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黄金のファフニール  作者: とっぴんぱらりのぷ〜
第3章 光を追って
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女の子になりたいっ!

「あははは。お兄さん。クリスさんを女の子だと思ったでしょ?」


 風呂場で倒れた俺はクリスに服を着せられ介抱までしてもらって食堂に運ばれた。


「笑い事じゃねぇよ」


「ごめんなさい。ふふ、だってあたし達も最初は女の子だと思ったんだもん。仕方ないよー」


 宿の娘の言葉に心外とばかりにクリスが叫ぶ。


「ボクは身体は男でも心は女です!」


 いや、そういう問題ではないのだが……。


「はぁ……。まぁいいや。何か食べる物とエールをくれ」


「あ、ボクにもエールをください」


「はーい。ふふふ」


 いくらでも笑ってくれ!目の前の美少女改め美男子のクリスはニコニコして俺を見つめている。男とわかった後だと緊張もしない。

 五分ほどで食べ物とエールが運ばれてくる。遅いので大したものはないと言っていたが、ソーセージとチーズの盛り合わせやサラダなども用意してくれた。

 俺はジョッキを持ち口に運ぼうとするが、クリスがジョッキを手に泣きそうな顔で俺を見ている。乾杯ですね……。


「ボクとミツハル様の未来に!」


「誤解を招く表現はやめてくれ!」


 クリスと乾杯をかわし食事を摂る。この世界に来てからエルフは何度も見かけたが間近で見るのは初めてだ。見た目も美少女だけど仕草も女の子っぽい。そんなクリスを見ていると目が合ってしまう。頰を赤らめもじもじしているし……。


「そんなに見つめられると恥ずかしいです……」


「いや。まぁ、見てはいたけど……。ところでクリスは何処のギルドに所属してるんだ?」


「ボクは南区のギルドに所属しています。南区は獣人やエルフが多いので……」


「そうなのか。他所のギルドの情報は入ってこないから初めて知ったよ。俺は北区のギルドだ」


「北区……。移籍しようかな……」


 おい……。ストーカーかよ!


「さっきの風呂場で言ってた事なんだが……」


「結婚の話ですか!?」


 目を輝かせて食いついてくるが


「そっちの話じゃなくて、ファフニールに女にしてもらうようなこと言ってなかったか?」


「そっちの話ですか……」


 本当に残念そうにするなぁ。


「ボクの生まれ育った里に伝わるお話なんですけど、ファフニールに会えるとどんな願いも叶えてくれるという言い伝えがあるんです。だから、ボクはファフニールに会って女の子の身体に変えてもらいたいんです!」


 なんかシェ◯ロンみたいな扱いなんだな。


「そうか……。なれるといいな。女の子に……」


「あのっ!もしよろしければ、ミツハル様のクランに入れてもらえませんか!?移籍もします!」


 仲間に入れるか?四十五層の攻略には人数が必要だけど、二人に相談しないで決めたら怒られるかな……。


「残念だけど、俺はクランに入ってないんだよ。だけど少人数で攻略はしてるんだ。俺達と一緒に行ってみるか?」


「はい!一生懸命がんばります!」


「それと、今は四十五層を攻略中だ。ハッキリいってキツイぞ?」


「四十五層……。がんばります」


「じゃぁ、これからよろしくな!クリス!」


「はい!心も身体もミツハル様に捧げます!」


 また誤解を招くようなことを……。






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