↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
後輩にライダーにされた俺は異世界に召喚されて熱中症になりそうです。  作者: ふうらいぼう


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
2/29

先輩ライダーが助けに来ました。

「初めて......魔法少女の変身シーンをアニメで見た時、綺麗な少女が変身バンクで謎の光に包まれつつ、次々にその体を衣装に包まれていく様子を見て、ああ、なんかすごくカッコイイとか思いました……。


そんなある日、ライダーの再放送を拝見する機会もありまして。ライダーはベルトの回転と共に瞬時に姿が変わってしまうタイプでしたが、ふと思ってしまったのです。もしかして、この光の中で魔法少女の時と同じような段取が行われているのではないかと。


そう思ったら、何故か......ふふ、興奮してしまいまして。その目覚めが私の始まりだったんです……」


思っていたピンク色の話では断じてなかった事が、いろんな意味でショックで黄昏てしまいそうな気分だった。ついでに、聖闘士の聖衣がアニメで順に装着されていく感じのものではない事は、即分かった。


要するに、魔法少女状態で「変身!」といった主人公が、謎の光に包まれつつその肢体に順にライダースーツが装着されていくシーンを指しているのだろう。需要は……あ、此処にあったのか。


「胸に芽生えたその種火は、やがて私の中で大きな灯へと変化していき、同時に主人公気が変身するのを見る度に、私の癖は深まっていきました……! その結果、最もツボと悟ったのがシックスパック! それがライダースーツに順に覆いつくされていく瞬間です! 


自分で、自分自身でその光景を現実のものにしたかった。だから私は人体改造の世界へと身を投じたのです! 誰よりも研究し、誰よりも多くを発見していった!


でもね? 同時に私は心の中でまだ最後の一葉が残っていたんです。さっき言ったように私の理想とするシックスパックを持った人はきっと現れないだろうし、無理強いはいけない。


私は生涯この報われない癖を抱えたまま、改造手術をしないまま......改造喪女になっていくんだろう。それで良いと思っていました。でもね、先輩...…貴方は私の理想に至ってしまった。覚えていますか? 私は今日の朝、貴方がシックスパックに至ったと無邪気にそれを見せに現れに来た時に聞いたはずですよ……? 


「更なる高みに貴方は至りたいですか?」と。


そして貴方はこう答えたんです。ポルナレフの前に戻ってきたアヴゥドルよろしく……「イエスアイアム!」とね……! その瞬間、私は改造処女を卒業する事を固く決意したのです……!」


季節は丁度、ひぐらしが鳴く頃だったりするのだが。かの前原少年が園崎少女に拉致られて告白を聞いているのと同じ頃合いに、まさか自分も同じ様な選択ミスで同じような目に……内容は拷問か改造かの違いはあるが……遭わされてしまうとは、なんという僥倖……もとい狂高!


しかし、俺はまだ諦めるわけにはいかなかった。佐枝後輩に聞かなければいけない事があるっ!


「君が……君がそこまで情熱的な癖を俺に向け……! 俺をライダーにしてしまいたいという気持ちは良く分かった……! しかし……! だからこそ俺は君にお願いしたい! このまま脳改造にまで突入されてしまったら俺は俺で無くなってしまうのだろう!?


ライダーになった後、俺はきっと君によってあんな事やこんな事とか色々、口に出来ない事とかをさせられてしまうのだろうが、桃色でこそ無いかもしれないが、それでもちょっとゾクゾクしてしまいそうなそんな瞬間を……メカとして体験するのでは余りに惜しい! ゾクゾクは生物ならではの物なのだから!


だから脳改造については、いったん保留にしてはもらえないだろうか! ついでに、どうしても実行するというのだったら方式はどんな方式になるのだろうか!? 夏油方式&ネフェルピトー方式だけはガチで勘弁して下さいっ!!」


後輩は理知的な瞳を細め、ポカンとしていた。しかし考えてみてほしい。「キッショどうして分かったんだよ」な夏油さん方式だったら、本来の俺は何処行ったんだ問題が発生してしまうし、ネフェルピトー方式に関しては……え、あれ、やられたい人っているのかレベルである。


漫画喫茶でウッカリコミックを読んでしまった際には、深刻に気持ち悪くなった事を昨日の事の様に覚えている。しかし、佐枝後輩は「あははは」と普段の学校では決して見せないであろう年相応の可愛らしい笑顔を見せてくれた。これは......これはもしかして、良い話が待っているという事か?


