表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
現代日本の魔法事情  作者: ナカタカナ
燃え上がる?萌え上がる?魔法祭
24/26

開幕家族会議


 あれから授業は三校時まで終わり今は休憩時間だ。

次の四校時は魔法学座学だ。でもさっきの時間ずっと僕の方をチラチラ見てくる人物がいる。

名前はサラ・メロウ・クレハ・デュヘイン、デュヘイン皇国の第三皇女だ。


 チラ見の回数もすごかった。

一分間に三回はこっちをチラ見してくる。

目が合うとニッコリと笑う。

その笑みを見るだけで背筋がゾクッとする。


 「月夜君」

「どうしたのサラさん」

「いいえ、呼んでみただけですわ」

「そう、それと授業中にこっちをチラ見してくるのは止めてもらえますか」

「なんのことですか、私はチラ見なんかしてないわ、たまたま目が合っただけよ」

「絶対たまたまじゃないでしょ」

「そんなことないですわ」

彼女はフフフと微笑んだ。


 そして、工藤先生が教室に入ってきた。

「オーイ、お前ら席につけ。授業を始めるぞ」

すると教室内で友達同士で話していたグループは席についた。


 「よし、全員席についたな、それじゃ授業を始める。今日は転入生のサラ皇女様の為に全員自己紹介な」

工藤先生はそう言った後あくびをして教壇に座った。


 「それじゃ芥川から順に」

こうして僕達の自己紹介が始まったのは良い事だけど自己紹介は二回目なので僕は聞き流していた。

そして僕の番がやって来た。


 「月夜凶夜です。昔の事はあんまり覚えてないんだけどこれからよろしくね」

昔の事を覚えてないと言ったらサラさんの目つきは一瞬鋭くなった。

「よろしくお願いしますわ、でもしっかり昔の事は思い出してもらいますわよ」

「あはは、う、うん出来るだけ早めに思い出すよ」

「絶対ですわよ、約束ですわ」

彼女はニッコリとしてそう言った。


 それから最後まで自己紹介は続き次は魔法祭の事が話された。

「魔法祭では二年生が最初、その次に三年生がそして最後に一年生が出ることになってるから覚えとけよ

あとはだな、生徒会が企画した各クラスから一名ずつ男子生徒を女装させて女装コンテストを行うことが決定した」

「「「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」」」」」

男子たちの悲痛の声だった。

『分かるぞ、非常に分かるぞだが君たちはマシだろ僕なんか目の前でそれが決定された時の絶望感と言ったら、今思い出しただけでも寒気がする』


 「そう言えば、月夜はこれが決定した時に生徒会室に居たんだよな」

「・・・・な、なんの事でしょうか?ワタシハシリマセンヨ」

「おい、片言になってんぞ」

「なんで、女装コンテストなんかにしたんだよ、それだったらミスコンとかのほうがいいだろ」

「「「「「そうだそうだ」」」」」

男子からの言葉が胸に突き刺さる。


 「仕方ないだろ、僕だってミスコンを提案したさ、だけども生徒会長がそれだったら面白くないって言って、だったら女装コンテストにしましょうって言ったんだ。僕は悪くない」

