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ジルキン編5 剣聖

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「ミ、ミカルが変態とはどういう事でござるか?」

 男性は、弟子の詳細を聞きたいのか僕ににじり寄ってくる。僕はちょっとずつ後ずさる。

「べ、別に取って食おうとしてるわけじゃないでござるよ?ただミカルの事が聞きたいだけでござる」

「貴方にどんな事情があるかは知りませんが、うちの勇者を怖がらせるのは止めて頂きませんか?」

 いつきさんは男性の後ろに立って、男性を攻撃しようとしている。

「む!?す、済まんでござる!!そんなつもりじゃなかったでござるよ」

 怖かった。この人なんか喋り方も変だし、近付きたくないんだけど。


「拙者の名前はゴロク。レギーナ帝国で将軍をやってるでござるよ」

 将軍?そんなに地位の高い人の弟子なのに、あんなポンコツにどうやったら育つんだ?

「黒姫の事はレギーナでも有名になってきているでござるよ」

 なんで?の国にはまだ行ったことがないんだけど?アレか、またはる婆ちゃんの仕業か!!

「ゴロクさん。みつきさん、黒姫の事が有名になった理由はどうしてなんですか?私達は、この国のゴタゴタを片付けただけでバトスさんのように他国に外交のようなこともしていません。要するに…」

 ゴロクさんはいつきさんの指摘にため息を吐いた。

「成る程、勇者黒姫殿の周りにも優秀な者が集まっているでござるな。先程、シードラゴンの尻尾を蹴り返した女子おなごもそうでござるが」

 流石に他国の将軍でもよいやみのあの蹴りにはビックリしたようだ。そりゃそうだろう。闘気を覚えてからのよいやみは更に強くなっている。今なら、ティタンを一撃で倒せるだろうね。僕も負けてられない。

「御察しの通りでござるよ。アロン王国にはスパイを入れているでござる。それで人魔王ティタンを倒したと聞いたでござるよ」

 なるほど、それで僕に気付いてたのか。

「ただ、ミカルは女子おなごが強いというのが気に入らんと言っていたでござるよ。何度も注意したんでござるが、一向に聞かんでござるよ」

 あー。あのバカは人の話を全く聞かなかったからね。少しでも話を聞く奴だったらバトスさんの忠告も聞けたはずだしね。

「ゴロクさんはアロン王国で、ミカルに会えたんですか?」

「いや、どうもクエストに行っていたらしく、会えなんだ。どうせあの傲慢な態度だ。きっと英雄バトス殿に迷惑をかけているはずでござる」

 確かに迷惑はかけているね。僕は遠い目になる。いつきさんも笑っている。

「性格は変わっていますよ?みつきさんの踵落としで」

「ほ、本当でござるか!!?それは良いでござる!!あいつは、あの性格さえなければ一流の剣士になれるでござる!!」

 う…うん。あの性格は変わったんだと思うけどね……

「ほもぉ」

 だから、ゆーちゃんそんな言葉どこで覚えてくるの!!?

「なんでござる?」

「みかる、ほもぉ」

「そうでござるよ?レギーナでは男色家は珍しくないでござるよ?」

 なにそれ?あれは素なの?そっか…バトスさんがんばれ。

 僕達がミカルの話をしていると、冒険者が急に話しかけてきた。

「な、なぁ。お嬢ちゃんが黒姫なのかい?」

 バレた。ごめんなさいこんなちんちくりんで。大女じゃないんです。だから喧嘩売ってこないで。

「うん。黙っててごめんなさい」

 僕が謝ると冒険者は驚いた後「いや、思っていたのとは違って、えらく可愛い子だったからな。驚いたんだ」といっていた。面と向かって、可愛いと言われると照れるな。

「それよりもさっきのは凄かったでござるな。髪の毛が黒銀に光って背中に羽のような魔力が放出してまるで天使のような状態だったでござるよ」

 え?黒銀に光っててなに?羽って何?僕の体に何が起こっているの!?

「みつきさん気付いてなかったんですか?最近戦っている時は、髪の毛が黒銀に光っているんですよ?羽みたいなのもたまに出ると思っていたんですが、闘気に反応してたんですね」

 そ、そうなのか…最近変なあだ名で呼ばれるからどうしたのかと思っていたけど、そういう事だったのか。それにしてもなんで?

