07
「隊長、すごいです!」
「その力、いったい何なんですか!」
部下たちは興奮し、目を輝かせて俺を見ている。いや、これは俺の力じゃない。
足元で金色虎柄の毛玉がすり寄ってくる。俺はその猫ちゃんを抱き上げ、静かに言った。
「ありがとな」
「どういたましてにゃん。これでお前はぼくの下僕にゃん♪」
そうだった。力と引き換えに下僕になると約束したんだったな。
「俺はレオン。レオン・ハートランドだ。よろしく頼む」
「ぼくは猫ちゃん! 名前は"かわいい"だにゃん」
「……かわいい?」
「そうにゃん。みんな"かわいい"って呼ぶにゃん。だから、ぼくの名前は"かわいい"にゃん!」
「……なるほど」
猫ちゃんは"かわいい"という言葉を自分の名前だと思っているらしい。
猫にを見ると"かわいいな"とか"どうした"とか声をかける……確かに、誤解されても仕方ない。
「まあいい。よろしく頼む、"かわいい"」
「どうしたにゃん♪」
「……よろしく、って意味だな?」
「そうにゃん!」
俺は苦笑して頭をかいた。
とんでもない存在に仕えてしまったのかもしれない。
「それで、これから俺はどうすればいい? 下僕の仕事ってなんなんだ」
「ぼくは世界のみんなを救うにゃん。
そのためには、あと四人の下僕が必要にゃん!」
「仲間集めか……」
「そうにゃん! 強い仲間を見つけるにゃん!」
「わかった。なら、付き合おう」
俺は猫ちゃん……いや、"かわいい"の頭を撫でた。
猫ちゃんは目を細め、気持ちよさそうに喉を鳴らしながら俺の手にすり寄ってくるのだった。




