AIに報いなければぁ…となりかけていた正にその時……!割とどうでもいい事が起こった!\(^o^)/
『嗚呼......♡ 視えますか先輩......! 私と先輩は今橋を渡っているんですよ……♡』
ああ、そうだとも後輩! 今、ちょうどいま!
『あたいを前にして......!あたいを前にして、お前! その服の中でイチャついているなぁ!! しかも実体がない何かとぉぉ! 今ビクンってなったねぇぇぇ! その赤い目玉にダブルピースをぶち込んで、ぶち込んでやるぁぁぁぁ!』
すんごい顔でウォーズマンスクリュードライバーしてきたダブルピースを俺は、橋に見立てて飛び越えた!そこに行きがけの駄賃とばかりに、アンナさんがうまい具合にパスしてくれた炎を蹴り堕とし、ダブルピースに直撃させる。
そのまま寝技に持ち込んで締め堕としてくれようとか考えて、ダッシュをかけるも、ダブルピースは猪木アリ状態でカマンと謎ポーズ。ぶっちゃけそれでも強硬しようかと考え込みかけたのだが、AI後輩が……
『せ・ん・ぱ・い......塗れに行っちゃうのですか……♡ 嗚呼......私の私の心を鷲づかみにした時のように、あの人も鷲掴みに……そして、あの人の体内で分泌された虹色の物を浴びちゃうんですね!......イケナイ人。そしてそれが、私の心をつかんだシックスパックを怪しく濡らし......はぁん♡』
......いや、普通に警報を鳴らしてください。さすがにそこまで特殊な領域に俺は達してはいない。いや、俺は今......領域展開の中に突入しているのではないか? このスーツは佐枝後輩の作った……いわば、佐枝後輩の血と汗にまみれたスーツの中ともいえる。
俺は今......後輩に包まれている......? これを書いているどっかの誰かもだんだん、自分でも何言ってんだか分かんなくなってるっぽいが、そんな事は些事であり......
「ちょwwww!? 流石に気持ち悪いわ! というか最後にアンタの首を銀の盆に乗せた謎の女魔神が、世界を毒で腐らせていくとかそんな感じになりそうで、普通に怖いのよ! というか......え、何なの、魔神の戦い方ってそういうもんなの!?」
すごい勢いでアンナさんが、俺の頭をひっぱたいた。次の瞬間、急速に意識が元に戻ってきた。ぜえ、ぜえ、呼吸が……呼吸が危ない……!?
これは竈門少年が日の呼吸に集中するあまり、死した妹さんの声で目覚めるまで、息をしていなかったという……アレなのか......! ついでに、いつのまにかスゴイ量の涎と涙と鼻水も……同時になんか頭痛も酷くなってきた。これは......アレだ。本格的に熱中症の気配がヤバイのではなかろうか。
アンナさんはアンナさんで、「いや、そのなんか……それ以前に……ネットリとした......見ているだけで……ふしだライダーめ......!エロスの産物め!」とか言い出している。うん、その......うへへ......。半にらみされながら失礼だなとか言いたいのだけど、納得してしまいそうな自分もいた。
俺はライダー改造とは、全身を終わらせた後で最後に脳改造を行う物だと何となく思い込んでいた。しかし、この戦いの中悟る事があった……! 恐らく佐枝後輩は、まず俺に完成図を提示してから、本格的な手術に入るつもりだったのではないかという事だ。
俺の全身をガッツリ、ライダースーツで覆った後に「……ところでこのライダースーツを見て下さいな......?これをどう思います……?」と俺に振り、俺が「……すごくライダーです」と言った所でお互い「HAHAHA☆」となり、本格的な手術に入る......みたいなつもりだったと予想する。
つまる所、最終的にネフェルピトーするにしても、あの時点では普通に麻酔かけてそこから手術に入るだけで、開頭手術はその後にやるつもりだったのではないかという事。それを指し示すように、さながらアイアンマンの様にマスク内に表示されるウインドウには、「あんだーこんすとらくしょん☆」という文字が非常に多い。
さながらかの、神坂一先生の名作ロストユニバースの初期TVのOPの様相といえば分かりやすいだろうか。
