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遺跡二階層

 転移の魔方陣で移動してきて、僕達は驚いてしまった。

 まるで、森の中にいるように木々が生い茂っている。

 それに、ここは遺跡内のはずなのに、明るい。


 いつきさんが天井を見ている。

 この階層は、ちゃんと天井が見えるようだ。光っている。おそらく魔石に光魔法を注入したものだろう。

 僕達も、一階層を探索したときに持っていた。


「この遺跡は、あの魔将なんとかが作ったものの可能性がありますね。少なくても古代遺跡ではないと思いますよ」

 いつきさんによると、光の魔石はここ十数年で開発されたらしく、天井に上手く取り付けられている古代遺跡はないだろうとのことだ。

 後片付けの可能性もあるが、僕もいつきさんと同じ意見だ。

 僕は光の魔石じゃなくて、木々に違和感を覚えた。

 エルフじゃないから、詳しくは無いけど、この森からは生きてる感じをまるでしない。

「よいやみ、警戒しておいて。さっきの骨ドラゴンみたいにいきなり何かが出てくるかもしれないから」

「わかったっす」

「ゆーちゃんは僕の手をしっかり握っていること」

「うん」

 ゆーちゃんの手が僕の手をぎゅっと握ってくる。

「みつき、顔がにやけついてて気持ち悪いっすよ」

 おっと、ヤバイヤバイ。つい、嬉しくてにやけついてしまった。


 しかし、森で出来た迷路となると結構面倒な構造になっている。

「みつきさん、バトスさんらしき人達は、どこにいるかわかりますか?」

「方向はわかるけど、この迷路だと厄介だよね」

 方向はわかっても、道がその方向にあるとは限らない。

「いつきー、この遺跡は古代遺跡じゃないんすよね?」

「私の見解では、そうだと思いますよ」

 よいやみは「ふーん、そうっすか」といいながら、木を軽く叩いている。

「ここまで来れば、あしでもどの方向かわかるっすよ」

 そう言って、魔力を込めて構えるよいやみ。

「ちょいやーっす!!!」


 ズドン!!


 よいやみが拳を繰り出すと、木々が吹き飛ぶ。って。

「アホかー!?」

 僕はよいやみの頭を叩く!!

「なにするっすか!?迷路なんてめんどくさくて、やってられないっすよ!?」

「僕もそれは思うけど、バトスさん達がどんな状態かもわからないのに、あんたの攻撃で一緒に吹き飛んだらどうするの!?」

「あっ・・・・・・」

 よいやみは、そこまで考えてなかったらしく「失敗っすね」とゆーちゃんに笑いかけてた。

 ゆーちゃんは、よいやみをジト目で見ていた。その顔もかわいい。

 ん?いつきさんがなぜか、ニヤッと笑った気がした。

「よいやみさん、続けてください!?」

「えぇ!?」

 いつきさんは、笑いながらよいやみに指示をだす。

「ちょっと待って!?僕の話聞いてた!?」

「聞いてましたよ?バトスさん達が怪我をしていれば、薬草が沢山売れるじゃないですか。よいやみさんの攻撃も、早く発見するためとでも言っておけば、大丈夫ですよ?」

 なにが大丈夫なのか、僕にはさっぱりわからないのだが。


 よいやみが何回か、木々を吹き飛ばして進むと、三十代くらいの青い髪の毛をした戦士が、殺気を込めて近づいてきた。


「お前達、何者だ!?」


 ふむ、この戦士はかなり強そうだ。おそらく、単独でリュウトを倒せるレベルだ。

「よしお!待つのじゃ!!」

 戦士を止める声がした。この声どこかで聞いたことが。

「久しぶりじゃの、黒姫や」

「あー!!!あんた、人の恥ずかしい二つ名を広めたばあちゃん!!」

 確か、バトスの仲間とか言ってたか。しかし、こんなところで、再開するとは。

「ばあちゃん、嘘ついたよね。僕の二つ名は女神様がつけたっぽいと聞いたよ?なんで、嘘ついたあげく広めたの!?ってか、なんで、ばあちゃんが知ってたの!?」

「それは、あれじゃ。陛下に聞いたからじゃ。良い名じゃったから、広めておいたわい」

 このばあちゃん、余計なことを!?


「はる様は彼女達を知っているんですか?」

 よしおと呼ばれた戦士が、僕達の方を軽く睨んで、ばあちゃんに聞いている。

「そこの黒髪の嬢ちゃんが、陛下が言っておった、勇者黒姫じゃよ。それと、そこにおるのは、教会の聖女じゃないかい?」

「教会の聖女じゃないですよ?仕方なく聖女をやってあげている、商人ですよ」

 いつきさんは、そう言いきった。

 どうも前から思っていたが、いつきさんは教会を嫌っているような気がする。

「それより、バトスさんはどうしましたか?」

 生体関知では、奥にいるのはわかっていたが、下手に警戒させても仕方ないだろうし、ここは、いつきさんに任せよう。

「奥で、ルル、あぁ、うちの僧侶が回復魔法を使って傷の手当てをしておるよ」

「そ、僧侶!?」

 いつきさんはその場で崩れ落ちた。

「も、儲け話が・・・・・・」


「どうしたんじゃ?聖女は」

「気にしなくていいから、バトスさんのところに案内して」

「ダメだ」

 よしおが僕達を通さないように立つ。力でどかせることも可能だけど、一応、説得くらいはしておくかな。

「ねぇ、僕達はあんた達の救出を目的で、この遺跡に来てるんだよね。あんた達を心配してる人達が、沢山いる以上気絶させても連れて帰るよ?」

「みつき、それは説得じゃなくて脅しって言うんすよ?」

 失礼な!?僕が誰を脅していると言うんだ。

「くっ!?ち、力ずくでここを通ると言うなら、俺は死んでも通さないぞ!?」

 あっれー?どうしてこんなことになっているんだ?

「バカたれ!?よしお、下がっておれ。お前じゃ全く歯が立たんわ。この娘のランクはヒヒイロカネ。バトスよりも遥かに強いわ!!」

 ランクだけで、強さって決まるとかはないと思うんだけど。

 例えば、よいやみの強さは僕と同等か、もしかしたら、僕より強いかもしれない。

 でも、よいやみのランクは確か、オリハルコンだったはず。

 僕が思うに、ランクの高さより、戦闘経験と度胸の違いのほうが、強さに直結すると思うけどな。


「ほれ、こっちじゃ。ついてこい」


 僕達は、ばあちゃんに案内されて勇者バトスの元に向かった。

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