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第23話 六人で過ごす、夏休み最後の日

 夏休みも、残りわずか。

 大学の中庭に、俺たちは集まっていた。


「というわけで!」


 莉奈が手を叩く。


「今日はみんなで遊びに行きます!」

「急だな……」


 直人が呆れた顔をする。


「昨日決めたばっかりだからな」

「でも楽しそうじゃん!」


 颯太が笑う。


「せっかくの夏休みだしな!」

「俺は最初から付き合うつもりだった」


 陸も爽やかに笑う。


「で、どこに行くんだ?」

「それは――」


 莉奈が指を差す。


「海!」

「また海か」


 俺が苦笑する。


「夏と言えば海でしょ!」


 心春が嬉しそうに頷く。


「私も賛成です!」

「私も~」


 花音も手を上げる。


「海、好きです~」

「私はどこでもいい」


 凛が淡々と答える。


「でも、みんなとなら楽しそう」

「私も楽しみ」


 結衣先輩が微笑む。


「……」


 葵先輩も頷いた。


「異論はないわ」

「決まりだな」


 直人がまとめる。


「それじゃあ、行くか!」


 颯太の声とともに。

 俺たちは海へ向かった。


 海に到着すると。


「うわぁぁぁ!」


 心春が駆け出す。


「海です!」

「心春、走ると危ないよ!」


 莉奈が追いかける。


「待ってください~!」

「……元気だな」


 俺が呟く。


「若いっていいねぇ」


 颯太が笑う。


「俺たちも大学生だろ」


 直人がツッコむ。


「細かいことは気にすんな!」


 陸は砂浜に荷物を置く。


「じゃあ、準備するか」

「手伝います」


 俺も荷物を運ぶ。


 テント。

 レジャーシート。

 飲み物。

 食べ物。


 みんなで準備を進めていく。


「藤堂くん」


 結衣先輩が声をかける。


「これ、どこに置けばいい?」

「こっちで大丈夫です」

「分かった」

「ありがとうございます」

「こちらこそ」


 そんなやり取りをしていると。


「藤堂!」


 陸が呼ぶ。


「こっち手伝ってくれ!」

「ああ」

「二人で運ぼう」

「分かった」


 その様子を。

 少し離れたところから見ていた莉奈が。


「……」


 小さく頬を膨らませていた。


「莉奈?」

「何でもない!」

「そう?」

「うん!」


 準備が終わる。


「よし!」


 颯太が立ち上がる。


「遊ぶぞ!」

「おー!」


 心春が元気よく手を上げる。


「花音、泳げる?」

「泳げますよ~」

「本当に?」

「たぶん!」

「たぶんって……」


 直人が頭を抱える。


「花音は一人で海に入るなよ」

「はーい」


 凛が小さく笑った。


「相沢くん、保護者みたいですね」

「誰が保護者だ」

「ふふ」


 珍しく凛が笑っている。

 そんな光景を見て俺も自然に笑っていた。


 しばらくして。


「藤堂くん!」


 莉奈が俺の腕を引く。


「ちょっと来て!」

「どこへ?」

「いいから!」


 連れていかれたのは、少し人の少ない場所。


「どうした?」

「……」


 莉奈が海を見る。


「この前」

「うん」

「二人で出かけたとき」

「うん」

「楽しかったよね」

「ああ」

「今日も」


 莉奈が笑う。


「みんなでいるのも楽しいけど」

「……」

「私は、二人のほうが好きかも」

「莉奈」

「……」


 莉奈は少し照れながら。


「また二人でどこか行こうね」

「ああ」

「約束!」

「約束」


 莉奈が嬉しそうに笑った。


 その後。


「藤堂先輩」


 心春がやってくる。


「どうした?」

「私も少しだけ、いいですか?」

「もちろん」


 心春は俺の隣に立つ。


「この前のこと」

「うん」

「覚えてますか?」

「覚えてるよ」

「……よかった」


 心春が笑う。


「私、先輩と二人で出かけて」

「うん」

「もっと好きになりました」

「……」

「だから」


 心春は俺を見る。


「今日も、先輩の隣にいたいです」

「分かった」

