遺跡二階層3
バトスさん達を転送させた後、この場所が広間になっているということで、骨ドラゴンのような、大きい魔物が出現するかもしれないと、警戒しながら辺りを探索した。
「なにもありませんねぇ。また、大きな魔物でも出てくると、思ったのですが」
いつきさんが部屋の中央に立ち、部屋を見回していた。
「ここにみちある」
ゆーちゃんが、指差した奥に道がある。
ゆーちゃんでかした!!かわいい!!
僕がゆーちゃんを抱き上げて喜んでいるのをよいやみが呆れた顔で見ていた。
「いつきー、みつきがまたゆっきー病になってるっすよー」
「いつもの事ですから、ほっといても大丈夫ですよー」
ゆっきー病ってなんだ?酷い言われようだ。
僕達は、ゆーちゃんの見つけた道を進んだ。
途中でヘルハウンドやスケルトンに襲われたが、全て一撃で倒せるので、なんの苦労もなかった。
暫く道なりに進むと、バトスさん達がいたところよりも、大きい広間に出た。
「何か来そうっすよね」
「まぁ、来るだろうね」
ゆーちゃんといつきさんを、入口付近に下がらせた。
「おらー!さっさと出てくるっすよ!!」
よいやみが、ファイティングポーズをとって叫んでいた。
こいつは、戦闘狂かとも思ったけど、次はなにが出るか楽しみにしている自分もいる。
『よく、ここまでこれたね!!でも、何処からともかく、出現するヘルハウンド達に苦戦したんじゃないかい!?さて、そのボロボロのから・・・・・・・・・?君達、随分元気そうだよね?』
確か、魔将フォズだったっけ?こいつ、生きてたんだな。
ゆーちゃんの方を見ると、いつきさんに口を手で塞がれていた。
「むーむー」
ゆーちゃんは必死に手を離そうとしているが、いつきさんに捕まって動けないみたいだ。
『ところでさ、私、さっき死んだんたけど、なにか知ってる?』
こいつ、軽いな。あ、よいやみがイライラしだしている。
「んなこといいから、さっさと魔物出してこいっす」
『くはははははははは!!!なら出してあげよう!!ガーゴイル!!コイツらを殺せ!!』
フォズの言葉に、広間の地面が盛り上がる。
「クカァアアアアアア!!」
出てきたのは、人間の倍くらいの大きさの、石の体をした鶏のような生物。
「ガーゴイル!!」
いつきさんが驚いていた。
いつきさんによると、伝説上の魔物らしい。防御力はドラゴンをも超えるといわれて、攻撃力も高い魔物らしい。
「お先に行かせてもらうっすよ!!」
よいやみが、ガーゴイルに駆け向かっていく。
魔力を込めた蹴りで、腹部を蹴り上げようとしたが、鈍い音がしただけで、ガーゴイルは平然としている。
よいやみが、僕達の所に戻ってきた。
「硬いっすねー。ヘルハウンドとは硬さが違うっすわ。みつき、斬れるっすか?」
「ドラゴン並みに硬いとなると、リュウト以上の硬さでしょ?」
そう言って、僕も剣に闘気を纏わせて、ガーゴイルに向かっていった。
近づいた僕は、ガーゴイルの羽根を狙って、斬り上げたが硬すぎて弾かれてしまった。
『ははははは!!そんな、脆弱な攻撃で私のガーゴイルが倒せるわけがない!!』
フォズが、高笑いをすると部屋に響くので鬱陶しい。
ガーゴイルは羽根をバタつかせ、こっちに向かって、走ってきた。
体が石だからか、飛ぶことは出来ないようだ。
僕達の近くまできた、ガーゴイルは嘴で僕達の狙ってきた。
流石は石で出来た生物だ。避けるのは容易いが、ガーゴイルが攻撃する度に、地面が抉られている。
重量があるため、攻撃を逸らすことも出来ずにいた。
「よいやみ!こいつの動きを止めることは出来る?」
よいやみは攻撃を避けながら、考えるが「破壊するにしても、あしも動きを止めて欲しいっすね」と答えた。
「どっちにしても、固まっていたら攻撃のチャンスがないから、二手に分かれるよ!」
「あいよっす!!」
僕達は、ガーゴイルを挟むように左右へと移動した。
僕を狙ってくるなら、よいやみが攻撃すればいい、僕じゃなければ僕が攻撃すればいい。
ガーゴイルは、若干動きの遅い僕を狙ってきた。
「よいやみ!僕が引き付けるから、一気に倒してしまって!!」
よいやみは、魔力を溜め始めた。
「十秒引き付けてくれっす!!」
「わかったよ!!」
僕はガーゴイルに近づく、ガーゴイルは尻尾で僕を凪ぎ払おうとするが、それくらいなら避けることが出来る。
ガーゴイルの目がよいやみを捕らえようとする度に、闘気を纏わせて顔を殴り付ける。
ガーゴイルは、再び僕をターゲットにして、嘴で攻撃してくる。
地面が揺れ始める。
ガーゴイルが何かしてるのかと思ったが違う。
ガーゴイルは揺れの中心地点を見る。
よいやみが体中から、魔力を放ち、その影響で地面が振動している。
ガーゴイルは危険と判断したのか、よいやみを攻撃しようと反転させた。
「させるか!!」
僕は闘気を剣に乗せ、ガーゴイルの頭に打ち下ろす。
ガーゴイルが少しだけよろめく。
その隙を逃さず、よいやみが渾身の正拳突きを放つ。
凄まじい音と共に、ガーゴイルの腹部に大きな穴を開ける。
ガーゴイルはよろめく、まだ、倒れてはいない。
よいやみを見ると、少し体に負担があるみたいで、拳を突き出したまま動かない。
僕は、剣が耐えれる限界の闘気を込めて、よろめくガーゴイルの頭を凪ぎ払った。
ガーゴイルの頭は完全に砕け散った。それと同時に体も崩れ去った。
『ば、バカな!!ガーゴイルは私が作り出した最高傑作なんだぞ!?こんな小娘共に殺られただと!?』
広間にフォズの声が響く。
「やったっすね」
「うん」
僕は浮かない顔をして、いつきさんを見た。
いつきさんは、口の前に人差し指を当てて笑っていた。
成る程ね。あの攻撃なら砕くまでは出来なかったはずだ。それが砕けたということは、いつきさんが何かしたな?
『くくく・・・・・・お前達がここまでやるとは思いもしなかったぞ。褒美に、私自身がお前達をころしてや・・・・・・ぐべぇ!?』
・・・・・・・・・・・・・またか?
ゆーちゃんを見ると、首をふるふる横に振っていた。
即死魔法じゃない?
いつきさんを見ても、何が起こったか判らないみたいだ。
静かになった、広間に魔方陣が現れた。
僕達は、何が起きたか確認するために、魔方陣の上に立ち次の階層に進んだ。




