう完全に壊れているだろうな。


 少なくともこの辺りの動物による生態系は復元不能だろう。

植物への影響は大きくないだろうが……いや、それも植物系由来の魔物等が出たら終わりだな。


 とりあえず特異個体を潰してしまおう。

離散した獣の集団は放置だ、落ち着いた後森に戻ってくれれば多少とはいえ生態が修復されるだろうしな。


 この猪狼は殆ど野獣だ、警戒する様な力も無いだろうし首を落として終わりだ。

狼達はこの個体に扇動されていたのもあるだろうが、そうでなくても森から逃げたかったのだろう。

そのまま森の外へ向かって走っていく、私に気が付いてすらいなかったかもしれない。


 やることはやった、アリスと合流しよう。





 緑鬼(ゴブリン)の集団は……既に殆ど切り捨てられている様だ。

大分邪魔された様だが、特異個体は問題なく排除できているようだ。

取り巻きの緑鬼は、前線で戦ってる兵に任せても問題ない程度の数しか残っていないが、逃げて生き残られると面倒だし全て始末してしまうべきだな。


 緑鬼に掛ける慈悲は無い、緑人(エクスィブゴブリン)すらそう言っている。

緑鬼から人に進化した筈の緑人からそう言われてしまう程に、緑鬼という存在は嫌われている。


 アリスの現在の戦闘位置から遠い緑鬼から順に切り捨てて回る。

先程通り抜けた時に比べて、既に二割程度しか残っていないのですぐ終わるだろう。

重要なのは逃がさない事だ、アリスもそれが分かっているので逃げ出そうとする緑鬼から狙っている。

逃げると殺されると認識させれば大体の緑鬼は逃げられなくなる、後は倒して回るだけのお仕事だ。

それでも数が多い分、初めから外周にいた緑鬼は逃げてしまうのだが、それはこちらで処理してしまう。


 程なく緑鬼を殲滅し終え、アリスと合流する。

次は反対側だがいったん休憩を取るべきだな、特にアリスは大した敵ではないとはいえずっと敵に囲まれていたのだから。

とはいえ、緑鬼の死体が転がっている此処では休憩にならないだろう、いったん前線の後ろまで下がるか。


「アリス、一度下がって休憩を取ろう。」

「……まだ全然いけますよ?」


 一瞬判断を悩んだ様だし休憩するべきだな。


「いや休憩しよう、向こうにも大したものは来ていないだろうしな。」

「先輩がそう言うなら。」


 軽く走る程度の速度で前線に戻る。

途中既に前線に到達している野獣の群れを適当に散らしていく。


「御協力に感謝します、既に気の早い増援が戦線に参加してくださっていますので、このまま一度基地にお戻りください。

小型車両が通せる道が近くにありますので、そちらにある車両をご利用ください。」

「了解した、気遣いに感謝する。

この辺りは異変のある地点から遠く危険な個体は少ない様だが数が多い、囲まれない様に注意させておくといい。」


 どうやら既に増援が到着している様だ、予想より随分と速い。

味方が優秀なのはいい事だな。


「という事だアリス、さっさと戻って食事にしよう。」

「了解です。」


 さて、小型車両か。

森の中に道を通したのがいつの事なのかは知らないが、車両で走るのは大変そうだ。

それでも車両が入れるというのは大きいだろう。


 それでこれが車両か。

二人乗りで、車両の安定性や防御性をほとんど無視して、物資を乗せる事と車両事態の壊れにくさを重視した形をしている。

当然運転手もいない、がアリスが何も言わずに運転席に座ったので任せよう。

本当によくできた相棒だな。


「先輩、さっきの休憩にしようって話は、これを見越してました?」

「いやそんなことはない、純粋に連戦を避けておきたかったからだな。

敵を殲滅すれば終わりと言う訳でもない、無駄に体力を使う必要も無いだろうさ。」

「……そうですか、最近の先輩はなんだか隠し事が増えてるみたいで他に何かあるのかと思いましたよ。」

「確かに隠し事が増えてるのは間違いないか、必要な事は隠してないと思うが。」

「そこはまぁ、信用してますけど。」


 アリスと適当な話をしながら、行きと大差ない時間で基地に戻る。

小型車両が通れる程度で路面の状態は良くないと思っていたが、かなり快適に飛ばせる程均されていた。

勿論その横は柵で区切られている訳でもない森だ、突然何かしらが飛び出してくる可能性はある。

ある、が飛び出しそのものを妨害する手段も飛び出してきた物を保護する手段もあるので、構わず行くようにとアリスに伝えると、かなりの速度を出していた。

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