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邪神の眷属になったようだが私は何をすれば良い  作者: 屯田観烏之羽(ミタミ・アノウ)
騎士覚醒編
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招集

 警笛が鳴り響く。

乗員の確認はされてないが……まぁ乗った事を記録(チェック)して降りた記録が無いなら揃ったとされるんだろう。

あるいは室内の人数を数えたり(カウント)するくらいの機能(システム)はあるかもな。


 そのまま人間の目視確認もなく車両が動き出した。


「先輩、目的地まで約二時間ちょっとです。

その間は本当にすることないので、寝ておきましょう。」


 そう言いながら割り当てられた寝台(ベット)で横になるアリス。

私はどうするか……二時間あるなら、そうだな、偽装の為に魔導銃用の拡張魔術でも用意するか。


 とりあえず必要になりそうなのは、望遠照準(スコープ)と射出する弾を強化する術式の二つで大丈夫だろう。

どちらも大して難しい魔術は必要ない。

望遠照準は単純に遠見の魔術を照準用に調整するだけでいい、いや、せっかくだから倍率の調整と風の可視化と予測射線も付けよう。


 自分に支給された魔導銃の照準器の倍率は最大で十倍くらいか、もう三倍から十倍くらいとしておこう。

風の可視化は、といっても本当に見えたら邪魔でしょうがない、風向きと強さを検知して表示させれば十分。

ついでに弾種の特性と合わせて、障害物や風による影響で弾道がどう変わるかを予測させる。


 弾を強化する術式も、加速させるだけで十分意味がある。

弾頭丸ごと覆ったり途中で炸裂させたりしてもいいが、とりあえずは弾種の効果を拡張させる程度にしておこう。


 魔導銃に合わせて用意されてる弾倉は、魔素を固めただけの魔力弾に着弾時に発火する炎熱弾、その逆の凍結弾、それから生物の無力化用の麻痺弾か。


 麻痺弾は原理的には電撃弾としての使い方も出来そうだが、弾に乗せる出力不足かしびれさせる程度の効果しか期待できそうにはないが、まぁ外部供給すれば十分使えるだろう。

なんなら散布させることで複数対象に効果をもたらすようにも使えるか。


 炎熱と凍結も似たように出力を上げさせればそのままでも十分だな。

魔素の方は今のままだと単純に魔素で殴りつけるような効果しかないが、属性を足してやればいいか。

汎用性の魔力弾に特化型の三種の属性弾として運用するか。


 実射して微調整をしたい所だが、流石にそれは無理だな。

車窓越しに望遠照準器を外に向けて見るくらいはできるが、実際に撃ってみないと予測射線通りに飛ぶかどうかもわからない。

それに例え撃てても今の予測射線は車両の動きに合わせて大きく右に逃げている、着弾点もまともに観測できないだろう。

射手側が動いている動きがちゃんと反映されていることくらいしか確認できないし、後の調整は現地についてからだな。


 既知の術式を弄り、微調整しただけのつもりだったが既に一時間半以上が経過していた。


「アリス、そろそろ起きろ。」

「……」


 声を掛けると無音だが返事が返ってきた。

軽く伸びをしてから起き上がってくる。


「おはようございます先輩。」


 まだ眠そうな声の返事が改めて返ってきた。

軍服も硬いので上着を脱いで寝ていたが、残りもさっさと脱いで着替え始めるアリス、私も着替えるか。


 支給されている服、まぁ用途から言って戦闘服(コンバットスーツ)、触ってみた感じかなり硬かった筈だが、着てみると動きやすい。

肌に吸い付く様に貼り付いてくる、身体の線が丸見え……とはならず、要所要所に付随する防護部位(アーマー)衣嚢(ポケット)が体形をそれなりに隠している。

その上から外套(マント)で覆い、身体の線や装備がわからない様にする。

外套自体は戦闘服と合わせて運用する前提で作られているから、外套の留め具は首の前ではなく戦闘服に直接付ける形になっている。


 服を着替えたら次は装備だ、戦闘服の腰や胸、太腿等についた衣嚢に装備を入れていく。

保存食や水筒も戦闘服に分散して入れられるようになっているので、背負い袋から三割程移し替えていく。


 私には必要無いから有っても邪魔になるが、無くて困る事もあるだろう。

アリスは半分服に入れておくようだ、もう少し移しておくべきか?あまり気にしても仕方が無いか。


 車両が減速しはじめる。

時間は出発してからまだ二時間は超えていない、減速するには早過ぎるが……大きく車両が揺れる。

車窓から身を乗り出したりはしないが、外の様子を窺うために近くにあった手鏡を外に出す。


 手鏡越しに見れば車両は起動(レール)を外れて移動している。

脱線している様にしか見えないが普通に走行している辺り、これで予定通りなのだろう。


 後ろを見れば最後尾の車両の隔壁が解放されている所だった。

しばらく見ていると戦車が飛び出していった。


 戦車は東の支援だということだが、停車もせずに降ろすとは。

あの機種……たしか空中浮揚(ホバリング)が出来るのだったか。

荒地進行用の無限軌道(キャタピラ)とは別に、推進機(スラスター)が四機積まれていたはずだ。

車両から飛び出した戦車は二両とも大きな音を立てずに、ゆっくりと着地してそのまま東に進んでいった。


 一方こちらの車両は減速を止めてそのままの速度で進行している。

軌道無しでの移動には大した速度が出せないのが欠点だろう、とはいってもそこまで遅くもないが。


 手鏡を引っ込める。

到着するにはもう少しだけかかる様だ。


遅くなりましたm(_ _"m)

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