「へぇ、良く知ってんな生徒会室には居ないって言ったのに」

「しまった・・・」

「はぁーい」


 すると井上さんが手を上げた。

いやな予感しかしない、背中に冷汗が・・・


 「だったら月夜君を女装させればいいと思います」

「おい、ちょっと待とうか井上さん」

「なぁーに、月夜君」

「なんで僕が女装することになってるの」

「だってぇ、その場にいたんでしょ」

「いや、う、うん、確かに、確かにいたけども」

「じゃあ、決定ね。みんなもそれでいい」

「「「「「賛成」」」」」

「ちょ、おかしいよね、僕なんかが女装しても女装趣味な厨二病にしか見えないよね。ほらサラさんも

なんか言ってよ」

僕は最後の希望であるサラ様に頼んだ。


 「私も賛成ですわ」

「即答!?」

一瞬で希望が打ち砕かれた。

「って事で月夜の名前で女装コンテストに応募するぞぉ」

クラスメートたちはウェーイとか言ってる。


 後ろを見ると使い魔のみんなは笑いをこらえていた。

「ねぇ、なんか言ってよ、笑うのこらえてないでなんか励ましてよ」

「・・・ブフッ」

「・・・ブフッ」

「・・・ブフッ」

「ブフッ」

「ブフッ」

「ブフッ」

「ヒィ、ヒィ・・・楽しみにしてるよ・・・ブフッ」


 「噴き出さないでしょ、それと最後励ましになってないからね」

まさかの使い魔のみんなにも裏切られた。

キーンコーンカーンコーン四校時終了のチャイムが鳴った。


 今からは昼休みで昼食を取るのだが正直食欲がない。

「月夜君、一緒に食べましょう」

するとサラさんが僕の目の前に現れた。


 「うーん、僕はいつも蓮姉ちゃんと食べるから」

「それでは、ご一緒してもよいいですか」

「僕は構わないけど、蓮姉ちゃんがどういうか・・・」

そしてガラガラと教室のドアが開いた。


 「凶夜、一緒に食べましょう」

その声の正体は蓮姉ちゃんだ。

そして返事をする前に僕の手を引いて中庭に連れて行った。

後ろからは使い魔のみんなとサラさんがついて来ていた。

中庭に着くと彩華先輩が胃薬(・・)を持って待っていた。


 この様子を見るとこれからものっすごいヤバい事が起きることが分かる。

「さぁーて、食べましょうかと言いたいところだけど、何故皇女様が一緒にいるの」

ハイライトの消えた瞳で僕に問いかける。

「私がご一緒したいと申したからですわ」

そしてこちらではニコニコしたサラさんの背後で何か大きな黒いナニカが見えた。

「へぇ、それでなぜ皇女様は一緒に食べたいなんて思ったのかしら」

「それは私が月夜君の許嫁だからですわ」

「許嫁?そんな話聞いてないけど、どういう事」

サラさんを見ていた瞳は僕の方へ再び向いた。

「えぇと、僕もさっき知ったことでして、あのバカ(父親)が勝手に決めた事ですから僕は何も知りません。はい」


 そしてたっぷりと待った後いきなり蓮姉ちゃんの首がガクッて九十度曲がった。

懐からスマホを取り出し電話をかけた。

「もしもし、お父さん一つ聞いて良い・・・そう、許嫁の事よ・・・なんで、勝手に決めたの・・・

なんでよ、ナンデナンデナンデナンデナンデナンデ・・・それで本当なの許嫁って・・・そっか」

スマホを再び懐に忍び込ませると僕の方を見た。

「良い凶夜、許嫁だか何だか知らないけど帰ったら家族会議(裁判)よ」

『これって絶対有罪しかないよね、絶対』

「まぁ良いわ、早く食べましょ」


 食事中は不気味なくらい静かだった。

それはもう、ほんとに静かだった。

いつもならはいアーンってしてくる蓮姉ちゃんが何か悩みながら食べていた。

明日は剣か槍でも降ってくるのかな。 


 食べ終わった、僕は図書室に紅葉さんを呼びにいった。

紅葉さんは既にマジックスーツに着替えていた。

「紅葉さん、もう授業が始まるから行こう」

内心ビクビクしていたが、今は紅葉さんとの練習のことだけ考えないと。 


 今日の練習も普段と変わらない内容だったがひとつだけ違うことがあった。

サラさんが僕たちの練習を見ていた。

紅葉さんは気づいてなかったみたいだけど

ずっと見られてると、緊張して練習しにくかった。

そして、学校が終わり家で家族会議という名の裁判が始まろうとしていた。


 「えぇ、これより家族会議を始めます。議題は凶夜の許嫁である

サラ・メロウ・クレハ・デュへイン皇女をどうやって暗殺するかです。

「暗殺しちゃダメでしょ」

全くうちの姉はいきなり皇女様を暗殺するなどという物騒なことを話し出した。

しかも周りもそれに同調してイェーイと言っている。


 いつからこんなにクレイジーな家族になったんだ。

「大丈夫よ凶夜お姉ちゃんが必ずあなたを守ってあげるからね」

「安心してください、お兄様、私も全力でお兄様をあの女狐から解放してあげますから」

ハイライトの消えた目で二人が僕に迫ってくる。

ちなみに今の僕の状態は使い魔組に監視されていて逃げ出すことが出来ない。


 「本当にあの無能ジジイは勝手に許嫁を決めちゃって

いつか絶対に私の手で殺してやる」

「一応あれでも僕たちの親だからね、ジジイっていうのは・・・」

「良いのよ、昔から私と凶夜に無理難題を押し付けては・・・あぁ

思い出しただけでも腹が立つ。絶対にあんなやつに私のきつねうどん夜を奪わせないんだから」

「そうですよお兄様はあんなやつに奪わせません『お兄様は私の物です。ウフフ』」

うちの女は大変危険な思考回路を持って生まれたようだ。


 その後は誰一人喋らずに食事をしていた。

僕は一人ずっとみんなが出している瘴気をシャワーのように浴びながら食べていた。

勿論味など分からない。

 

