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空間魔法2


「おや?みつきちゃんは、知らなかったかねぇ」

 少なくとも、僕の前では魔法を使ったことはないはずだ。

「しかし、お嬢ちゃんやるねぇ。何故、気づいたんだい?。うちで取り扱ってる魔法具は、鑑定妨害の魔法をかけてあるんだけどねぇ」

「だからこそ、気付いたんですよ。鑑定魔法はあまり知られていないのに、妨害する魔法が掛かってあるのはおかしいと思ったんですよ」

 妨害魔法ってだけで、なんでおばちゃんが魔法を掛けたって分かるんだろう?気になっていつきさんに尋ねてみた。

 鑑定魔法っていうものは、術者が独自で作り出すもので、魔法を作るのも大変だと言うのに、商人でもない魔法職がわざわざ作る必要がなく、あまり知られることはないという。

 それなのに、妨害魔法まで作る魔法職がかかわっているということは、この店で売られているような金額では、売られるわけがない。ならば、考えられるのは売ってる本人が妨害魔法をかけた、と考えるのが一番話の筋が通っているということだ。

「なるほどねぇ。でも、うちが懇意している技師が魔法をかけて格安にして売ってくれているとは考えないのかい?」

 それはそうだ。僕にとっては、近所のおばちゃんが魔法を使うといわれるよりは、知り合いが安く仕入れさせてくれているというほうが、まだ納得する。

「そうですか。実は私、女神の目を持っているのですが……」

「それならそうと、先に言いな!」

 女神の目には、見た人の人となりを見ることが出来る能力がある。

 いつきさんとおばちゃんが言うには、実はもう一つ能力があるらしく、魔法具や魔法の使用痕跡を見たときに、魔力の質を見ることができるそうだ。

 魔法を使った本人が目の前にいる場合は、魔法具の魔力の質を見れば、目の前の人が使ったかどうかわかるということらしい。

 いつきさんも特別な目を持っていたんだ。流石聖女だ。


「で?地下空間の何が聞きたいんだい?」

「私の空間魔法では、作り出した空間に、生きた人間を入れることはできません。空間魔法の持続化は成功したのですが、生きた者を入れることはどうしても成功しませんでした」

「魔物は入れることはできたかい?」

「できません」

 魔物?でも、魔物も生きているから、魔物が入れば人も入るんじゃないの?

「いつきちゃんだったかい?女神の目を持っているということは、女神の巫女なのかい?」

「聖女です」

「なんだって?」

「聖女です」

 おばちゃんが何度か聞き直していた。やっぱり、商人が聖女というのはおかしいのだろう。


「聖女といったら、教会を支配出来てもおかしくない立場じゃないのかい?何故、こんな僻地の魔大陸にいるんだい?まさか!?女神が魔大陸の結界を解くことを考えているのかい!?」

 おばちゃんは、魔大陸に結界が張られていることを知ってたんだ。

 おばちゃんだ言うには、魔大陸に結界を張ったのは女神セリティアの弟である魔神ゼルだそうだ。

 魔神とあるが、魔大陸では慈悲深い神であると言い伝えられている。

「女神様は関係ないですよ。そもそも、聖女だからと言って、教会のトップになりたいかと言われれば、私には興味が無いんです。私は、商人の娘に生まれて、商人として世界の頂点に立ちたいんですよ」

 いつきさんは、微笑みながら凄い野望を語りだした。というか、いつきさんがそんな野望を持っていたなんて。あれ?教会のトップになったほうが世界の頂点に立ちやすいんじゃ?

「そんなことで頂点に立っても、面白くないじゃないですか。やっぱり世の中お金ですよ!」

 この人は……


「みつきちゃん、生きているものが入らないのに、どうして魔物が入るんだろうと思わなかったかい?」

 なんで僕が考えていたことが分かったんだろう?

「魔物と人は、根本的に違うものなんだよ。人……人間、魔族、亜人、神族は作られたものじゃなく、長い時を進化していったといわれている、それに比べて魔物は、創造神と呼ばれている太古の、いや、今もどこかにいるといわれている、神に作られた生物と伝わっているのさ」

 神に作られた生物?じゃあ、浄化の灰をかけたとき時に魔石と戦利品が出るのにも意味があるのかな?

「魔石が一番わかりやすいですね。あれは魔物を解体すれば判りますが、心臓の代わりに魔石が入っているんですよ。人間や魔族、そして亜人には心臓が入ってますから」

 え?い、いつきさんは人を解体したことがあるの?

 僕がカタカタ震えていると「みつきさん、何か勘違いしてませんか?」と言われた。


「話を戻すけど、人間を入れたいと思うなら、まずは魔物を入れらるようになるんだ。私としては、お勧めはしないけどね。この世界には魔物召喚師と呼ばれる幻の職業が存在するんだけど、あれは空間魔法に魔物を封じ込めることで魔物を召喚してるように見せるそうだよ」

 でも、魔物は自我がないといわれているから、操ることができるんだろうか?

 まさか、放つだけで後は逃げるのか?最低の職業じゃないか!?

「考え方によっては英雄ですよね、魔物に困っている国に行けば実力が無くても、魔物を封じ込める。その国の国民にとっては英雄。ただし、その魔物をどうするかによっては屑に成り下がる」

「本当は、人間を収納できる空間魔法は、使われるべきではないんだよ。この力が表に出れば、いつきちゃんは全世界から狙われるようになる。さらにこれは、本物の禁術だよ。確実に時の番人に狙われる」

 本物の禁術?禁術に本物と偽物がある?

 おばちゃんは、この魔法を使って時の番人に狙われたこともあるらしい。その時、助けてくれたのが

僕のお父さんだそうだ。

 僕にはお父さんの記憶がないんだけど、どんな人だったんだろう?


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