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ジルキン編7 アレンス冒険者ギルド

僕達にとってはいつもの光景だった。よいやみを倒そうと思ったら、時の番人クラスの奴を連れてこなきゃ無理だろう。あまりにも一方的に相手をボコるので、周りの冒険者達も引いているじゃないか。

 いつきさんはあまりの光景に頭を抱えている。でも、今回も冒険者が悪いだろう。見た目で判断する馬鹿冒険者が多いのだ。

 僕がこんなことを考えている最中も、冒険者の泣き叫ぶ声は続いている。なかには「冗談を本気に視点じゃねぇよ!!」と戯言をほざく者もいるが、よいやみが本気なら君達はとっくに、物言わない肉塊に変わっているよ?と僕はそう伝えたい。

 冒険者にとっては地獄のような時間が10分ほど続いた後、よいやみは気が晴れたのか急にボコるのをやめたようだ。

「これ以上やったらお腹が減るからやめといてやるっす。それとも、お腹一杯になってから続きやるっすか?」

 よいやみが冒険者達に優しい声で言うと冒険者たちは逃げて行った。

「逃げるなら最初からやるなっす」

 

 その後、いつきさんは何食わぬ顔で受付に滞在許可を貰いに行った。

 受付の人の顔が引きつっている。そりゃそうか…


≪受付視点≫

 私は冒険者ギルドの受付をやっているルイーザ。

 アレンスは港町という事もあり、荒くれた人が多い。冒険者など特にだ。私も旦那が優秀な冒険者じゃなかったら危なかった。それくらいここの町は治安が悪い。

 女の子4人組がギルドに入ってきた。私としては帰ってほしい。同性として、酷い目に合わされるのは見たくない。

 4人組の女の子の後ろにいる金髪の子。可愛いけど目が座っている?

 案の定、冒険者が4人組に声をかけた。本当に下品な冒険者だ。この国にはマスターもいるしこの国の頂点は女王様だ。それなのに下衆な男も多いのは何でだろうと思う。もう少し、女性が安心して暮らせる国にして欲しいものだ。

 冒険者が汚らしい声で笑っていると急に轟音が聞こえた。

 金髪の女の子が扉を殴ったのだ。扉はギルドの外に吹き飛んでいる?あの子どんな力をしているの?

「あしが脱がんでも、お前らは痛い目を見るんすよ?」

 そう冒険者に言い放った女の子は、冒険者を殴り始めた。冒険者も必死に抵抗するが全く抵抗できなくただただ殴られている。もうただの拷問にしか見えない。少しだけいい気味だ。

 しまいには、冒険者の泣き叫ぶ声まで聞こえてきた。周りで見ていた冒険者達が逃げていく。それはそうだ。私だって逃げれるものなら逃げたい。

 私は後輩の子にギルマスに報告に行くように言う。いった直後に拷問が唐突に終わる。女の子は「これ以上はお腹が減る」と言っていた。そんな理由で終わる拷問は初めて聞いた。

 私はその光景を呆然と見ていたが、受付に茶髪の女の子が来た。滞在許可を得ようとしているらしい。

 私は迷った。こんな凶暴な女の子たちを国に滞在させてもいいのかと…まぁ、冒険者だからいいかと開き直った。

 滞在許可という事なので、一応全員のランクを見せてもらうことにした。

 全員、オリハルコン?嘘でしょ?この子たちが?