「先輩☆ 私がこれから貴方に施すのはパッツンパッツンなライダースーツに腹筋が覆われても、不快感を感じなくする為の特別処置ですよ♡


私が求めているのは、私の理想を体現した体を持ち、私と共に更なる高みを目指してくれるそんな先輩なんです。メカになんかなったりしません。そして……その暁には……先輩の期待した……ああ、これ以上は女の子に言わせないでください。イケナイ人……!」


なんだ……と? 一時は潰えたと思ったはずの大人の階段を登る機会はまだ失われていなかった! ついでにライダースーツがパッツンパッツンになって不快にならない改造というなら、それはそれで願ったり叶ったりなのではないだろうか?


先ほどまでのデッドエンドへの不安が音を立てて、消えていくのを感じた。なんというか……ふふ、形こそちょっと変わっていたし、好きとか嫌いとか間をすっ飛ばした様な関係しかなかった気もするが、先ほど佐枝後輩には、魅入られてしまったという事もあるし。


もう、このままステディな関係になっちゃっても……。なんだろう、自分もふふ……ついに彼女持ちというヤツですか?アオノハコとか……連載を実はしっかり追いかけておりましたよ?


「なんだぁ! 脳改造に問題はないという事じゃあないか! ついでに紳士としてイケナイ事を言わせてしまった事は謝罪させてくれ! 脳改造おなーしゃーすっ!\(^o^)/」


「承りました……☆ まあ、手術方式はネフェルピトー方式なんですけど麻酔もしっかり掛けますし。私、失敗しませんので♡」


「え」


「非常に微妙な調整なんです。こう微細な部分に微細な針を刺して、ちょっちょとやらなければいけないので。完全に洗脳するだけでしたら、この昔懐かし被るだけでミョンミョン毒電波が出てくるヘルメットでどうにか出来るんですが。


あ、心の傷とかについては心配しないでください? まるで生まれたての小鹿の様になってしまったそんな先輩を……私がちゃんと慰めてさしあげます♡」


詰みを悟った瞬間だった。無力に成り果てた自分が、佐枝後輩に介護されるその光景に退廃的なドキドキを感じかけたりもしかけたものの、ネフェルピトー方式の恐怖はそれを遥かに上回る破壊力だった。アオノハコと油断していたら、実は俺が出演する羽目になる作品はコトリバコだったらしい。


朝方ならぬ夕方に誰よりも遅くまで残っている後輩の元を訪れた俺が、もれなくネフェルピトー方式で脳髄を弄り回されるコズミックホラーなお話。


目覚めた瞬間、俺のSAN値は一体どの程度残されているのだろうか? せめて精神分析で戻れる程度は残っていてくれる事を祈るばかり。観念した俺が目を閉じかけたその時だった……!


「そこまでだよぉぉぉ!!」


何者かが窓ガラスにぶつかって、窓ガラスに亀裂が入るも上手い事突き破れず、そのまま外に向かってすごい音を立ててグワッシャーンとひっくり返ったのは。


そういえば、アクション映画でガラス窓を蹴破るのは映画だから上手く行くのであって、実際にやったらエライ目に遭うとか、そんな話を聞いた覚えがあったようななかったような? 後輩はどこ吹く風で改めて窓を開けて、ひっくり返った何者かに「大丈夫ですかー? 救急車要りますかー?」とか声をかけている。


ぶつかった何者かは「ああ、問題ないよ! く、それにしてもガラス窓って此処まで硬くて予想外だったね!」とか返事をしており、後輩は後輩で「割れたガラスで動脈切っちゃうとかもあるので気を付けてくださいね」とか話をしていた。


あれ、君ら結構仲良しなのか? さっきまで自分か後輩が薄い本されてしまうのではと怯えていた時だったら、まさかの第三者登場に思わず股座がキュっと縮み上がってしまう所だったが。やがて後輩に促されて、室内に入ってきたのは……


「君は! クラスメイトの遠藤康太君! 遠藤君じゃないか!? ゆるキャンでキャンプに憧れつつ原付免許を取った上、転倒負傷防止装備にそこはかとない中二風味なデザインを選んでしまう……! ちなみに俺もその内原付取ろうかなとか思ってはいるが、まだなので、つまり今の君は……!」


「今の僕はっ! 君を助けに来た先輩ライダー(原付)に他ならない!」


遠藤君は良い感じで、変身ポーズをしっかり決め、拘束されている俺に近づいきて、俺と彼は拳を軽くぶつけあった。彼は文系なのだが、映画&オタク趣味が大変に合い話があった。実は中学からの付き合いであり、高校でも一緒に体育会に入ってもらいたかったのだが、彼はゆるキャンに心奪われたのだという。ならば、友としてそんな彼の行く道を応援してあげなければ。