 僕はパッパッと食事を済ませて自分の部屋に戻った。

部屋に戻った僕はベッドに寝ころび色々考えていた。

最近なんか僕だけ不運な事に会っているのではないかとか、なんで僕の周りの女性はハイライトがすぐに消えたり、するんだろうとか思ったり。


 そしてゴロゴロしだして三十分くらいたったくらいに桜花が入ってきた。

ゴロゴロ敷いている僕の隣に座ってきた。

「お兄様、少しお話をしても良いですか」

「良いけどどうしたの?」

「いえ、あの雌豚とはどんな風に知り合ったのかと思いまして」

「うーん、良く覚えてないんだけど、確かみんなでデュヘイン皇国に行ったときにお城から抜け出して魔法の練習をしている所を見つけて一緒に魔法の練習をしていたところは覚えてるんだけど

それ以外はあんまし覚えてないんだよな」

「魔法の練習をですか?」


 桜花はチョコンと首をかしげて僕を見る。

「そう、デュヘイン皇国に伝わる魔法を見せてもらったんだけど、どんなのだったか忘れちゃった」

『嘘だ、本当は覚えている、でもそれは全く原理が分からなかった』

だって、魔法を発動したと思ったらなんか気が付かないうちに終わってたりして全く分からなかったのだ。


 「へぇ、それではその時に仲良くなったと」

「うん、多分そう」

「それで、そのときにちゃっかり結婚の約束をしてしまったという事でしょうか」

「はい、おっしゃる通りでございます。まだ私が幼かったとはいえ勝手にそんなことを決めてしまったのは

深ーく、深ーく、それはもうマリアナ海溝よりも深ーく反省しております」


 話しているうちに瘴気を纏いだした我が妹分に土下座をしている。

なんとも言えない光景だが皆は分かってくれ、こうでもしないと僕は精神的にまいってしまうのだ。

って、僕はさっきから誰に説明をしているのだろう。


 「お兄様は今日私を抱き枕にして寝てください」

「へっ・・・もう一回言って」

「だ・か・ら・私を抱き枕にして寝てくださいって言ってるんです」

「なんで、そうなるの」

「良いから、私の言う事が聞けないんですか」

「聞けないも何も、何でいきなりそんな」

「こんな可愛い妹分がお兄様にお願いしてるんです。これは別に私が一緒に寝たいというわけじゃなくて

他の女の人にこんなことを言われても動じない心を作ってもらうために私が直々に指導してあげてるんです

分かりましたか。だからこれは私が一緒に寝たいわけじゃないんです。良いですか」

「う、うん、とりあえずわかったからよく一息で全部言えたね」


 ほんと怖い

「ぜぇ、ぜぇ、ぜぇ、それじゃお兄様、一緒に寝ましょう」

そう言いながらベッドにもぐりこんできて僕に抱き着いてきた。


 「ちょっと、熱いから少し離して」

「い・や・です。私はお兄様から離れる気はありません」

ビックリするくらい済んだ瞳で僕を見てくる。

その瞳に吸い込まれそうだ。


 「はぁ、分かった、分かったから。それじゃお休み桜花」

「はい、お休みなさいお兄様」

この夜僕と桜花は互いに抱き枕として寝たのであった。


 桜花は暖かくて柔らかくて最高の抱き枕だった。

この日は久しぶりにぐっすりと眠れたのであった。


 しかし、次の日の朝、蓮姉ちゃんが僕と桜花が抱き合って寝ている所を目撃して朝から家族会議が開かれるのであった。


 せっかくぐっすりと眠れたのに朝からすごく疲れた僕は思い足取りで学園に向かった。

只足取りが重かったわけではない。

朝から精神的に疲れていたのは確かだけど、蓮姉ちゃんが僕の腕にしがみついたせいで歩きにくかったんだ

しかも、胸についている二つのメロンが僕の腕に当たっているので色々と恥ずかしい。


 そして何とか学園に着いた僕は席でゆったりと休んでいたのだが、そこに昨日の家族会議を起こさせた張本人である、サラさんが来たのであった。


 「おはようございます。月夜君」

「うん、おはようサラさん」

「なんか疲れてそうに見えますけど、大丈夫ですか」

「あぁ、昨日ちょっと家族会議が開かれてね、遅くまで話し合ってたんだ」

「そうなんですの、良いですわね、家族とのコミュニケーションというのは」

「ははは、そうだね」


 僕は頑張ってサラさんと話して授業に挑んだのであった。





 







 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