幻惑魔法の使い手
少しずつブックマークが増えてきていてとても嬉しいです。
出来れば、感想下さい。
あれから通常の授業を受け終わり、今日は久々に工藤先生の
魔法学の座学の授業だ。
最近ずっと受けれてなかったので正直楽しみ
でもまぁ、多分、色々な説明をさせられると思う。
僕ひとりではさばききれないかもしれない、みんなは手伝ってくれるのかな?
少し遅れて工藤先生が入ってきた。
「悪い悪い、遅れちまった。あれ、今日は月夜がいるのか?...そうだ今日の授業では私と一緒に先生をしてくれ」
予想していたことが的中した。
「いいですけど、僕だけじゃキツいのでみんなにも手伝ってもらっていいですか?」
「別にいいが、お前らはどうしたいんだ?」
「えぇ、私は月夜先生の授業を受けたいな」
ぶぅ、って感じに唇を尖らせレヴィはそう言った。
「そんなこと言わないで、手伝ってよぉ」
「「「「「「「いや」」」」」」」
「なんで」
「と言う事だ、それじゃ私の手伝い頼むぞ、月夜先生」
結局僕一人で先生の手伝いをすることになった。
『この薄情者、僕は君たちをそんな風に育てた思いは無いぞ』
内心愚痴りながら、先生は授業を始めた。
「今日は、幻惑魔法の授業をしたいと思う。幻惑魔法の説明を誰かしてくれるか」
手を挙げた人がいた。井上さんだ
「はぁーい、幻惑魔法って言うのは自分の属性の魔法の幻を見せる事の出来る魔法です」
「そうだ、自分の属性の魔法の幻を見せることで、その魔法は幻なのか、実体なのか分からなくするための魔法だ。それでは井上、幻惑魔法のメリットとデメリットを説明してみろ」
「えぇと、メリットは相手を混乱させたりすることが出来るので対人戦ではその場で主導権を握ることが出来ます。デメリットは・・・・・・・・・・・・・分かりません」
きっぱりとそう言い井上さんは椅子に座った。
「フン、まぁ良い、それじゃ分かるやつはいるか・・・使い魔組の奴らはどうだ分かるだろ」
「分かりますけど、私は月夜先生が説明した方がいいと思います」
ルシフは自信満々にそう言って、胸を張る。
「それもそうだな、それじゃ月夜先生説明お願いします」
こうして僕に出番が回ってきた。
「デメリットは、自分がかかったら、まず間違いなく主導権を取られる、そのせいで自分の魔法がちゃんと
発動しなくなったりするので使う場面が限られてくる・・・以上」
「パチパチパチ、百点満点の回答をありがとう、月夜先生、それじゃ今から説明するから
しっかり聞けよぉ、これ、テストにだすからな」
そして、工藤先生の授業が始まった。
工藤先生の授業は、ものすごい分かりやすい、多分他の先生の授業と比べてもトップクラスで分かりやすかった。
それに教科書に載ってる無駄な部分も省かれてる為覚える量が少ない。
クラスメートのみんなは必死にノートを取っている。
僕も、ノートを取っておく中学までの授業に比べて授業そのものが分かりやすいので書く量が少なくて
非常に助かる。
キーンコーンカーンコーン授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
「よーし、ここまでで終わるからちゃんと予習と復習をしとけよ」
工藤先生は、そう言い残し教室を出て行った。
「フフフ、流石月夜先生、分かりやすかったわよ」
授業が終わり、次の授業の用意をしているとマモンがからかいに来た。
「よっ、流石俺達の月夜先生だぜ・・・それじゃテスト前に勉強を教えてください」
「む・り・だ・か・ら」
「即答、ひどい、俺達の友情はそこまでの関係だったのか:
「知らない、それで何かな芥川君」
「良いや、なかなかの先生っぷりだったから、一言、言おうと思ってな」
「そう、だったら、僕は次の授業は椎名先生の手伝いだからもう行くね」
「おう、頑張れよ」
芥川君は一言そう言ってくれた。
僕はそのまま、二年生の教室に向かった。
教室に着くと、すでに椎名先生が来ていた。
「先生、きましたよ」
「あっ、月夜君、そう言えばペアは見つかりましたか」
「え、えぇ何とか見つかりましたよ」
「それは良かったですね、今日もペアでの活動の話し合いをするので、手伝ってもらうことは特にないですね」
「それじゃ、今日も図書室にいても良いですか」
