第14話:にんにくラーメン
こちらの投稿もお久し振りで御座います、ぎこうで御座います。
メインとは違い、緩くマッタリと週1投稿を目標に再開しました。
宜しければご覧ください。
「フジピーありがとう〜、良いお年をー!」
「ええ、良いお年を」
時刻は午前0時41分。
今日は今年最後の出勤日、全員で定時に上がって課の忘年会をした。
流石にこんな日の飲み会にはウチの課長も顔を出してくれた。勿論、最後まで。
流石に2軒目は無かったので、1人で飲み直したよ。
場所は最寄り駅の1つ先にあるラウンジだ。
この歳でラウンジって可笑しな話だが、大学の先輩が働いているのがキッカケで2年程通っている。
明朗会計で何時間居ても5000円、ボトルキープも焼酎なら5000円。安い店だ!
結構混み合っていたので、年末の挨拶だけと思いつつ、結局は2時間以上も長居してしまった。
(小腹が空いたな…)
どこの店内も暖房が効いていて暑いくらいだったし、俺も酔っていたから尚更気にしなかったが、今日は寒い!
年越しにかけて寒波がどーのこーのとネットニュースで上がる程度に。
それなのに、寒さよりも腹の虫が鳴りそうだ。
食い終わってからもう3時間が経つのだから不思議ではないが、この時間に何か食えるトコって限られる。
斜め前に牛丼屋があるが、あのチェーン店は俺の中ではそもそも選択肢に入らない。
道路を渡った銀行の裏のBARでハイ◯ケンの瓶をラッパしながら名物のホットドックをかぶりつくか、10分歩いて役所近くの深夜4時までやってるうどん屋に行くか、これから居酒屋とかは論外だ…。
ここからなら歩いても家まで10分かからない。どうしたものか?
(せっかく明日から正月休みだし、久々にあそこはどうだろうか?)
駅前のコンビニに移動し、タバコに火をつけながらスマホをイジる。
(潰れてない! 2時までか!)
目当ての店が健在で、閉店までまだ1時間もある。
行くしかないだろう!
家とは反対方向に高架沿いに進む。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
歩くこと10分最寄駅から更に1駅遠のいたが、目当ての店は半分くらい埋まっている。
「いらっしゃいませ!」
「いらっしゃいませぇ、空いてるお席どぅぞー!」
席に着き、軽くメニュー表を確認。
「にんにくラーメンとチューハイで」
「はぃよ! ラーメンとチューハイですね!」
「にんにく多めでお願いします!」
「にんにく多めですねー」
このラーメン屋にはラーメンの種類は2つしかない。
【にんにくラーメン】と【にんにくチャーシューメン】、あとはご飯物とツマミになる様なアテ。ビールとチューハイ(レモン)のみ。
ラーメンのオーダーを通す際にはラーメンやチャーシューメンで通している。
以前、若い女の子がにんにく抜きで注文する現場に立ち会ったが、俺を含めて全員がその娘をガン見したのを覚えている。
にんにくラーメンのにんにく抜き、それは至ってシンプルな醤油ラーメンだったなぁ…。(俺が知らなくていい味だ)
「どうぞ!チューハイです!」
「ありがとう」
ゴクッゴクッ
(レモンが爽やかや〜)
そういえば、今日はまだチューハイ飲んでなかったな。
会社の忘年会は9人でイタリアンバルに行ったから、ビールとワインだったし、さっきは麦の水割りばっかだった。
(両サイドからいい匂いがしやがるぜ!)
それにしても待ち遠しい、久し振りのにんにくラーメン…。
会社内でのデスクワークと社外での時間は圧倒的に社内の方が長いが、スメハラとか裏で言われんの怖いじゃん?
次の日が休みとかでないと俺はにんにくを使った料理は控えている。
(前はいつ食いに来たっけか?)
秋口だったか、夏だったかさえ覚えていない。
「お待たせしました!にんにくラーメンにんにく追加です! 足りなかったら言ってください!」
(キタキターー‼︎‼︎‼︎‼︎)
久し振りのにんにくラーメン、豚骨ラーメンじゃないのにすりおろしたにんにくで真っ白なスープ。
麺の上に盛られたモヤシの上に散らばった刻みにんにく。
(あ〜〜。ええ匂いや、堪らん!)
ラーメンを眺めているだけで心は満たされてそうだが腹は膨れん、食うか!
(いただきます)
先ずは今のスープの状態をチェックだ。
フー、フー、ズズッ
美味い!
にんにくの味にクドさが無いのにスープの味もハッキリと感じられる。
フー、フー、ズズッ
にんにくうめーよ〜!
イカン! 麺もいかねば!
その前に、モヤシと刻みにんにくを麺とスープに混ぜねば。
全体を絡めた状態のスープをチェック。
フー、ズズッ、フー、ズズッ
刻みにんにくが強烈だーーー!
麺だ麺!
フーフー、ズルズル、ズルズル
中細縮れの卵麺にシャキシャキモヤシに刻みにんにくが三位一体となって俺の食道を通ってゆく。
ズルズル、ズルズル、ズズッ、ズルズル
胃が熱い、身体がカッカしてくる。元気が溢れてくる様だ。
少しクールダウンしよう。
ゴクッゴクッゴクッゴクッ!
「チューハイのお代わり下さい!」
「直ぐにお持ちします!」
(スッキリした〜)
リフレッシュしてまた啜る。
啜る、啜る、飲む、飲む、啜る!
お代わりのチューハイを持って来た店員さんに目と会釈で礼を伝えまた啜る!
「チャーシューメン大盛り!」
「ラーメンにんにく追加、ライス!」
1時30分を過ぎようとしているのに盛況の様だ。
自分の好きな味の店が賑わっているのって嬉しいな。
ズズッ
麺が無くなったが、ここからが第2ラウンド。
残り僅かとなったスープの底に沈んでいるにんにくをレンゲでスープと流し込む。
シャリシャリと、生とも火が通ったとも違う微妙な塩梅のにんにくを噛み締めながら、スープを最後まで飲み干す。
ンクッ、ンクッ、ンクッ
「ハァ…」
美味かったよ、マジで美味かった。ゴッソサン!
気が付けば、両サイドの客が食後のタバコに火をつけている。
俺も吸うかな?
食後の1本を楽しみつつ、チューハイを空にして店を出る。
「ありがとうございました!」
「ご馳走さま」
暖房や酒以外の第3の要素が加わって、身体が熱い!
熱い、熱いねぇってな。
電車もないし、タクで帰る距離じゃない。
明日から休みだ、のんびりと歩いて帰ろうか。
自分の息なのに、にんにく臭を感じる。誰にも迷惑かけない様にマスクしよっ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
1駅分歩いた所で声をかけられた。
「あれ? フジピー?」
「パイセン?お疲れさんです」
「さっき帰ったよね?」
「にんにくラーメン食って来ました」
「マスク外して、ハーして」
「絶対臭いっすよ?」
「いいからして!」
「後悔しても知りませんからね、ハァー」
「クッサー! じゃーねー!」
昔からだが変わった人だ…。
たっぷりとにんにくを入れたラーメン、好きです。
にんにくラーメンはお店側で味の調整をしてくれているので、本当に大好きです。