「本当ですか?」

「ああ」

「えへへ」


 心春が嬉しそうに笑う。


「じゃあ、今日はいっぱい一緒に遊びましょう!」

「もちろん」


 昼。

 みんなでバーベキューを始める。


「肉焼けたぞ!」


 陸が声を上げる。


「ありがとうございます!」


 心春が皿を持ってくる。


「花音、これ食べる?」

「食べます~!」

「熱いから気をつけろよ」

「はーい」

「藤堂くん」


 莉奈が皿を差し出す。


「これ食べて」

「ありがとう」

「どう?」

「美味しい」

「本当?」

「ああ」

「じゃあ、もっと焼くね!」

「桜井、食べる?」


 葵が声をかける。


「食べる!」

「はい」

「ありがとう!」


 みんなで笑う。

 その光景を見て俺はふと思った。


 昔の俺なら、こんな場所にはいなかっただろう。


 誰かと笑って。

 誰かに誘われて。

 誰かの隣にいる。


 そんなことを当たり前だと思えるようになるなんて。


「藤堂」


 直人が隣に座る。


「どうした?」

「楽しそうだな」

「……そう見える?」

「ああ」


 直人は笑う。


「なら、それでいいんじゃないか」

「……」

「昔のお前なら、こんな顔してなかっただろ」

「そうかもな」

「変わったな」

「ああ」


 俺はみんなを見る。


「みんなのおかげだよ」


 午後。

 海で遊ぶ。


「藤堂くん!」


 莉奈が水をかけてくる。


「……桜井」

「なに?」

「やったな?」

「え?」


 俺も水を返す。


「きゃっ!」

「ふふっ!」


 莉奈が笑う。


「もう一回!」

「いいぞ」


 少し離れたところでは。


「藤堂先輩!」


 心春も参戦してくる。


「私も混ぜてください!」

「おいおい」

「先輩、こっちです!」

「分かった!」


 三人で水を掛け合う。


「……」


 少し離れたところ。

 凛がこちらを見ている。


「凛?」

「……何でもありません」

「遊ばない?」

「……」

「一緒に行こう」

「はい」


 凛が少し笑う。


「では」


 凛も海へ入る。


 しばらくして俺は砂浜に戻って休んでいた。


「藤堂」


 陸が隣に座る。


「先輩?」

「みんな、楽しそうだな」

「そうですね」

「お前も」

「はい」


 陸は少し笑う。


「なら、よかった」

「何が?」

「いや」


 陸は海を見る。


「昔のお前のことを詳しくは知らないけど」

「……」

「今のお前は、ちゃんと笑ってるから」

「……ありがとうございます」

「俺から言うことはそれだけだ」


 陸は立ち上がる。


「じゃあ、もう一回遊んでくるか!」

「はい」


 夕方。

 太陽が少しずつ沈み始める。

 みんなで砂浜に座って海を見る。


「綺麗ですね~」


 花音が呟く。


「うん」


 結衣先輩が頷く。


「夏も終わるんだね」

「そうですね」


 心春が少し寂しそうにする。


「夏休み、もう終わっちゃうんですね」

「また来年がある」


 凛が言う。


「……はい」


 莉奈が空を見る。


「来年もみんなで来ようよ」

「賛成」


 葵が頷く。


「じゃあ、約束ね!」

「約束」


 俺たちは笑った。


 その夜。

 帰りの駅。

 みんなで電車を待っている。


「じゃあ、また大学で!」


 莉奈が手を振る。


「お疲れ」

「またね~」


 花音。


「また明日」


 結衣。


「はい」


 凛。


「それじゃあ」


 葵。


 それぞれ電車に乗っていく。

 最後に俺と直人、颯太、陸が残った。


「なあ、晃」


 颯太が言う。


「ん?」

「お前さ」

「何だ?」

「そろそろ自覚したほうがいいぞ」

「何を?」

「みんな、お前のこと本気で好きだからな」

「……」


 俺は黙る。


「俺もそう思う」


 直人が頷く。


「そして」


 陸が続ける。


「お前も、みんなを大切に思ってる」

「……」


 俺は何も言えなかった。


 ただ。


「……そうだな」


 それだけ答えた。


 帰宅後。

 俺はベッドに寝転がる。