「はい、勿論いいですよ、普段月夜君には手伝ってもらってるので、こういう時に休んでもらわないとですね」
椎名先生から許可をもらった僕は図書室に向かった。
『今日こそはちゃんと、紅羽さんの属性とか得意な魔法とか聞いとかないと』
昨日の失敗って程でもないけど、それを思い出した僕は今日こそはちゃんと聞くようにしたい。
図書室に着くと、いつもいる所を見てみたが、紅羽さんの姿は無かった。
『本を探してるのかな』
僕は広い図書室を歩き回った。
探し始めて五分くらいたつと紅羽さんを見つけることが出来た。
「紅羽さん、今日も来たよ」
「そう、それじゃ魔法祭へ向けての作戦を決めましょう」
「どうしたの、結構乗り気だね」
「そうね、まぁやるんだったら一位を取りたいからよ」
「そっか、それもそうだね、やるんだったら一位を取らないと
そう言えば、まだ聞いてなかったけど紅羽さんって属性は何」
「私は、水と雷、風、火の四つよ」
「そうなんだ、得意な魔法とかは」
「融合魔法がちょっと出来るのと、幻惑魔法が得意かしらね」
「へぇ、幻惑魔法科、さっき工藤先生の授業で丁度習ったよ」
「そう、なら丁度良かったわ、私は幻惑魔法だけならだれにも負けない自信はあるわ」
「そうなんだ、すごいね」
「でもその代わり、他の魔法の威力が低いのよ」
「それは、まぁ何とかするとして幻惑魔法科か、使いどころをしっかりと考えないと」
僕と紅羽さんは考えることにした。
『幻惑魔法は、確かに使いどころが難しい魔法ではあるが、使いどころをしっかりとすれば
ものすごい切り札となる、だからこそしっかりと考えないといけない』
「 や、凶夜」
「あっ、ごめん、どうしたの」
「いや、私の幻惑魔法を使う時に、凶夜に幻か、実体か分からなかったら困るかと思って」
「確かに、なら紅羽さん頼むって言いたら幻惑魔法を使ってほしいんだけど」
「えぇ、分かったわ、月夜君は確か三極等魔法全部と火属性の魔法を使うことが出来るのよね」
「そうだよ、僕は融合魔法が得意かな、昔からよく使ってたし」
「へぇ、混沌の冥王と未知の女神直伝の魔法」
「そうだね、でもそのせいで昔から何度死にそうになった事か、思い出しただけでも寒気がするよ」
今思い出すだけでも鳥肌が立つ。
すると、紅羽さんは小さく噴き出した。
「どうしたの」
「いえ、月夜君が面白かったから」
少し涙目になっている。
正直言うと、ドキリとしてしまう。
「それじゃ、早速作戦を考えましょう」
「う、うん、そうだね」
「月夜君は融合魔法が得意って言ってたわね、だったら私の幻惑魔法を使ってあなたの魔法の幻を見せましょう」
「そんなことできるの?」
「えぇ、普通だったら出来ないけど、私は幻惑魔法にだけは自信があるって言ったでしょう」
「それはすごいね、だったら頼もうかな、僕がよく使うのは火と闇の融合魔法なんだ」
「そうね、私は闇属性の適性が無いから少し工夫をしないといけないわね」
「工夫ってどんなことを」
「そうね、火はそのまま使えるから、水魔法を使って光の屈折などを利用して相手の目に黒く映るように
しないといけないわね、そうなったら当日の太陽の位置や相手の位置などを計算して
完璧に、見せれるようにしないといけないわ」
紅羽さんは、目を細めて唇に手を添えて考えたことを口に出す。
彼女が言ってることは簡単そうに語っているが決して簡単な事ではない。
少なくとも、太陽の位置、相手の位置、相手の見え方、そのほかにもたくさんあることを考えて実行する。
どれだけ大変な事なのか、これが出来るって事は彼女の頭の中はどうなっているのか
彼女は三極等魔法は使えないがその分幻惑魔法って言う立派な武器で戦っている。
僕には、少しだけ分かる。
彼女がどれだけ苦労をしてこの技術を習得したのか、血反吐を吐くような訓練の賜物だということも
これが彼女だけに与えられたスキルって事も、だからこそ僕は彼女、紅羽蒼菜って言う一人の女の子が
優勝できるように、僕も頑張りたい、彼女に優勝してもらいたいって思ってしまった。
「紅羽さん、僕は君ほどすごい幻惑魔法の技術は無いけど、でも紅羽さんが少しでも楽に魔法を使えるように頑張るから、敵を誘導するから、だから絶対優勝しよう」
「・・・今さら何を言ってるのかしら、私達が手に入れるのはただ一つでしょ・・・優勝以外に何があるの?」
