↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
保護惑星の魔石採集者  作者: あおおに


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
12/23

情報収集です

 翌日は、朝から情報収集である。

 調べる事は、魔石の相場と帰らずの森についてだ。

 魔石は、腕輪での通販システムに欠かせない物である。が、冒険者ギルドでも取り引きのメイン的存在らしい。もし、ギルドで売買した方がお得ならば、魔石を部分的にギルドに流すという選択が出て来る。

 腕輪の通販システムで手に入る物は完全には捨てられないが、食べ物や衣服なんかは現地の物に置き換えても良いだろう。


 そして、俺たちの拠点がある帰らずの森であるが、この先も住み続けるか、引き払うかの判断の為にも、外の意見が欲しかったのだ。

 が、帰らずの森なんて名前が付けられるぐらいに、外からはヤバい場所と見られているらしい。

 イゼール氏が商売にやって来たのは、実はかなり追い込まれていたのかも知れない。

 そういう意味では、ガイアスのパーティも、借金か何かで尻に火が着いていたのかもと思えて来る。

 イゼール氏は勝負に勝ち、ガイアスたちは負けたって訳かな。


 そんなこんなで、俺と間久部はタグマンの近場で狩りを行っていた。

 街の近くではゴブリン程度しか狩れないという話だが、それでどれぐらい儲かるのかが知りたいのだ。

 俺も間久部も、腰にはゴブリン剣ではなくちゃんと店売りの剣を吊っている。狩りに出る前に買ったのだ。おっさんながら、剣を買う時には心が躍ったよ。間久部も、ちょっと嬉しそうだった。


