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パーティ完成

少し書き直しました。

 リュウトの事を報告するために、冒険者ギルドにやって来た。

 冒険者ギルドは、今日も賑わっている。いつも輝いている、クレイザーはいないようだ。

 まだ、あの屈強な男性とダンジョンに潜っているのだろうか。


 勇者専用の受付に行くと、リリアンさんが座っていた。

「おかえり。随分速かったわね」

 書類仕事していた、リリアンさんは手を止め、僕達の相手をしてくれる。

「今回の仕事の事で、報告があるんですけど。リザードマン達が、人間不信になるような出来事がありました」

「何があったの?」

「勇者リュウトが、リザードマンを手当たり次第に殺していました」

 僕がそう言うと、ギルド内が一気に静まり返る。中には軽く殺気を放つ人もいる。

「なんですって!?」

 リリアンさんが驚いている。

 確かに、人間の国の中には、亜人を差別したり、迫害する者もいると聞く。

 また、その逆もあり、人間を無条件に嫌う亜人もいる。

 あくまで他の町の話であり、王都では亜人にたいして、そこまでの嫌悪感を持つものは少ない。

「殺されたリザードマンはどれだけいたの?」

「おそらくは、数十人」

「最悪だわ、人間不信とか言うレベルの問題じゃないでしょう。亜人の反乱もあり得るわよ」

 普通、自分達の集落を襲われて、数名しか生き残ってない状況ならば人間不信ではなく、人間に復讐の目が向く。当たり前だね。でも。

「ゆーちゃんの甦生魔法でほぼ甦生したよ。ただ、全員ではないから被害はある程度でているけど」

「そう……」

 リリアンさんは、複雑だけど、少しだけホッとしたような顔になった。

「で? 勇者リュウトはどうなったの?」

 ギルドの中にいる冒険者達は、僕達の話に耳を向けていた。

 おそらく、リュウトに散々迷惑をかけられたり、中には強姦された女性冒険者もいただろう。

 多分、生きていると聞けば、殺しに行こうとする者もいるかもしれない。

 僕が言い淀んでいると、「何があったの?」と、リリアンさんが優しく聞いてくる。

「勇者リュウトは死にました」

 僕が、そう言うと、ギルド内が騒ぎ出す。

 中にはすすり泣いて、膝を崩すものや、大声で泣きだすものまでいた。そんな女性冒険者を慰める冒険者の姿も見える。

 リリアンさんが注意すると、再び静かになる。


 そんな光景を見ていたいつきさんが、リリアンさんに「私から話します」と声をかけていた。


「勇者リュウトは、女神セリティア様の逆鱗に触れてしまったために、神罰を受けました」

「逆鱗!?」

「女神の巫女が、自ら命を絶った。という話は聞いていましたよね?」

「あの話は、私達も調査はしていたのだけれでも、教会からの情報が無さ過ぎて、調査が進まなかったのよ」

 教会というのは、女神セリティア様を信仰していて、巫女や聖女は教会の所属になるそうだ。

「勇者リュウトが、巫女を強姦。その時点で、彼女は巫女の資格を喪失したと思い込み、自分が汚された事と、女神セリティア様の名を汚したと嘆き、自ら命を絶ちました」

「あいつはなんて事を……」

 リリアンさんは、怒りで震えている。

「セリティア様は自分の巫女にたいして、このような仕打ちをした者を許すわけがありません」

 ギルド内も怒りの気配がする。おそらく、ここにリュウトがいたら、絶対に殺されていただろう。

「勇者リュウトは、神罰により魔物変化症が強制的に発症、その後、崩壊しました」

 いつきさんの報告に、リリアンさんは渋い顔になる。

「神罰が下ったとなると、教会からの追及がきそうね」

「大丈夫ですよ。私の所属する勇者一行が罪人である勇者リュウトを討ちましたから。私がいる以上、教会は何も言えませんからね」

 巫女は年に数人出るそうだけど、聖女は数十年に一人、ヘタをすると百年単位で出ないそうだ。

「教会もアレっすよね、数十年でなかった聖女が、まさか守銭奴とは思わんかったと思うっすよ。悲しいっすよね~。しかも、性格までアレとか」

 ガシッ!!

 よいやみの肩が思いっきり掴まれた。よいやみが振り替えると、聖母のような笑顔のいつきさんが、にこやかに笑っていた。

 その顔を見た、よいやみは顔が引きつっていたけど。

「ところで、いつきさん? さっき、私がいればと、言ってたけど、仲間になってくれるんですか?」

「みつきさん達が、よければですけどね。まぁ、断れば教会がうるさいですけどね」

 いつきさんは、優しそうな笑顔で拒否権のない事を言ってくる。僕としては、嬉しいが。

「は、はんたい!!」

「と、取り分が減るっす!!」

 二人が必死に抗議している。

「じゃあ、お二人で教会を説得してきてくださいね」

 そう言われると、流石の二人もなにも言えなくなる。


「よろしくお願いしますね。みつきさん」

「あ、こちらこそ。お願いするね、いつきさん。で、薬草とかは……」

「それはそれ。これはこれですよ? あぁ、値段は少し安くしますよ。仲間ですからね」

「……はい」

 いつきさんの加入で、薬草なんかの出費が無くなると思ってたけど、甘かったようだ。けど、安く済むんならよかったよね? 自分でそう言い聞かせた。


「リリアンさん、リザードマンの集落についてですが……」

「わかってる。陛下に今回のことを詳しく話して、リザードマンが、安心して暮らしていけるようにしてもらうわ」

「リリアンさん。今後はくじ引きで勇者を選ぶのは辞めた方がいいです。私は教会の考えなんてどうでもいいんですが、くじ引きに関しては教会と同じ意見です」

「…………わかったわ。私も今回のような事があった以上、仕方ないと思ってるわ。陛下に進言しておくわ」

「お願いしますね」

 いつきさんは、軽く会釈した。


 報告が終わった後、僕達は、いつきさんを加えた4人パーティになった。


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