 今日一日のことを思い返す。

 莉奈。

 花音。

 葵。

 結衣。

 心春。

 凛。


 みんなと笑った。

 みんなと過ごした。


 そして。


 みんなから大切な気持ちを受け取った。


「……」


 俺は天井を見る。


「俺は……」


 誰を選ぶんだろう。


 答えはまだ出ない。


 けれど。


 以前とは違う。

 もう逃げたいとは思わなかった。


 誰かを選ぶということは。

 誰かを傷つけることになるかもしれない。


 それでも最後には、自分の気持ちと向き合わなければならない。


 そんなことを考えていると。

 スマホが震えた。


 メッセージは――。


【桜井莉奈】

『今日は楽しかったね!』


【橘花音】

『またみんなで遊びたいです~!』


【小鳥遊葵】

『今日はお疲れさま』


【白石結衣】

『今日はありがとう』


【天野心春】

『先輩! また二人で遊びましょうね!』


【星野凛】

『今日は楽しかったです』


「……」


 俺は一人で笑った。


『こちらこそ。みんな、ありがとう』


 送信。


 すると。

 ほぼ同時に。


『こちらこそ!』


『こちらこそです~!』


『ふふ』


『こちらこそ』


『はい!』


『……ありがとうございます』


 六つの返信が届いた。

 俺はスマホを見つめる。


「……不思議だな」


 こんなにも誰かと繋がっていることが今は嬉しい。


 そして。

 夏休みが終わった。


 大学二年生の後期。


 俺たちの日常は再び始まる。


 講義。

 サークル。

 学園祭。

 アルバイト。


 そして。


 恋。


 それぞれの想いは少しずつ形を変えていく。


 だが。


 このときの俺はまだ知らなかった。


 秋の学園祭で俺の気持ちを大きく揺さぶる出来事が起きることを。


 そして。


 俺が初めて。


 自分から誰かを意識することになることを。

 夏休みも、残りわずか。

 大学の中庭に、俺たちは集まっていた。


「というわけで!」


 莉奈が手を叩く。


「今日はみんなで遊びに行きます!」

「急だな……」


 直人が呆れた顔をする。


「昨日決めたばっかりだからな」

「でも楽しそうじゃん!」


 颯太が笑う。


「せっかくの夏休みだしな!」

「俺は最初から付き合うつもりだった」


 陸も爽やかに笑う。


「で、どこに行くんだ?」

「それは――」


 莉奈が指を差す。


「海!」

「また海か」


 俺が苦笑する。


「夏と言えば海でしょ!」


 心春が嬉しそうに頷く。


「私も賛成です!」

「私も~」


 花音も手を上げる。


「海、好きです~」

「私はどこでもいい」


 凛が淡々と答える。


「でも、みんなとなら楽しそう」

「私も楽しみ」


 結衣先輩が微笑む。


「……」


 葵先輩も頷いた。


「異論はないわ」

「決まりだな」


 直人がまとめる。


「それじゃあ、行くか!」


 颯太の声とともに。

 俺たちは海へ向かった。


 海に到着すると。


「うわぁぁぁ!」


 心春が駆け出す。


「海です!」

「心春、走ると危ないよ!」


 莉奈が追いかける。


「待ってください~!」

「……元気だな」


 俺が呟く。


「若いっていいねぇ」


 颯太が笑う。


「俺たちも大学生だろ」


 直人がツッコむ。


「細かいことは気にすんな!」


 陸は砂浜に荷物を置く。


「じゃあ、準備するか」

「手伝います」


 俺も荷物を運ぶ。


 テント。

 レジャーシート。

 飲み物。

 食べ物。


 みんなで準備を進めていく。


「藤堂くん」


 結衣先輩が声をかける。


「これ、どこに置けばいい?」

「こっちで大丈夫です」

「分かった」

「ありがとうございます」

「こちらこそ」


 そんなやり取りをしていると。


「藤堂!」


 陸が呼ぶ。


「こっち手伝ってくれ!」

「ああ」

「二人で運ぼう」

「分かった」


 その様子を。

 少し離れたところから見ていた莉奈が。


「……」


 小さく頬を膨らませていた。


