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空間魔法1

今日はちょっと短めです。


「よいやみさん、本当に原液のままで、いいんですか?」

 いつきさんから、濃茶の色のドロッとした液体が入った小瓶を受け取ったよいやみは、自分の道具袋に小瓶を入れた。

「濃い方が、効果がありそうっす。それに、さっき飲んで思ったっすけど、即効性がある気がするんすよ。即効性がないと、意味もないっすからね」

 濃い方が、成分が濃縮されてそうだから、効き目はあるんだろうけど、即効性はどうなんだろう?それ以前に、あの液体を飲もうとも思わないのだが。

「飲まず嫌いは良くないっすよ」 

 よいやみが薦めるので、試しに飲んだみたのだが、なんと言うだろうか、ただ、臭い。雑草臭さに、不愉快とも言えるほどののど越し、確かに疲労感は回復してるっぽいが、精神は逆にダメージを受けている感じだ。

 ゆーちゃんは、口に入れてすぐに、吐き出していた。

 飲んだ僕達を見て、爆笑していたよいやみには、しっかりお仕置きはしたけど。


 翌日、よいやみはグレンさんに連れられて、朝早くに出ていった。

 どんな特訓をしているのか、少しだけ気になった。僕も今度、付いていってみようかな。


「いつきさんは、今日はなにするの?」

 昨日の草汁の開発の続きかな?

「ポーションの原液を作るのもいいですが、今日は私に付き合ってくれませんか?」

 何をやらされるんだろう?

 いつきさんは、普段は無茶を言わないけど、たまに恐ろしいことを言ってくるからね。

 ゆーちゃんは、嫌そうな顔をしているが、僕の手を離そうとしない。どうやら、付いてきてくれるみたいだ。

「二人とも何故、そんなに嫌そうな顔をしてるんですか?」

「おまえ、おかねからむと、きけんだから」

 ゆーちゃん、的確な事を言うなぁ。いつきさんは「そんなことないですよ~」と、意味の分からないことを言っている。

「で?何をするの?」

「魔法の練習をしたいんですが、何処かに良い場所ありませんか?」

 良い場所?広い場所なら魔法具屋さんの地下を借りれないかな?

 でも、どんな魔法を、練習するのか聞いておかないと、地下を壊してしまうと・・・・・・?

 そういえば、あの地下は空間魔法でと言っていたな。

「いつきさん、この近所に魔法具屋さんがあるんだけど、そこの地下がね・・・」

 魔法具屋さんの地下の話をすると、いつきさんは「それは、良い方法ですねぇ。新商品にもなるかもしれません」とブツブツ言っていた。


「みつきさん!?その魔法具屋に連れていってくれませんか!?」

 いつきさんが、ここまで必死になるということは、間違いなくお金になるということだ。

 お店の商品を、買うのを条件に、お店に案内することにした。

 昨日は、ゆーちゃんの杖と腕輪を貰ったんだから、ちゃんと売上に貢献しないとね。


 僕達は、昨日来た魔法具屋さんを訪ねた。

「おばちゃーん!いるー?」

 店の奥から、おばちゃんが出てきてくれた。

「あら、みつきちゃん。昨日来たのにどうしたの?杖がおかしかったかい?」

「昨日の件とは別で、こっちのいつきさんが、地下空間のことで聞きたいことがあるらしく、連れてたの」

 肝心のいつきさんは、お店の商品をじっくり見ている。

「店長さん、ここにある魔法具って、どちらの技師さんの作品なんですか?」

 技師?つまり作った人?なんで、そんなことを聞くんだろう?

「どうして、気になるんだい?」

 おばちゃんの目が、少しだけ鋭くなった気がする。

「魔法具を作るのって、魔石を加工するから、人によって癖が出来るんですよね。でも、ここの魔石はその癖が、少ない気がするんですよ。だから、よっぽど高名な技師さんの作品なのかなと、それに・・・」

「それに?」

「明らかに、魔法で手を加えてありますよね」

 そうなんだ。僕は昔から、この店の魔法具しか触ったこともないし、王都に行ってからは、台所に立つこともなかったけど、ここの魔法具はそんなに良いものだったんだ。

「へぇ、あんたも面白い魔法を持っているみたいだねぇ」

 おばちゃんは、目を細めて、いつきさんを見た。

 王様相手でも、踏み込んだ交渉をしていたいつきさんが、おばちゃんには、少し緊張しているように見えた。

「高名かどうかは知らないが、腕が良いのは確かだよ。魔王城の城下町に住む、魔石技師に魔石を加工してもらってるからね。そのあとに私が、少し手を加えてるだけさね」

「店長、空間魔法使えますよね?」


 え?おばちゃん、魔法使えたの?


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