さり気なく、穴あきグローブをしている所とかが違いの分かる男のあかし。そんな遠藤君に対し、佐枝後輩はまるで廊下で昼間会った時の様な朗らかさで話しかけた。


「それで……? 遠藤先輩。私と深山先輩はこれから2人だけの高みへ至るための大事な行為に入らなければならないのですが。私に「体の秘密を教えてほしい」と言った深山先輩にお説教噛ました良識派である貴方が……お約束のガラス窓ぶちやぶりに失敗してまで、私に何の御用なんですか……?」


遠藤君はバツが悪そうに、「ガラス窓は明日改めて先生に謝ったらいいのかなぁ?」とか呟き、後輩は「私も一緒に謝ってあげます」とかそんな彼を慰め、軽いトークをしている。そして、気を取り直した遠藤君は、佐枝後輩に指を突きつけた。


「それはこっちのセリフだよ! 夜も遅くに「しまりんもこんな気分だったに違いない」って原付バイクを飛ばしていた矢先、リヤカーを原付に固定しつつ、深山を放り込んで夜道を疾走する君とすれ違ったのを覚えてない!?


テッキリ交通事故か何かかと思って、大急ぎで追ってみればなんか行けども行けども追いつけず、何処行ったのかなーと思ってた矢先! たまたま灯が付いていた理科室を覗き込んだら君らの会話さ! こう、異世界に行かずともついに、異能力バトルとかに僕も参戦できるのかとか思ってワクワクしていたら、急に桃色会話になるやら、ネフェルピトーやら!


ウッカリ踏み込んで……その、こう、ごゆっくりな場面だったら気まずいし! 猟奇な事になったらそれはそれで寝覚めが悪いじゃないか! それでどうしようとか思っていた矢先、もうなるようになっちゃえと飛び込んだらさっきみたいになっちゃったというわけさ!


さあ、そういう事で佐枝後輩! 結構残念な同輩ではあるけれど友達には違いない! 人体改造は諦めて僕と一緒に先生に謝りに行こう! あと、いかがわしい行為は……が、学校を卒業してからが良いと思う! さもなくば! わんぱく相撲で結構いい線行った実績のある僕と君は戦う事になってしまうよ!」


そういって遠藤君は、穴あきグローブを嵌めなおしつつ、佐枝後輩に構えを取った。遠藤君……ロマンと配慮の間で板挟みになりつつ、最後に俺を選んでくれた君は「私の最高の友達」という称号を贈りたい! 君と友達で本当に良かった……! しかし、しかしだ遠藤君……!


「待て! 待つんだ遠藤君!? 佐枝後輩には……佐枝後輩には君の知らない隠された能力があるっ!」


「心配無用さ! きっと全ては良い方向へ転がるに違いない! さあどうするんだ佐枝後輩!」


その瞬間、本当に、心の底から恥じらったように遠藤君に佐枝後輩は上目遣いをしてみせた。髪の毛が唇に絡み……うぉ、これは......なそんな顔。


「遠藤先輩。貴方は……夜の学校で小さな……こんな未成熟な私に対しお相撲をしたいというんですね? 理性的な方だと思っていましたのに……私は一体何をぶつけられてしまうというのでしょう……?」


「Σ(゜Д゜;)」


遠藤君は良い人故に、一瞬弁解モードに入りかけてしまった。そしてその瞬間に後輩は目にも止まらぬ速さで遠藤君に華麗なタックルを嚙ましつつ、一瞬の間にマウントポジションを取ってしまったのだ……!


「遠藤君! 佐枝後輩は無駄にステゴロが強いぞ!? しかも尋常じゃないレベルだ!」


「それを先に! ちょwww!? 早い早い! 痛い痛い折れる折れ……あ、離してくれた? 再び腕がらみで投げられ……ぎゃぁぁぁぁ!??」


スカートで寝技だと……!? もう少しで中身が……あ、スパッツですかそうですか、もとい昔わんぱく相撲で1勝出来たレベルであり、昨今運動からキッチリ離れていたもやしっ子に彼女は止められるレベルではなさそうだった。しかもいつのまにか、出現したメカ後輩まで加わって、もはや遠藤君はウルトラマンレオ冒頭のマグマ星人戦のセブンみたいな有様になっている。


どうする……!? これは早く手を打たなければ、遠藤君が諸星司令みたいな杖状態にされてしまう……!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。