「そういえば、最近は≪黒銀の天使≫とか呼ばれていましたねぇ」

 いつきさんが少し笑っている。そう呼ばれても意味が分からなかったんだよ!?僕は恥ずかしいよ!!?流石に称号は変わってなかったけど、そのまま呼ばれてら称号になりそうで怖い。

「まぁ、それは良いとしても、ミカルは本当に弟子なの?ゴロクさんは礼儀正しいのに」

「まぁ、拙者は将軍もやってるでござるから、外交で傲慢な態度をするわけにいかんでござる」

 外交か……アロン王国の王様は口調が荒いけど大丈夫なのかなぁ?リリアンさんが王妃になれば去勢されるだろうけど。

「ゴロクさんは独特な喋り方なんだね。レギーナの人はみんなそんな喋り方なの?」

「いや、違うでござるよ?これは師匠の影響でござるな。師匠は異世界の方で、この言葉は二ホン?という国の言葉遣いだそうでござるよ?拙者は師匠の話から、サムライと呼ばれる剣士に憧れ、口調から真似たんでござるよ」

 ミカルの師匠は剣聖……そうか!この人≪剣聖≫なのか!?

「ゴロクさんは剣聖なんですね。剣聖の師匠か。強そうですね」

「強いなんてものじゃないでござるよ?あれを人外というでござる。そういえば、少し前に師匠と互角に戦う人物を見たでござる。熊のような大男だったでござる」

 グレンさんだ……

 グレンさんと互角の剣士。時の番人レベルか。ゴロクさんの師匠はあの人かもしれないな……時の番人の三番目の人。

「な、なぁ!!楽しそうに話してるときに悪いけどよ、どうやったらそんなに強くなれるんだ?俺達からすれば二人とも、いや、あの金髪の姉ちゃんも人外だ」

 え?僕人外なの?酷い。元ただの村娘だよ?

「英雄バトスの戦いを見たことがあるんだが、あの人も人外だろ?」

 バトスさんの強さは今はどうなんだろう?最近、話をしてないからわかんないや。

 ミカルのことで僕を恨んでそうだし。

「はっはっは。本物の人外を見た拙者からしたら、拙者なんてまだまだでござるよ」

 ゴロクさんの言葉に冒険者は青褪めている。

 そのあとフラフラと自室に帰ったようだ。


 そういえば、あの剣かっこよかったな。

「ゴロクさん。剣を見せてくれない?」

「ん?良いでござるよ。でもなぜでござるか?」

「いや、使いやすそうだったんで」

「良いでござるが、難しいでござるよ?」

 ゴロクさんは剣を抜いてくれた。反った刃が斬りやすそうだ。

「これは刀というんでござるよ」

「カタナ…かっこいいね。斬りやすい?」

「人にもよると思うでござるよ?拙者は慣れるまで時間がかかったでござるよ。使ってみるでござるか?」

「いいの?」

 ゴロクさんは笑顔で僕に刀を貸してくれた。刀というのは成る程こんな感じか。

 振ってみると振りやすい。あ、引くように斬るといいのかな?僕は、道具袋から目に買ったロングソードを取り出して上に投げてみた。

 落ちてくるときに刀を振り斬ってみたらあっさり斬れたようだ。

「おぉ、凄い。すっごい使いやすいね」

「そうでござるか……」

 ゴロクさんが少し落ち込んだような顔をしていた。

 僕はゴロクさんに刀を返した。ゴロクさんは、肩を落としながら部屋に帰っていった。どうしたんだろう?

 

 船の寝室に帰った後、刀もいいなと思って寝転んでいたら、アルテミスが声をかけてきた。

『みつき。あの刀っていうのが気に入ったんですか?』

「え?あ、違うよ。アルテミスもフレースヴェルグも使いやすいよ?」

『いえ、正直に言ってくださいね。私は貴女の願いを叶えますよ』

「え?」

『望む形を想像して聖剣わたしを召喚してください』

「う、うん」

 僕はゴロクさんに借りたカタナの形を想像しアルテミスを召喚した。


 想像しながら召喚した聖剣は刃部分が刀のような形をしていた。


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