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リザードと捕食者

少し書き直しました。


 あの黒髪のガキ、絶対許せねぇ。

 俺が雑魚だと? 俺が雑魚って言うのなら、俺の足元の魔物共の事をどう説明する?

 くくくっ……。俺は強い。()()()()()()程度じゃ、俺の敵にすりゃなりはしねぇ。

 俺を雑魚と罵った糞冒険者共も、俺を裏切りやがった女共も、おれを見下しやがったあのガキにも見せてやりてぇ。

 この勇者リュウト様の雄姿をな!!

「た、助けてー!!」

 俺の姿を見て、逃げていくチビリザード。魔物が人間様を見て逃げるんじゃねぇよ。

 まぁ、もうすぐ動かなくなるから魔物じゃなくてゴミかな?


 ぎゃははははははは!!!


 おっと、戦利品のことを忘れてたぜ。

 金は何かといるからな。

 ゴミに浄化の灰をかけてみたが、燃ねぇぞ? くそが!? 不良品を掴まされたか!? ギルドの職員まで俺を馬鹿にしやがって! 解体するか? いや、こんなゴミに触れたくねぇ。

 まぁいい。

 そういや、さっき何匹か逃げやがったな。もしかしたら、逃げた先にもゴミが沸いているかもしれねぇなぁ。

 勇者様が、ゴミ掃除をする。裏切りやがった女共も後悔するだろうぜ! 俺が最高の勇者だってことにな!

 

 しかし、逃げ出しやがったゴミ共もが見当たらねぇなぁ。

「人間、ここから先は通さないぞ!!」

 お、逃げたゴミが沸きやがった。

 自分から出てくるんなら、最初っから逃げるんじゃねぇよ。

 それに、てめぇごときゴミが勇者である俺に、勝てるわけがねぇだろ?

「ゴミが大層に武器なんざもって、勇者()と戦うってか? 魔物は魔物らしく地べたを這いずり回りやがれ」

「我らリザードマンは魔物ではない!!」

 ゴミが槍を持って、俺に向かってきやがる。

 バカか? 遅ぇよ。

 突撃して来るゴミを避け、槍を持っている手を斬り落としてやった。

「ぎゃあ!!」

 斬り落とした腕からゴミの血が俺に向かって飛び散ってきやがった。

 「お前等は魔物なんだよ。てめぇ、鏡見たことあるか? その汚ねぇ緑の面はどう見ても魔物じゃねぇか」

 俺は、足元の腕がなくなって踞るゴミを、動かなくなるまで何度も蹴り続けた。

「ゆ、ゆるざん……ぐげっ!! ゆる……」

 うるせぇゴミだ。さっさと死ねよ。

 暫く蹴り続けるとゴミは動かなくなる。

「くははははははは!!!」


 ドクンっ


 ん? なんだ?

 まぁいい。あの黒髪のガキ、見てやがれ。オレの方が優れた勇者ってのを見せつけてやる。

 足元のゴミにとどめを刺し、俺は他のゴミを探しに行く。


「勇者よ!! 私が相手だ!!」

 あぁん!?

 騎士みてぇな声がしたから、振り向いてみたらゴミか。

「魔物風情が騎士どうでもかざしてんのか? 安心しろよ。その汚ねぇ面な以上、人間様にはなれねぇよ」

「そうやって、勇者は……、いや、人間は我々亜人を虐げるのか!!」 

 薄汚い魔物風情が騎士道ぶってんじゃねぇよ!!?

 オレは、ゴミに斬りかかった。

 ガキィ!!


「なんだと? ゴミの分際で人間様の攻撃を受け止めていいとでも思ってんのか?」

 オレは何度も斬りかかったが、全て受け止められた。

「力のない物しか傷つけられないお前が勇者なわけがなかろう!!」

 ゴミが攻撃を繰り出してくる。くそ!! 一撃一撃が重い。

 今までのゴミとは違うって事か!?


 ……ドクン!

 なんだ!? 身体が熱い!! 何だってんだ!!

 ()()が迫ってくる。

 エサの槍が、オレの肩を貫く。

「ぎゃあああああ!!」

 痛い!! エサの分際で、勇者様であるこのオレに痛みを!!