「莉奈?」

「何でもない!」

「そう?」

「うん!」


 準備が終わる。


「よし!」


 颯太が立ち上がる。


「遊ぶぞ!」

「おー!」


 心春が元気よく手を上げる。


「花音、泳げる?」

「泳げますよ~」

「本当に?」

「たぶん!」

「たぶんって……」


 直人が頭を抱える。


「花音は一人で海に入るなよ」

「はーい」


 凛が小さく笑った。


「相沢くん、保護者みたいですね」

「誰が保護者だ」

「ふふ」


 珍しく凛が笑っている。

 そんな光景を見て俺も自然に笑っていた。


 しばらくして。


「藤堂くん!」


 莉奈が俺の腕を引く。


「ちょっと来て!」

「どこへ?」

「いいから!」


 連れていかれたのは、少し人の少ない場所。


「どうした?」

「……」


 莉奈が海を見る。


「この前」

「うん」

「二人で出かけたとき」

「うん」

「楽しかったよね」

「ああ」

「今日も」


 莉奈が笑う。


「みんなでいるのも楽しいけど」

「……」

「私は、二人のほうが好きかも」

「莉奈」

「……」


 莉奈は少し照れながら。


「また二人でどこか行こうね」

「ああ」

「約束!」

「約束」


 莉奈が嬉しそうに笑った。


 その後。


「藤堂先輩」


 心春がやってくる。


「どうした?」

「私も少しだけ、いいですか?」

「もちろん」


 心春は俺の隣に立つ。


「この前のこと」

「うん」

「覚えてますか?」

「覚えてるよ」

「……よかった」


 心春が笑う。


「私、先輩と二人で出かけて」

「うん」

「もっと好きになりました」

「……」

「だから」


 心春は俺を見る。


「今日も、先輩の隣にいたいです」

「分かった」

「本当ですか?」

「ああ」

「えへへ」


 心春が嬉しそうに笑う。


「じゃあ、今日はいっぱい一緒に遊びましょう!」

「もちろん」


 昼。

 みんなでバーベキューを始める。


「肉焼けたぞ!」


 陸が声を上げる。


「ありがとうございます!」


 心春が皿を持ってくる。


「花音、これ食べる?」

「食べます~!」

「熱いから気をつけろよ」

「はーい」

「藤堂くん」


 莉奈が皿を差し出す。


「これ食べて」

「ありがとう」

「どう?」

「美味しい」

「本当?」

「ああ」

「じゃあ、もっと焼くね!」

「桜井、食べる?」


 葵が声をかける。


「食べる!」

「はい」

「ありがとう!」


 みんなで笑う。

 その光景を見て俺はふと思った。


 昔の俺なら、こんな場所にはいなかっただろう。


 誰かと笑って。

 誰かに誘われて。

 誰かの隣にいる。


 そんなことを当たり前だと思えるようになるなんて。


「藤堂」


 直人が隣に座る。


「どうした?」

「楽しそうだな」

「……そう見える?」

「ああ」


 直人は笑う。


「なら、それでいいんじゃないか」

「……」

「昔のお前なら、こんな顔してなかっただろ」

「そうかもな」

「変わったな」

「ああ」


 俺はみんなを見る。


「みんなのおかげだよ」


 午後。

 海で遊ぶ。


「藤堂くん!」


 莉奈が水をかけてくる。


「……桜井」

「なに?」

「やったな?」

「え?」


 俺も水を返す。


「きゃっ!」

「ふふっ!」


 莉奈が笑う。


「もう一回!」

「いいぞ」


 少し離れたところでは。


「藤堂先輩!」


 心春も参戦してくる。


「私も混ぜてください!」

「おいおい」

「先輩、こっちです!」

「分かった!」


 三人で水を掛け合う。


「……」


 少し離れたところ。

 凛がこちらを見ている。


「凛?」

「……何でもありません」

「遊ばない?」

「……」

「一緒に行こう」

「はい」


 凛が少し笑う。


「では」


 凛も海へ入る。


 しばらくして俺は砂浜に戻って休んでいた。


「藤堂」


 陸が隣に座る。


「先輩?」

「みんな、楽しそうだな」

「そうですね」

「お前も」

「はい」


