第40話 VSエキドナ
― フェン VS 魔女エキドナ
「エキドナ・・・。やっとあんたを倒す時が来た・・・」
銀色の髪をなびかせて、エキドナは上空からフェンを見下ろしている。
カムサムの張った結界の中でフェンはエキドナと対峙していた。エキドナは母リディアに呪いをかけた張本人。フェンの鼓動が高まっていく・・・。
― ドクン、ドクン・・・
フェンはゆっくりと深呼吸をして、エクスカリバーを鞘から抜いた。
「アハハ・・・フェン。相変わらず頭が悪いわね。貴方ごときがわたしに勝てると思っているとは・・・アハハ」
フェンが剣先をエキドナに向ける。フェンが呪文を唱えるとエクスカリバーの刀身が青白い光を放った。
「あんたを倒してお母さまの呪いを解く・・・」
戦闘開始!
フェンが飛竜一閃を繰り出した! エキドナはそのスピードに反応できず真っ二つになった。・・・と思ったが束の間、エキドナの姿がすっと消えて別の場所にあらわれる。
フェンの高速の豪剣をエキドナはことごとくかわした。青い閃光が結界内のいたるところを駆け巡る。
― シュン、シュン、シュン、シュン、シュン
エキドナの唱えた炎熱系魔法がフェンに命中する。だが、それをエクスカリバーがはじき返す。
― ボカ―――ン、ボオォォォォォォォォォォ!
凄まじい攻防は10分にも及んだ。互いに疲労が見え始めたころ、間合いを取ってフェンが小さな声で呪文を唱えた。
「ハア・・・ハア・・・エキドナ! もう二度と民を・・・これ以上あんたに人間を殺されてたまるもんか! あたしが・・・あたしが討ってやる!!」
「アハハ・・・ハア・・・ハア・・・しつこい娘ね・・・」
不敵な笑みを浮かべたエキドナが息をのんだ。そして呪文を唱える。
「呪詛・・・『言霊遊び』」
フェンがエクスカリバーを振りかぶり大きくジャンプすると、エキドナは口の端を吊り上げた。突然、フェンの身体が上空でピタリと留まった・・・。
「・・・!?」
「アハハ・・・。フェン・・・。『右』」
エキドナの言葉がフェンの耳に響く。すると・・・。
「うっ!?」
すると、何かのみえない力にフェンの身体が急激に引っ張られた!
― ギュ――――――ン!
上空で強制移動させられたフェンが思い切り地面に叩きつけられる!
― ドス―――ン!!
「が、がはっ! ぐ、ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「アハハ・・・。フェン。『左』」
フェンは地面に叩きつけられたまま、今度は逆方向に引っ張られた。
― ザザザザザザザザザザザザザザザ
「ががががががが、があっ!」
砂埃が舞い上がる。フェンは痙攣したまま動かない。
「フェン。『上』・・・『下』・・・『右』・・・『上』・・・『下』!!」
― ギュン・・・ドスン・・・ザザザザ・・・ギュン・・・ドスン!
「がはっ! ・・・ハア・・・ハア・・・ぐふっ!」
一方的に痛めつけているフェンを見てエキドナがあざ笑う。
「アハハ・・・楽しいわぁ。お姫様・・・。どんな死に方がお好き? アハハ、アハハハハハハハハハ」
フェンは何とか立ち上がり、エクスカリバーを握りしめて上空のエキドナをじっと睨みつけた。大ダメージを受けてフェンはボロボロだ・・・。
「・・・。気にくわない目。ああ。いいこと思いついたわ・・・ア、アハハ」
エキドナは嘲笑すると、フェンに向かって片手で首をはねる仕草をした。
「・・・フェン。『自決』・・・フフ・・・サヨウナラ」
フェンがエクスカリバーの刃を自らの首筋にあてた。フェンは必死であらがっている。エクスカリバーが・・・カタカタ震えていた。
フェンはエキドナの強い魔力に逆らうことができない!
「ぐっ・・・ぐぐぐぐ・・・・・・があっ! エ、エキドナ―――!!」
そしてついにエクスカリバーの刀がフェンの首を・・・。
― バシュッ・・・・
鮮血が飛び散り、エキドナが高笑いをはじめる。
「ア―――ハッハ・・・!?」
何かに気づいたエキドナが自らの身体に目線を落とすと・・・、自分の心臓からエクスカリバーの刃が突き出していた・・・。
真っ黒い闇の炎がエキドナ心臓から噴き出している。
「な!? な、何コレ・・・?」
エキドナが苦痛に顔をゆがめる。
フェンが目を閉じると、自決したフェンの姿が「ス―ッ」と消えた。エキドナは・・・フェンの幻術にかかっていたのだ。
「・・・魔法剣・・・『夢幻華』」
さらにフェンはエクスカリバーに魔力を込めた。
「はあぁぁぁぁぁぁぁぁあ!! 魔法剣『雷神』!」
― バチ、バチ、バチ、バチ、バチ、バババババババ、ド――――――ン!!
「ギャアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!! キ、キサマ・・・オノレェェェェ! フェェェェェ―――ン!!」」
エキドナの断末魔が結界内に響き渡った!
エキドナが急激に老化していく。すると身体から青白い霊魂が数百、数千と溢れでて、結界をすり抜け空に飛んでいった。
エキドナから黒い煙がぶすぶすとあがり、ゆっくりと姿が消え去っていく。
「ア・・・アークシュ・・・タイン・・・様・・・」
エキドナの身体が完全に消滅すると、禍々しい核が空の彼方へと飛んで行った。
「・・・勝った・・・ハア・・・ハア・・・。お、お母さま・・・あたし・・・勝った・・・よ・・・」
そして魔力を使い果たしたフェンは・・・笑みをこぼしてその場に倒れこんだ。
最後までみていただいて本当にありがとうございました。
ブックマークしていただいた皆さま励みになります☆
これからも頑張りますので応援していただけると幸いです。




