↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
勇者かわいい ~知らんけど、たぶん猫ちゃんがオワコン世界を救うお話~  作者: PYON
第四章 魔王ミレーネ・ヴァルガス

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
57/58

エピローグ02

 ここは神界。といっても雲の上で竪琴が鳴っているような場所ではない。

 モニターが壁一面を埋め尽くし、赤や青のランプが点滅する。誰かがコーヒーをこぼした紙コップを放置したままの、ありふれたオペレーションセンターである。

 そこで、幾多の神たちがあわただしく働いていた。

 

「で、あの世界……NK5254はどうなってる」

「例のオワコン世界ですか」

 端末を操作していた補佐官の神があくびをかみ殺す。

「ああ、人間たちが好き勝手やって収拾がつかなくなっていたところだな」

「あなたが"勇者の洞窟"を実装したんでしたね。最初に辿り着いた存在に勇者認定、チートパワーを付与する……というシンプルなシナリオでしたね」

「そうそう。神ってのは直接手出しできんからな。ルールをつくることはできる」

「で、結果は?」

 拡大された映像には、洞窟の最奥で膝をつく三人の冒険者が映し出された。ドミンゴ、ギャラン、ブライト。どれも勇者の器には程遠い顔ぶれだ。

「……こいつらか?ずいぶん柄のわるいやつらだな」

「いえ、もう儀式は発動済みです」

「何? じゃあ勇者は別に?」

 補佐官が画面をさらに拡大する。そこに浮かび上がったのは、点々と続く小さな足跡。

 

「……猫?」

「はい。猫ちゃんが一番に到達しました」

「バカな! あの罠の数々をどうやって……」

「床罠は体重が足りず発動せず。赤外線トラップは猫ちゃんの目に全部見えていた。謎解き扉は……まあ隙間から液体化してすり抜けたようですね」

「……」

「つまり、猫ちゃんが正式に勇者です」

「世界はどうなる?」

「さあ。勇者はひとりだけ、ルール上そう決まっていますし。勇者が複数いると勇者同士が争いますからね」

「……猫が世界を救う? 無理だな」

「でしょうね。でもまあ、我々の責任ではないですし」

「ああ……見なかったことにしておこう。ほら、別件の世界もトラブってる」

 神々はNK5254のウィンドウを無言で閉じ、新しいアラート音に慌ただしく移動していった。

 こうして、人間と魔族の運命は、ディスプレイの片隅で猫に委ねられたまま放置されたのだった。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。