 陸は少し笑う。


「なら、よかった」

「何が?」

「いや」


 陸は海を見る。


「昔のお前のことを詳しくは知らないけど」

「……」

「今のお前は、ちゃんと笑ってるから」

「……ありがとうございます」

「俺から言うことはそれだけだ」


 陸は立ち上がる。


「じゃあ、もう一回遊んでくるか!」

「はい」


 夕方。

 太陽が少しずつ沈み始める。

 みんなで砂浜に座って海を見る。


「綺麗ですね~」


 花音が呟く。


「うん」


 結衣先輩が頷く。


「夏も終わるんだね」

「そうですね」


 心春が少し寂しそうにする。


「夏休み、もう終わっちゃうんですね」

「また来年がある」


 凛が言う。


「……はい」


 莉奈が空を見る。


「来年もみんなで来ようよ」

「賛成」


 葵が頷く。


「じゃあ、約束ね!」

「約束」


 俺たちは笑った。


 その夜。

 帰りの駅。

 みんなで電車を待っている。


「じゃあ、また大学で!」


 莉奈が手を振る。


「お疲れ」

「またね~」


 花音。


「また明日」


 結衣。


「はい」


 凛。


「それじゃあ」


 葵。


 それぞれ電車に乗っていく。

 最後に俺と直人、颯太、陸が残った。


「なあ、晃」


 颯太が言う。


「ん?」

「お前さ」

「何だ?」

「そろそろ自覚したほうがいいぞ」

「何を?」

「みんな、お前のこと本気で好きだからな」

「……」


 俺は黙る。


「俺もそう思う」


 直人が頷く。


「そして」


 陸が続ける。


「お前も、みんなを大切に思ってる」

「……」


 俺は何も言えなかった。


 ただ。


「……そうだな」


 それだけ答えた。


 帰宅後。

 俺はベッドに寝転がる。


 今日一日のことを思い返す。

 莉奈。

 花音。

 葵。

 結衣。

 心春。

 凛。


 みんなと笑った。

 みんなと過ごした。


 そして。


 みんなから大切な気持ちを受け取った。


「……」


 俺は天井を見る。


「俺は……」


 誰を選ぶんだろう。


 答えはまだ出ない。


 けれど。


 以前とは違う。

 もう逃げたいとは思わなかった。


 誰かを選ぶということは。

 誰かを傷つけることになるかもしれない。


 それでも最後には、自分の気持ちと向き合わなければならない。


 そんなことを考えていると。

 スマホが震えた。


 メッセージは――。


【桜井莉奈】

『今日は楽しかったね!』


【橘花音】

『またみんなで遊びたいです~!』


【小鳥遊葵】

『今日はお疲れさま』


【白石結衣】

『今日はありがとう』


【天野心春】

『先輩! また二人で遊びましょうね!』


【星野凛】

『今日は楽しかったです』


「……」


 俺は一人で笑った。


『こちらこそ。みんな、ありがとう』


 送信。


 すると。

 ほぼ同時に。


『こちらこそ!』


『こちらこそです~!』


『ふふ』


『こちらこそ』


『はい!』


『……ありがとうございます』


 六つの返信が届いた。

 俺はスマホを見つめる。


「……不思議だな」


 こんなにも誰かと繋がっていることが今は嬉しい。


 そして。

 夏休みが終わった。


 大学二年生の後期。


 俺たちの日常は再び始まる。


 講義。

 サークル。

 学園祭。

 アルバイト。


 そして。


 恋。


 それぞれの想いは少しずつ形を変えていく。


 だが。


 このときの俺はまだ知らなかった。


 秋の学園祭で俺の気持ちを大きく揺さぶる出来事が起きることを。


 そして。


 俺が初めて。


 自分から誰かを意識することになることを。





皆様、初めましての方は初めまして!

SqkurqBit(さくらびっと)と申します!

これからも皆様の生活の一部となるような小説を書き上げていきますので応援よろしくお願いします!!

フォローよろしくお願いします!

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