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後輩にライダーにされた俺は異世界に召喚されて熱中症になりそうです。  作者: ふうらいぼう


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時を越えろ空を駆けろこの星の為♪

突然だが佐枝後輩は小柄であり背丈の順で並んだ場合、間違いなく先頭に来てしまうチンマイ少女である。小学生に間違われてしまう様な事もザラだったりする。今


の癖全開の姿からは想像できないかもしれないが、性格は穏やか&寡黙でヒッソリ微笑んでる系な事もあってそれなりに付き合いの長い友人の中には、実は隠れクール系なのではとか評する子もいたりいなかったりする。


そんな彼女が、男子と単純に正面衝突したとして、男子が例えば遠藤君だったとして、「犯罪臭に良心が耐えられないよ!?」とでも言いださない限り、100%佐枝後輩が敗北するだろう。彼女には男子に抗し得るフィジカルが無いからだ。


そんな彼女が俺も含めて、体育系男子の中で「実は最強なんじゃあるまいか?」との呼び声が高いのは……圧倒的な感度と人体に対する理解があるからに他ならない。「後輩女子の感度が高い」……思わずゴクリとか息を呑んでしまいそうな桃色夢時空な響きであるが、当然そっちではない。


この場合の感度の高さというのは、「何をどうしたら相手が緊張するか弱まるか」といった身体反応的な物を読み取る繊細な感覚の事を指す。


ここに解剖学的な知識と何処で覚えたのか謎の手技の研鑽が加わった結果……佐枝後輩は千年不敗の陸奥さんとかと、大変話が合うんじゃないかという変態じみた領域に達したのだ。


ん、あれ? 桃色時空ではないと言ったのだが、「何をどうしたら相手が緊張するか弱まるか」というのもこれはこれで……桃色……?


おいといて。そんな佐枝後輩には実は体育系男子も含め、女子等も手合わせを望む者が極めて多い。


別に陸奥に勝利したい的なヤベェ理由でもなければ、桃色夢時空的な何かを求めた話でもない。それは今の遠藤君を見れば一目瞭然だ。


「……肩こりが消えてる!? ついでに鼻炎も消えてクーラーと酷暑の寒暖差であった片頭痛がすごく楽になっているよ!? しゅ…しゅごい! こんなの初めてだよっっ!!」


「……どうしたんです……? そんなに物欲しそうな顔をして。深山先輩を守らなければとか突然始まった本部推しに便乗するかのように登場しておきながら。


貴方よりも年下の後輩に……本当はしてほしい事があっただけなんじゃないですか……?


正直に仰ってくださいな。もしも貴方が正直に私に……私にしてほしいイケナイ事を友情と引き換えに告白してしまうというならば……私はしてあげても良いんですよ。このクーラーと酷暑の狭間の時期、長時間原付に乗っていたことであるのでしょう……?」


「お、恐ろしい後輩だよ!? でも言わないでくれ! ぼ、僕は腰痛と切れ痔になんか屈したりはしな......嗚呼!? 言っちゃった!?(ノД`)・゜・。」


そうなのである。実際問題ステゴロが異常に強いこの後輩、殺法が転じて活法と転じたのか誰もが1度は真剣にお店の場所を知りたいと思ったであろう、トニオトラサルディーさんのお料理張りの謎な病気回復効果を対戦者に齎したりするのだ。


痛みと快感の刹那でのキャッチ&リリース! ついでに何処をどう引っ張り、どう押せば体のどの部位に効くかを熟知した彼女と戯れていると、なんかポンポン投げられるのが楽しくなってくるの同時に、「しゅ、しゅごい☆」とかなってしまうのだ。


ちなみに通常はこんなプレイ状態ではなく、人権に配慮した闘争を試みてくれるのだが……陸奥が千年不敗なら佐枝後輩は千年は「あふん♡」させてしまう……千年腐敗とでもいうべきか。


しかし、遠藤君が屈辱に歯を食いしばりつつ、そんな彼の顎を佐枝後輩がイケナイ感じでツツッとやっているその様子に、新感覚親友NTRを体験させられている俺だったが、率直に言って焦っていた。だって冷静に考えてみてほしい。


遠藤君は情に厚い男ではあるが、佐枝後輩の施術は長年治らなくて困っていた慢性不調を秒殺してしまう様なイケナイ魅力に満ち溢れているのだ。


しかも親友を放っておいて、ネフェルピトー方式を見過ごしたとしても、別に死ぬわけではなく、パッツンパッツンのライダースーツが腹筋を覆う不快感が消えるだけに過ぎない!


