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邪神の眷属になったようだが私は何をすれば良い  作者: 屯田観烏之羽(ミタミ・アノウ)
騎士覚醒編
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身体の状態

 五日の検査を終えて既に日が傾く頃になってようやくの退棟、の前に検査結果を聞く。

概ね聞かなくても判ってしまうのが悲しいところだが。


「お疲れ様でした、もうさっさと帰りたいだろうから検査結果は結論だけ言うね。

はっきり言って何も分かりませんでした、これ一応纏めてあるから渡しておくね。」


 だ、そうだ。


「ということで今日はもう帰ってゆっくりするといいよ。

何か分かったら、……あー君の上司に報告しておくよ、こっちは当分観測結果の洗い直しとかで碌に連絡取れないだろうし、来てもらっても対応できないかもしれないしね。」

「……了解しました、とりあえずそちらもまず一休みするべきでしょうし、何かわかったら連絡が貰えるとだけ認識しておきます。」

「うん、いい加減寝ないと見つけられるものも見つけられないからねぇ。ということでお疲れ様~。」


 もう限界が近いのだろう、ふらふらと手を振りふらふらとした足取りで病棟に戻って行くのを見送る。


 私もさっさと帰るか。





 道すがら渡された検査結果の紙面を捲って確認していく。

……測定失敗の文字が大量に並んでいるな。


 二十八種も観測方法変えてやってたのか、同時に出来る物は同時にしていただろうが、何回も同じ動作をしたりしたのはこれの為だな。

まぁ例外なく測定失敗と書かれているが。


 多様な方法で測定してるだけに、専門的な知識無しでは三割も内容が読み解けそうにないが……

ふむ、生体電流が検出できていないな。

電気信号がないなら魔導機械類と同じで魔素信号が、いやそれも検出できていないのか。

細胞類は身体から剥離した瞬間から崩壊して消滅してしまうし、研究者にとってはさぞ厄介な性質だろうな。


 ん、検査結果だけじゃないな、これは……論文の仮纏めか。

実験時の観測結果と照らし合わせた推察か、というかアリスともう一人の……誰だったか。

その検査結果まで付けられているが、これは個人情報の侵害ではないだろうか。

人目もないし誰かに見られる前に片付けてしまうべきだな、ささっと混沌(自身の内)に放り込んでおこう。


 あー、これは便利だな。

丸ごと取り込んだ書類の内容をそのまま記憶領域に保存できるのか。

機密書類の記憶と処理に便利だ、間違いない。

本来の使い方とは違う気もするが。





 さて、そろそろ家に……確かこの辺りだったと思うのだが、よく似た家屋が多くてどれだったかわからないな。

アリスに連絡して迎えに来てもらうべきだったか。

いや、アリスの気配は特に意識しなくても探知できる、ついでにこの五日間完全に放置していたが使い魔(ファミリア)も出しっぱなしだ。


 さて、まず現在地は……上空から俯瞰してみれば分かるが、随分と区画整備を神経質にやったような配置だな。

アリスの気配と現在地は……通り一つ間違えているのか、こう完全に格子状に区画整備されると曲がる場所が何処かがわかりにくいな。

看板の類をきっちり覚えておく必要がありそうだ、坂道も川も無い上に住宅街で目印になりそうな店もないと来ると実に迷い。

せめて通り毎に色か何かを付けろと言いたい。


 さて、ここがアリスの家……ん?ここは私の家だな。

確かアリスと同棲していた筈ではないのだが、それから家の中から感じる人の気配の数がアリスを入れて五人?

いや考えても仕方がないか、とりあえず入ろう。


 家の鍵は……魔術認証式か、たしか魔力波で個人特定しているんだったか。

それって開くのか?あ、やはり開かないな。


 呼び鈴(インターフォン)を押すか、この家の呼び鈴は……扉の横ではないな、外壁か。


 ん?アリスの気配が動いた、こっちに来るな。


「……?先輩何やってるんですか?」

「いや扉が明けられなくてな。今ちょうど呼び出そうとしていた所だ。」


 扉を少しだけ開けて顔だけ出していたアリスが、いったん引いて大きく扉を開けてくれたのでそのまま入る。


「というよりここは私の家で会ってるよな?」

「そうですよ?」

「知らない気配が二人いるんだが、というか何故ここにいる?」

「……」


 目が泳いでいる、顔も横に背けたな。


「アリス?」

「……引っ越してきました。」


 ……家主不在の家に引っ越してきた?そんなことが可能なのか、いやゼブルにこの前何か頼み事をしていたな。

あの時に企んでいたか。


「……まぁ……問題は無いか。」

「はい!問題ありません!」


 了承と受け取ったのだろう瞬間にいきなり元気になったな。

違法(ライン)ギリギリだったか。


「こほん……先輩、おかえりなさい」


 わざわざ咳払い……の様に口で言った意味は有るだろうか、まぁいいか。


「あぁ、ただいま。」


 アリスの顔が大きく破顔した……というかにやけた。

成程このやり取りがしたかったのだろう。


「晩御飯はまだですけど……お風呂にします?それとも――――」

「風呂だな。」

「――――最後まで言わせてくれてもいいのに……」


 何が言いたかったのかは分からないが、そういう定番のやり取りがあるのだろう、最後まで言わせるのは問題の様な気がした。

検査の関係で丸三日も風呂に入っていないので対外的によろしくないし、風呂には入っておく必要はあるだろう。


 本当は入る必要性が無いが『人』として気にしておくべき事は気を付けておくべきだろう。

いくら皮膚周りが巧妙に人肌に似せられた偽物で、肌に付いた埃や汚れの類が全て取り込まれて消滅し、清潔さを維持してい様とも、身体も洗わずに清潔だと言ってもそうは見えないだろうしな。


「はい、じゃぁお風呂に行きましょう。」


 ん?一緒に入る気か?

まぁ記憶上、アリスと二人で遠征してる間に裸を見たり一つの寝袋で寝たりと、色々していた様だし今更か。


 女性としてどうなのかとも思うが、まぁ軍人なんてそんなものだ。

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