GW
遠足が終わった。今日からGWだ。怒涛の日々で休みの予定など立てていなかった。母に電話をする。
「もしもし」
「あ、お母さん?今日からGWだから、そっちに帰ってもいい??」
「いいよ。」
実家は電車で一時間ほどのところにある。帰省の用意をし、家を出た。
駅の改札に見慣れた人がいた。
「アレックス先生、こんにちは。」
「水川先生、こんにちは。ご旅行か何かですか?」
「いえ、実はGWのことをすっかり忘れていまして、今から実家に帰ります。アレックス先生はどこかへお出かけですか?」
「加瀬先生たち同級生との集まりです。」
「そうなんですね、仲良しですね。」
「まあ、定期的に集まってはいますね。」
「いいですね。」
「明日からは何されるんですか?」
「特に予定ないんですよ。どうしようかな。」
そう言って電車に乗り込む。
「そうなんですね。僕もなんですよ。」
「一緒ですね。」
「「・・・・・」」
誘う?これ誘っていい合図?いや、そんな勘違い女子みたいなこと・・・それに、誘って断られたらGW明けの仕事が・・・。そもそも何で誘うとか悩んでるの。アレックス先生は仕事仲間!
「普段のお休みは何をされているんですか?」
沈黙の気まずさに耐えられなかった。
「僕は留学生の寮に住んでるので、用事がない時は学校の裏の森で何か作ったりしてますね。」
「え!?先生、寮にお住まいなんですか?」
「はい。寮監なので。」
「あれ?アン先生も寮監ですよね?」
「アン先生は、他にもお仕事があるので。」
「そうなんですね。あの森でゆっくりできるのは素敵ですね。」
「はい。故郷の森と似通ったところがあるので落ち着きます。」
中央駅に着いた。乗り換えだ。
「ではでは。また」
「はい。失礼します。」
思いがけない時にアレックス先生に会えた。ちょっと心が浮き上がるのを感じだ。
実家に帰ると、ポメラニアンのてんとコーギーのぽぽが大歓迎してくれた。
もふもふに埋もれる。至福の時だ。
「おかえり。」
「ただいま。着替えてくるね。」
部屋着に着替えてリビングに降りる。
「おつかれさま。学校はどう?」
「うーん。大変な時もあるし、今までの常識が覆されて新鮮。楽しいよ。」
「そっか。よかったわね。今日はごちそうよ。」
「やったー」
父が仕事から帰ってきて夕飯となった。ハンバーグだ。いくつになっても母のハンバーグは最高だ。
食後、お庭のテラスで一人お茶を飲む。膝の上にてんをのせて。
ふわふわした毛皮を堪能する。ジンを思い出す。姿を消してついてきてくれるっていいなあ。大きさ変えられるのもいいなあ。でも、うちの子の場合連れて行ったらかわいそうよね。
そもそもジンは狼で、しかも、異世界の生物なのだから、うちの子たちとは違うのだけど。
いつも、もふもふがそばにいるリックが少し羨ましくなった夜だった。
読んでくださってありがとうございます。