ついでに、俺が密かに佐枝後輩にそんな状態になった中で、介護してもらう事にイケナイ何かを感じてしまっているであろう事も……長い付き合いの彼ならば察している! そうなると打算の秤はこう動くのではないだろうか……!?


『季節ごとに付き合わされる嫌な不定愁訴と手を切れる事に比べたら、実は新しい扉を開くか否かでウダウダ言っている親友とかポイしちゃっても良いのではないか?』


嗚呼……!? まさに走れメロスでセリヌンティウスの気分とはこの事......! しかしだね遠藤君......! それでも俺にとってネフェルピトー方式はインパクトが強すぎるのだよ! 


脳内のジョースター卿が「逆に考えるんだ。脳髄に針を刺されちゃっても良いんだと考えるんだ」とか言い出しているけれど!


ちくしょう! 動いてよ動いてくれよ!? 今動かないともうダメになっちゃうんだよ! エヴァが電池切れで動いたのなら、ライダーだって何とかなるはずなんだ!? 


そうこうしている間に涙目の遠藤君が佐枝後輩に……「なおりゅかなあ?(※治るかなあ?)」とか聞いちゃって、佐枝後輩は「よくできました……! これで良識派だった貴方もフォースの健康面の虜......!!」とかイケナイ感じで微笑んでいる!


良いんだよ遠藤君! フォースの健康面!ライトサイドやダークサイドよりもきっと毎日楽しそうだ.!健康になればゆるキャンライフもきっと楽しいはず! 


俺を裏切った事、そりゃあ、根に持ちまくるけど、でも同時に理解も出来るさ。NTRにドキドキできた事で帳消しだ。ルルーシュ......もとい遠藤君、だって俺達は友達だろ...って、モノローグで更に時間を無駄にした!?


.....嗚呼!? 後輩が施術を終えるまであとどの程度の時間が残っているんだ!? 力が……力がほしい! この絶体絶命の状況を......! 親友をNTRされた挙句に、後輩に未知の世界へ連れ去られようとしている状況を打破する......


「力がほしい!」


『あたしに力をよこしなさい!』


「『...』」


「『...あれ?...』」


……ん、んんー? こういう時に聞こえてくるのは……「力が欲しいか? ならばくれてやる!」という皆川先生の名作アームズの様な禁断の力への誘いではないだろうか……? 聞こえてくる声が「あたしに力をよこしなさい!」とは、被った……?


この瞬間、俺は思い当たる節があった。いやあ、珍しい現象もあったものだ。しかしそれならば負けるわけにはいかない! これは競争率が高いチケットがネット争奪戦になった時におきる現象等と同じなのだ。


「更新! 更新ボタンを連打! ボタンが何処にあるかは分からないが……!おーい! どういうシステム&支払方法も分かりませんがぁぁぁ! あーたーれぇぇぇぇ!? ちーかーらーっ!! くれてやると言えぇぇぇ!!」


『だから、あたしが力を下さいって言っている魔術師なんだってばぁぁぁぁ!? ああ、じゅ、術式が完璧じゃなかったの!? 時間が時間が無いのっ! 魔神! 聞いてるの魔神!? 声が聞こえてるのは分かってるんだからね! この呼びかけに応えなさいってば……まぁぁじぃぃぃん!!』


……おや? これはまさか……もしかして俺が「力がほしいか」の人だと思われている? これは困った。公式につながったかと思えば、同じように競争入札に挑んでいる人とバッティングしてしまったようだ。しかも結構、お急ぎなご様子だ。


俺の中のエンターティナーはふと囁く。「YOU言っちまいなYO☆ 力をほしいかの人と勘違いされているのならば、「ならばくれてやる!」と応えるのが作法というものだYOU♡」しかし、同時に俺の中の理性もまた囁く。声はお若いお嬢さんの様だ。ついでに偉く焦っているご様子がバシバシ伝わってくる。


こんな時にボケ倒してしまうというのは、あまりに人の心ナッシングではないか。さながら、うっかりジョンウィックの車を奪いつつ、愛犬を射殺してしまう様な後でエライ報いを受けるべき暴挙。そんな事は出来ない!


こっちもネフェルピトーカウント待ったなしだが、おかけになった電話番号は残念ながら間違っていたというべきなのだ。俺は意を決し、謎のアナウンス令嬢に返答した。


「……繋がっているだろうか!? どこのドナタかは存じませんし、あげられる力があるのでしたら、ご提供してさしあげたいのは山々なのだが、そもそも俺には君にあげられるものに心当たりがないんだ! だけど、俺にはピアノが無いし、君に聞かせる腕も無いという事で、改めて違う方法での連絡を……!」


『......繋がってる時点で出来る事はあるのっ! 言って……! 貴方の魂の底から浮かんだ言葉……! それには魔力が宿っている……!』


なん……だと……!? 魂の底から浮かぶ言葉だと……! この絶体絶命の状況でまさか……ライダーから違う方向性へ変わっちゃうというのか!? 