 オレは一歩引く。くそくそくそくそ!!

 そのとき、オレの目に、エサのガキが岩の後ろに隠れてるのが見えた!

「あれだ!!」

 ガキの隠れている岩場に走る。

「え!? う、うわぁああ!!」

 ガキの首を掴んで剣を押し当てた。さぁ、どうする?

「うわぁああああん!!!」

「うるせぇ!! 喰うぞ!!!」

 これで目の前のエサはなにもできねぇ、エサと違ってオレは勇者だ!! 選ばれてるんだよ!!

 てめぇらエサと違って勇者はメガミに愛されているんだよ!!

 お前らはオレに喰われるべきだ!! 所詮、エサだからな!!

「キサマ!! 子供を離せ!!」

「うるせぇ! エサが喋るんじゃねぇ!!」

 さっきまでオレに攻撃を繰り出してきていたエサは、ガキを盾にしている為か攻撃できないでいる。

 オレは、目の前のエサの腕を斬り落とす。

 喚いてやがる。だがオレは攻撃を止めねぇ。


 暫くすると、目の前のエサが動かなくなった。

「なんだよ。死んじまったか。このエサのガキもいらねぇなぁ」

 オレはエサのガキの腹に剣をゆっくり刺してやった。

 苦しんでやがる!!

 笑えるぜ!!


 ドクン!!!


 あ、あ、あぁ、そうだ、エサを食わないとダメだ、は、腹がへった。


 オレは、手に持ったエサを喰らった。


 目の前のエサがわめきだした。生きていたのか?

「う、うがぁああああああああああああああ!!!!!」


ドクンドクンドクン!!!


 なんだ? なんで、足が重いんだ? 剣を持つ手も重い!!なんだ!?

「あああああぁぁぁ……」

 目の前のエサがヤバイ!! こいつを早く喰わねぇと!!


 エサがわめくのをやめた。

「殺す…………。人間も勇者も全て殺す」 

 なんだ!? 雰囲気が変わりやがった!! や、やばい……!!


「ぐはぁ!!」

 オレの腹に、何かの衝撃が……!? エサに蹴られたんだ! 痛ぇ! 

 エサが腕を振り上げてやがる! あんなもん喰らったら、やべぇ!

 ゴッ!!

 鈍い音とともに俺の頭に激痛が走る。

「ぐ、ぐぎゃああ!!」

 な、なんでだ!? オレはユウシャだ!!


 !!!!!

 

 あんなところに、オンナがいる!?

 

 あのオンナユウシャか!!?

「て、てめぇ!? ユウシャだろ!? オレを守れ!! オレは仲間だ!!」

 あのオンナ、薄ら笑いを浮かべながら消えやがった。

 なんで、助けねぇんだ?

 また、なぐられ…………。

「ぐぎゃああ!!」

 …………やめて………くれ……。

 

 くそっ、オレが捕食、がっ……て……た

 く、くわ、れ、て、…………タマルカ!! 


 オレはエサに喰らいついた。血を飲み、噛みちぎった肉を飲み込む。

 う、あ、を………。


 ドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクンドクン


 熱い熱い熱い熱い熱い熱い!!


 暫くすると熱さも収まった。いつもより口が開く、より多く喰えそうだ。

「き、貴様、その体はなんだ!? まるで我々のような!?」

 何を言っている? オレはユウシャだ。エサと一緒にするな。

 しかし、力がみなぎってくる。噂で聞いたことがあるな。

 ユウシャはたまに覚醒すると。

 そうか、コレが覚醒か。

 もう、あのオンナよりも、強くなった。あれを犯し、そして殺す。


 ソレデイイ、オマエハホンノウノママイキルンダ


 頭で何かがツブヤク 

「まぁいい、形勢逆転だな」

 目の前のエサを殴り返し、腕を踏み千切った。


「ぎゃああああああ!!」


 千切れた腕を拾い喰った。

 喰う度に力が増す。

 このエサを喰い尽くせばオレは更に強くなる。

 喰いつくしてやる!!


 オレは、本能のまま、目の前の、エサを喰らった。


 今なら何度もできそうだ。

 オレは、捕食者。

 ……。

 チガウ、オレハユウシャリュウトだ。


外道な人間の話は難しいですね。

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