「う、うんそうだね、僕ってば何を今さら言ってるのかな、ははは」
紅羽さんは真っすぐな眼光で僕を見る、その眼には力が宿っている。
「それじゃ、紅羽さんが幻惑魔法を相手に使うまで僕は相手の意識をこっちに誘導するって事で」
「えぇ、お願い、でも大丈夫全ての魔法をあなた一人で何とかするって事は無理でしょう」
「多分大丈夫だと思う。身体強化魔法で、スピードを上げて、この前造った混沌の武器屋で色々と出来るから」
「便利ね、あなたの魔法は使い勝手が良くて」
「確かにね、でも僕は待ってるよ紅羽さんが相手を惑わしてくれることを」
「そう、だったら大丈夫よ、確実に相手をだまして、勝利を手に入れるのだから
そしてこういうの、ねぇ今・どんな・気持ち、って言ってやりたいわ」
悪い笑みを浮かべながら紅羽さんは笑ってるいや、嗤ってる
見てるこっちは、怖いんですけど
僕のペアが嗤ってて怖い件についてってラノベ出せると思う。
「あ、あの紅羽さん」
「ふふふ、どうしたの」
「い、いや何でもないです」
「そう、だったら次の作戦を考えましょう」
「そうだね、策は大いに越した事は無いしね」
それから、僕達は約三十個もの作戦を練った。
キーンコーンカーンコーン
「紅羽さん、僕はもう行くね」
「えぇ、放課後は空いてるかしら」
「うーん、空いてるけど」
「そう、だったら放課後も作戦を考えましょう」
「そうだね、そうだ、もしよかったら家で作戦を考える」
「あなたは女の子を言えに連れ込んで何をするつもりなの?」
「なにもしないよ、図書室だと時間が限られてるし、多分放課後は他のペアも来ると思うから」
紅羽さんは少し考えるそぶりを見せる。
「それもそうね、もし手を出したら即通報よ」
「出さないから、そんなことしたら姉に殺されるから」
「そうなの、だったら安心できそうね」
彼女はまた、フフっと嗤いを零した。
その笑みは、背筋を蓮姉ちゃんとはまた違った風にゾクっとさせる。
「それじゃ、早くいかないと授業に遅れるから」
「えぇ、分かったわ、また放課後ここに来てね」
「うん、分かった、それと、午後の実技の授業で軽く練習しよう」
「良いわよ、でも私は良く分からないわよ」
「だったら、僕が呼びに来るから、マジックスーツを着て待ってて」
「分かったわ、それじゃあまたね月夜君」
「うん、またね紅羽さん」僕はそう言って教室まで早足で向かった。
キーンコーンカーンコーン午前中の授業を終えるチャイムが鳴り僕は蓮姉ちゃんが来るまで待っていた。
だが、チャイムが鳴って約三十秒で蓮姉ちゃんが教室に入ってきた。
「凶夜、弁当を食べるわよ」
そして、いつも通りの場所で弁当を食べている時に事件は起こった。
「ねえ、凶夜が組むペアの子とはどうなの」
「うん、結構いい感じだと思うよ、作戦も結構固まって来たし、今日の放課後うちに呼んで作戦を考えようと思ってるけ・・・ど」
この一言が僕にとっては自分の命を左右するものだと悟った。
「ソウナンダ、うちに呼ぶのね」
首が九十度に折れ曲がりハイライトの消えた目でケタケタケタと笑っている。
「作戦を考えるだけだから、作戦を考えるだけだからね」
蓮姉ちゃんの隣に座っている彩華先輩を見る。
彩華先輩は目をそらした。
『薄情者』
僕は前に座っていた、ルシフやオーディンさん達を見る。
全員目をそらした。
『そんなぁ、信じてたのに』
「凶夜、少しお話ししましょうか」
「ごめん、もう時間だからまた後で」
僕は食べていた弁当箱を素早く直して図書室に向かった。
「紅羽さん、来たよ」
「早かったわね、どうかしたの?」
「いや、ちょっとね」
「お姉さんの事かしら」
「なんでわかったの、紅羽さんってエスパーか何かなの」
「鎌をかけてみたのだけど、その様子だと当たったようね」
「そうだよ、紅羽さんが今日の放課後に撃ちに来るって言ったら、周囲が凍り付いて光のない瞳で僕を見てくるんだ」
「そ、そうなの、大丈夫かしら」
「ありがとう、僕にとっては今の言葉は最高に嬉しいよ」
今の僕の心には紅羽さんの言葉がとても優しく感じた。
ハイライトのない姉とクールな幻惑魔法の使い手、この二人が月夜家で交わるとき
凶夜の胃にはかつてない程のカオスが襲うだろう。
次回、凶夜(の胃)死す。