エピソード3までずっと理科室の机に縛られて、後輩とプレイじみた会話に明け暮れるのみだった安楽椅子探偵ならぶ、理科室机ライダーのこの俺が……ついに、ついに動いちゃうというのか!


なんか、衝動的に書き始めたけど、最終回まで寝たまんまでいけるか試してみようとか何処かの誰かが考えかけていた俺がついに大地に立つ時が来た! ならばアナウンス令嬢にはこう告げるしかあるまい!


「ネフェルピトー怖い!脳髄ほじるの止めて!NTRショック! 新しい扉開通5秒前……!」


脳髄ほじくられる寸前&親友NTRで冷静に行動できるのは、特別な訓練を受けた人だけだと思う。当然これが心からの言葉だった。しかし、アナウンス令嬢はお気に召さなかったようだ!


『どこの誰よネフェルピトーって!? 脳髄ほじられるとか魔神のくせにどうなってるのアンタ! そうじゃなくて……! 時と空の壁を超える言葉よ! 魂からのそれをアンタとあたしが一緒に叫ぶの! そうすれば飛べる……!』


そうこうしている間に、ついに向こうでザッシャと音が響いた……! 遠藤君がとても描写出来ないような偉い表情で「らめぇ☆」とか気絶している。さらば友よ……! 目覚めた時には君は慢性症状と手が切れていて、快適な人生が保証されている事だろう。


そして佐枝後輩がうっすら浮かぶ汗をぬぐいつつ、髪の毛を頬に数本絡ませて瞳を潤ませつつ、かすかに胸元のボタンが開いた態で……開頭機材&不思議電気針を持ってこっちに近づいてきた。


「さあ……深山先輩……2人でイキマショウ……? 何処までも何処までも深い深淵の中へ……♡」


嗚呼、この期に及んで君はなんでそんなに理性を突き刺すような瞳と表情で俺を見るんだ……!? 何故か「楽しい自殺メイドインアビス」という単語が脳内に過った。本当にネフェルピトーさえなければ……! ラストダイブだって君と笑顔で一緒に逝ったって良かったんだぜ?(血涙)


『......ちょ、他の魔神もいるの!? えらくシッポリしたなんか理性がヤバイ感じの……! だから! 時と空の壁を超える言葉……!』


アナウンス令嬢には、申し訳ないが、そっと頭に開頭器具を乗せられた時点で、もはやネフェルピトーは避けられない事を確信した。きっと俺とネフェルピトーは2人で1人だったに違いない。今では奇妙な友情さえ感じる。


しかし……それとして、アナウンス令嬢の声があんまりにも切実だったので、最後にせめて浮かんだ言葉を君に贈ろう。


「……時を越えろ空を駆けろこの星の為……?」


『なんかの主題歌っぽい!? でもいいわじゃあ分かった! もう1度あたしも唱えるからアンタも言って! せーの……!』


『「時を越えろ空を駆けろこの星の為♪」』


瞬間、俺は佐枝後輩に額にキスされたような気がしたのだが……この言葉の直後、世界は何か星雲っぽいものに包まれた。同時に何処からかテツヲの主題歌なイントロが聞こえてきた。これは魂から出た言葉だったからなのだろうか?


唯一人間のまま、残っていた顔がいつのまにかフルフェイスに包まれていくのを感じる。この場面、ゲットワイルドとかだったとしても、それはそれでカッコよかったのではないだろうか。この感覚は一体何なのだろう。


目を覚ました瞬間に、どっかの空港で遠藤君が「やっ!」と俺を出迎え、現実の俺はまっぷったつだったりする1週吹っ飛んじゃったのかパニックみたいな事になったりやしないだろうか……? あ、最期の光に包まれる瞬間、鳳凰院さんっぽく「飛べよぉぉ」とか言うのも……はは、今となってはどうでも良い事。


様々な思いが胸を貫く中、全ての光が止んだ俺は何処かの文明の古代神殿みたいなものの中にいた。目の前には汗をかき、泥にまみれた俺と同い年位の赤毛の綺麗なお嬢さん。チュニックというのだろうか、後は旅人のマントっぽいのと魔法使いの本みたいなのを持っている。



そんな彼女が俺を見て尻もちをついていた。そしてワナワナとしながら叫んだ……!


「世界観違うのが来ちゃった!?Σ(゜Д゜;)」


……そんな事言われても。そして俺は途方に暮れた……。









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