「この先に、ゴブリンらしい集団がいますね。数は、……7体」

「了解。ジャベリンを連発してから、斬り込むわ」

「1〜2体はもらいます」

「分かった」

 慎重に進んで行くと……いた、確かに7体。

 他に冒険者は、いない。  


 3発のファイヤージャベリンを起動。

 ゴブリンに気づかれないうちに発射。

 3体のゴブリンが胸を貫かれて、地に没んだ。おお、コントロール、良くなってる。

 残り4体。

 更にもう1発ファイヤージャベリンを撃ち、俺は走り出した。


 最後のジャベリンは狙いを外したが、躍り込み様に振った剣が、ゴブリンを袈裟斬りにする。更に横に振った剣が、ゴブリンの首の動脈を断つ。

 残り2体。

 振り向けば、間久部の剣が2体目の胸に突き刺さるところだった。

 それでも油断はせずに辺りを見回す。

 新しい敵も出て来ず、倒した連中が動き出す気配もない。よし、大丈夫だ。


「俺が魔石を取る。見張りを頼む」

「分かりました」

「しかし、戦闘系の能力もないのに、間久部は強いな」

「学生時代は剣道部でした」

「意外と暑苦しい」

「ええ、暑くて、臭くて、大変でした」


 ゴブリンの死骸は、そのまま放置。

 まだゴブリンを自力で倒せない連中が、有効活用してくれるらしい。何をどう活用するのかは知らないし、正直知りたくもない。ただ、放置した方が良いとだけ聞いている。

 魔石を取ると、俺たちは次の獲物を狙いに歩き出した。

「お、イノシシっぽいのがいますよ?」

「間久部、今日は魔石の相場を見たいだけだから、肉とかは要らない……で良いか?」


「良いですよ、今日ぐらい。索敵に、さっきのゴブリンに群がる小さい影が見えてますからね」

 なるほど。間久部の方が、より子どもたちを感じていたか。

「じゃ、イノシシをプレゼントしよう」

「大吉さん、優しいですねー」

「偽善だよ。気が向いた時に、気が向いた相手にしか優しくなれんからな」

「竜ヶ原さんに良い報告が出来ますよ」


「おまっ、まさかスパイか!?」

「スパイって程じゃないですけどね、面白い話があったら聞かせてって言われてるんで」

「おいおい、時と場合によっちゃあ、お前さんには優しく出来なくなるぞ?」

「大丈夫ですよ。言って良い事と悪い事の区別ぐらいはつきますから」

「本当だろうな?」

 しかし、間久部を手懐けるとは、竜ヶ原さん恐るべし。


 ファイヤージャベリン3発でイノシシを倒し、魔石だけを抜き取る。

「アヅマと狩ったイノシシはもっと大きかったが、それで100ポイントにしかならなかったんだよな」

「ゴブリンのポイントと合わせて紙皿や水を買って、終わったんでしたっけ?」

「ああ、果たして、こいつがいくらになるかだな」

 そこからしばらくうろついたが、もう何も取れなかったので、引き返す事にした。





「これは、イノシシの魔石ですね。銀貨1枚になりますね」

「ゴブリンは?」

「ゴブリンの魔石は、1個で小銅貨ですね」

「ふむふむ、そんなものか」

 日本人の感覚で言えば、大まかに銀貨1枚で一万円、銅貨1枚で千円、小銅貨で百円てとこだ。

「これで一万円なら、ギルドで売る方が得な感じだな」

「そうですね。一万円あったら、水や紙皿だけで終わらなかったですね」


「あ、あと、帰らずの森について聞きたいんだけどさ」

「あそこは木級の人には早すぎますよ」

「いや、そうかも知れないけど、興味があってさ」

「はいはい。後ろが立て込んでますから、さっさとはけて下さいね」

 受け付けの美人さんに、すげなく追い返されてしまった。


「とりあえず、あそこが初級者向けじゃない事は分かった」

「ガイアスやウルスさんは、何級だったんでしょうね?」

「そんな事聞かなかったなぁ」

「じゃあ、浜部氏に倣って、歓楽街での情報収集に向かいますか」

「お前、竜ヶ原さんに言わないだろうな?」

「言いませんから、信用して下さいよ」

「なんか、信用し切れんな……」






 前の夜に仕入れた情報で、最も格式が高いと評判だった『神々の寝床亭』。

 1階は、綺麗どころを相手に高級酒を飲めるお店。

 2階より上は、仲良くなった女性と更に仲良くなれる寝室になっている。

 そして、その1階で何人もの女性を侍らせて飲んでいるのが、浜部氏と橋元氏だった。

「やあ、君たちも情報収集かね?」

 橋元氏はともかく、浜部氏はかなり良い調子である。


「そんなに酔っ払って、大丈夫ですか?」

「なに。こういう場所で気取ってもしょうがない。腹を割った姿を見せてこそ、互いの信頼が得られるというもの。君たちも見習いたまえ」

「へへぇー。ありがたいお言葉」

 俺たちは浜部氏から離れた席で2〜3杯飲むと、その店を出た。浜部氏が幅を利かせる店では、ちょっと楽しむ気にはなれなかったのだ。


「別の店にしよう」

「あ、あそこも評判は悪くなかったですよ」

『不死鳥の夢亭』。

「浜部氏がいなかったら、そこでいい」

 恐る恐る覗いたが、店内に浜部氏はいなかった。そりゃそうだ。俺たちは安心して酒を頼み、仲良くなった女性と寝室に入った。


 彼女はキツネの獣人でレオーネと名乗った。

「俺たちの故郷には獣人がいなくてさ、気を悪くしたら謝るけど、オオカミの獣人てのは、また君たちとは違うのか?襲われた事があるんだけど」

「オオカミの獣人て言うか、ワーウルフの事でしょ。あれは、見た目は獣人だけど完全に魔物よ」

「魔物じゃないオオカミの獣人も、いる?」

「いないわ。犬の獣人はいるけどね」


「そうか。じゃ、森の中でオオカミ獣人に会ったら、敵と見做していいんだな」

「でも、ワーウルフと取り引きしてる商人もいるらしいわよ」

「えー、難しいな」

「帰らずの森の話なんでしょうけど、そんな場所に出入りしなきゃいいのよ。命がいくつあったって、足りやしないんだから」


「知り合いに、帰って来なかった奴がいるのか?」

「ええ、何人もね」

「そうか。悪い事を思い出させたな。もっと飲もうぜ」

「私に飲ませ出したら、朝までかかるわよ」

「構わん、構わん。好きなだけ飲めばいい」

「あら、優しいじゃない」

 レオーネは、本当に朝まで飲み続けた。


 

読んでいただいて、ありがとうございます。

こんなお話でも面白いと思って下さったら、『☆☆☆☆☆』を『★★★★★』にしてポイントを入れてもらえたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
レオーネさん、キツネなのにウワバミ? だから何だって話ですが。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。