「し、しばらくお待ちください!!」」

 私はギルマスの所へ急ぐ。

 扉を勢い良く開けるとギルマスは驚いていた。

 ギルマスは、アロン王国のオルテガさんの事になると変になるけど基本は凄くいい人だ。

「ルイーザ。せめてノックはしようか」

 ギルマスは少し呆れるように私を見ていた。

「それで、どうしたんだい?」

「ギルマス。これを…」

 私は、さっきの4人のランクを載せた魔宝玉を見せた。ギルマスの顔が険しくなる。

「アロン王国…」

 あ!!ギルマスの嫉妬スイッチが入る。

「くそ!!オルテガの野郎!!こんなにいい冒険者を囲ってやがるのか!!」

「ぎ、ギルマス!!落ち着いてください!!」

「す、済まない」

 本当にこれがなければ、いい人なのに。

「全員がオリハルコンか…秘匿の後があるな。こっちで見てみようか…」

 ギルマス専用の魔宝玉に通して見たギルマスの顔が凍り付く。

「嘘だろ?4人ともかよ…」

 ギルマスは心底驚いているようだ。私がいる事をすっかり忘れているようだ。

「ヒヒイロカネ……聖女……黒姫……」

 ヒヒイロカネって何だろう?それに黒姫は聞いたことがある。確か、アロン王国の英雄の名前だ。

「あの、ギルマス?」

 私の言葉にハッとするギルマス。

「済まない。この4人をここに連れてきてくれるかい?」

「あ、はい」

 冒険者と直接会うなんて…私は、4人の女の子を迎えに行った。


≪ギルマス視点≫

 まさかだ…この目で見ることになるとは思わなかった。ヒヒイロカネ。ギルマスと幹部だけが知っているオリハルコンのさらに上のランク。しかも黒姫。更に聖女。

 オルテガの所は英雄バトスだけでも異常だというのに、いや、明らかにこいつらの方が異常かもしれない。全員ヒヒイロカネ。どんなパーティなんだ?こんなのを敵に回したらダメだろうが…うちの冒険者が余計なことをしなきゃいいが。

「ギルマス。お連れしました」

 ルイーザが連れてきてくれたようだ。

 部屋に入ってきた4人は……4人のうち二人が子供?しかも子供は黒髪。この子が黒姫か!?

「よ、よく来てくれた。私がアレンスの冒険者ギルド、ギルマスのマッシュだ。よろしく頼むよ」

 4人はぺこりと頭を下げた。いや、一人だけ下げてない子がいたな。一番小さい子だ。あの子の目は…なんだ?

「ゆーちゃん挨拶」

「ん」

 ゆーちゃんと呼ばれた子は頭を下げた。

「あんたがギルマスっすか?この冒険者ギルドはどうなっているっすか?入ってきた瞬間セクハラ発言、教育はどうなってるっすか?」

 金髪の子がかなりきつい目で言ってくる。あのアホ共やっぱり何かやらかしてやがんのか!!

「あいつらには困っているんだ。何せ港町、荒くれ物が多くてな。この町は治安も悪い」

「だから許せと?アホっすか?じゃあ、あの冒険者を処刑するっす。それでとりあえずの秩序は守られるっすよ?恐怖政治って知ってるっすか?見せしめに殺すんすよ。ほれ、早く手配するっす」

 こ、この金髪の子怖えーー。しかし、ここは大人のだな…余裕ってものを…

「いや、さす「やかましいっす。ここは港町っすよね?ジルキンの玄関口でこれだと、ジルキン自体の価値が下がるっす。ギルマスならそれくらい気付けっす。女王陛下はこのことを知ってるんすか?いくら冒険者ギルドの総本山があるからと言っても、看過できるものではないっす」…はい」

 な、なんだこの子!?しかもこの国が女王陛下の統治であることを知っているのか!?他国には隠してある筈だ!!こいつ何者だ!!こいつはきっとスパイだ!!

「ちょっと待て、お前が知っていることは国家秘密だ。き、貴様ス「はぁ?女王陛下には会ったことがあるから言ってるんすよ。それに秘密にしてることも知ってるっすよ、。だから、ここで言ってるんすよ?何故あしが知ってるかっすよね。あしは今は王族ではないとはいえ元・ガストの第六王女っす。女王陛下には何度かお世話になっているからこそ、このギルドの惨状は放置できないんすよ」…はい」

 お、思い出した…確かにこのお方はガストの末姫様だ…俺も見たことがある。

「よいやみさん。言い過ぎですよ」

 おぉ!!流石、聖女慈悲ぶ「こんな状況を作り出すんですから、どうせ自浄能力も期待できません。この先は総本山のトップに判断してもらいましょう」かくなかった…

「かえる」

「そうですね。じかん「ま、待て!!俺が滞在許可を出さないと滞在でき「いいですよ?転移魔法で帰るだけですから。別に私達は冒険者ギルドに所属する必要すらありませんから、その代わりに教会として対処するつもりですけど?」…滞在許可します」

 な、なんだこいつら。口で勝てる気がしない!!勇者は無口だな。こいつを脅せば…

「勇者ともあろう者が周りに操られなさ「うるさいよ。僕の仲間を馬鹿にするな」…すいません」

 く、くそ!!勝てない!!

「ギルマス。本部から通信です」

 こんな時になんだ!!?

【君、黒女神の4人に粗相があったらクビね?】

「す、すいませんでしたーーーーーーー」

 俺は4人の少女に土下座していた。


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