遠足の打ち上げ
居酒屋マーメイドに着いた。正直着くまではキャバクラかなと思わないでもなかったが、着いてみるとアクアリウムがあり、宮殿の模型もあり、あ、なるほど、マーメイドかと思えるような店だった。ザリガニ?イセエビ?ロブスター?だけは出さないでほしいな。
お店の受付で、
「村田で予約しているんですが・・・」
というと、
「村田様ですね。何人か来られてますので案内しますね。」
と案内された。来てみたものの不安だなあ。留学生科の先生としかほどんどしゃべったことないし、でも話したことない先生と仲良くなるチャンスかも。実習で行った学校の先生が、「飲み会はとにかく出席。端でニコニコしてるだけでもいいから出席!」って言ってたし。
「こちらになります。」
個室に案内された。天井までアクアリウムになっていて素敵な部屋だ。・・・合コンとかで使われる部屋なんじゃ・・・村田先生って・・・いやいや先入観はよくない。
部屋に入ると、アレックス先生がいた。
「水川先生、こっちどうぞ。」
「はい。」
よかった。アレックス先生の隣なら安心だ。周りの先生も紹介してくれる。
「こちら、数学の西村先生と理科の加藤先生。」
「水川です。よろしくお願いします。」
「よろしくー。留学生科だと職員室離れてるから全然交流ないし、一度お話ししたいなと思ってたんですよ。」
「そうそう。知らない人ばっかりで緊張するだろうけど、楽にしてね。」
西村先生は男の先生で、加藤先生は女の先生だ。
「お疲れ様で―す。」
加瀬先生だ。
「お、加瀬っちお疲れ。」
向こうで学年主任の先生に声をかけられている。
「お疲れ様です。あら、最後?」
アン先生が微笑みながら、私の隣に来てくれた。両隣が知ってる先生で安心する。よかった。
全員分の飲み物がそろったところで、飲み会が始まる。
「じゃあ、今日は遠足お疲れさまでしたー。かんぱーい」
「「「「「かんぱーい」」」」
「「「お疲れーー」」」「お疲れ様ですー」」」
何人か来られなかった先生がいるみたいで、この部屋には10人の先生がいた。
みなさん思い思いにお話をされてている。ビール瓶を持った若い男性の先生が近づいてきた。
「今年二年目の村田です。今日の幹事です。よろしくお願いします。」
「あ、どうも、水川です。よろしくお願いします。」
「多分一年間幹事してると思うんでよろしくお願いします。」
「はい。こちらこそ。」
挨拶だけして、村田先生は学年主任の先生に呼ばれて行った。
「先生。お疲れ様です。」
加瀬先生だ。また、アン先生のことをチラッとだけ見ている。アン先生はほかの人と話をしていて気づかない。いや、フリか?
「お疲れ様です。」
「飲んでますか?」
「今日は体力使ったのであんまり飲まないようにしようと思って。」
「そうなんですね。ここソフトドリンクも豊富だからそれでも楽しめそうですね。」
「はい」
「あら、加瀬くんだわ」
「はい!加瀬です。」
アン先生が加瀬先生に気付いた。じっと見つめてニコッとわらう。私が加瀬先生ならいちころだ。
「アン先生、また飲みすぎなんじゃないですか?」
「そんなことないわよ。さあ一緒に飲みましょ。」
「もう、仕方ないですね。」
と言いながら加瀬先生はとても嬉しそうだった。
飲み会はお開きとなった。二次会に行く先生もいるようだが、初の遠足で体力は限界だ。帰ることにする。
「アン先生、大丈夫ですか??」
「加瀬くん、今日もアン先生頼むよー。」
「わかりました。送ってきます。」
加瀬先生はアン先生を支えながら、駅に向かった。
「水川先生、帰るの?」
「はい。今日はもう体力の限界で。」
「そっか。僕も帰ろうかな。」
「そうなんですか?」
「ちょっと寝不足で。」
「寝不足で二次会はつらそうですね。」
「うん。・・ じゃあみなさんお疲れ様です。」
「お疲れー」
「失礼します。」
挨拶して、アレックス先生と帰ることにした。
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