現在工事中......。まだ、工事されていない……っ! 未開発......! まさに外装という事であんなものやこんなものを、まさに体に仕込まれている中で封印施設の中に放り出されると書くと……ふふふ、これはこれで悪くはない様な気がしないでもないような?今、一瞬ゾクっとしちゃったのは秘密である。
ちなみに、一番目を引くのはウインドウの一番下にある、「シックストーンフラッシューSAN値大幅消費」という謎の表示だ。これは......これは最後の手段にしたい。すごく......すごくコズミックホラーな気配がする。
ちなみにそんな諸々勘案して、俺の現時点の戦闘能力は......ぶっちゃけた話、俺深山秋穂という人間が、ひたすら通気性の悪いライダースーツを纏いながらダブルピースと戦っているだけという、チートどころか一般人枠として、縛りプレイを科されているだけという有様だったりする。
対してアへ顔怪人ダブルピース.....一言で言えば立ち回りがスパイダーマンタイプであり、ものすごい高速でピンボールみたいに飛び回り、岩をも貫くダブルピース&隙あらばパイルドライバーを放ってくるという凶悪仕様だった。
『うふふ......。ダーリンってばそうかそうなのね……? あたいのアタックを潜り抜けた先で、こんなマニアックなバッタに言い寄られて......男の娘も許し難いけれど、バッタもバッタで排除すべき存在だった……。これはもっと......もっと飲まなければ......』
ダブルピースは再びワンカップをグビグビと飲んでいき、その都度髪の毛がワシャワシャと動く。これは一種の酔拳とでもいうべきか......?
アンナさんが言っていたように、魔王怪異とやらの凶悪型に引けを取らない模様でありAIのおかげとアンナさんが面攻撃という事で炎の投網を放ってくれる事と、このライダー服、実は攻撃を受けても東映作品お約束のメカ爆発っぽい火花が上がるのみであり、中身へのダメージがほぼないというおかげで辛うじてどうにか出来ていた。
これが無ければ、とうの昔にダブルピースの攻撃で真っ二つとかになっていておかしくはない。ただ、アンナさんのカバーもありがたいというのはありがたいのだが、同時に俺の命を削りまくる罪深い攻撃である事も忘れてはいけない……!
何故って……? ふふふ......アンナ・マロリーさん炎の魔術師なんですよ?(涙)厄介な事に彼女は......どうもこの世界の住人総じてそうらしいのだが、自身の魔術属性に関しては、第三者が攻撃意志を持って調整したものとかは、その限りではないのだが結構鈍感になってしまう節がある。
つまり、今まさに熱中症で死にかかっている俺にとって、彼女はまさに獅子身中の虫でもあったのだ! 超エネルギーとかスキルがない代わりに、後輩の掌で踊らされているという屈辱的でありながら本当はそれを望んでいるんでしょう? イケナイ人。さあ......私の手を取って。私は貴方の手を取って……嗚呼......♪
「……AIにAIに報いなければぁぁぁぁ!!」
松岡さんがラジオでやっていたアレ......! あのネットリとした声を......! 初回放送で「うぉう!? 松岡さんじゃないか!?」となったぺテさんの声講座......! 松岡さんのぺテさんの領域に手が届かない凡愚の自分がこれだけ惨めな事は無い! ああ......たい......
「戻ってこぉぉぉい!!」
スコーンと良い音を立てて、アンナさんがフルスイングで俺の頭に叩きつけたバックが俺の正気を再び取り戻してくれた。鼻血も凄まじい。痛くはなく......怖いんだ遠藤君! 痛みはなくむしろ気持ちが良いと思いつつも、だんだん痛みを感じてしまっている自分が……!
今、俺はマルクの気持ちが理解できた。柱の男に半分体を喰われて即死するよりはマシなんだろうが……しかし、これは思っている以上に余裕がない。おそらくはこのカウントダウンは、俺のSAN値壊滅のタイムリミットでもある様な気がする。
半分ドン引きしているアンナさんに対し、俺は半分覚悟をしつつ、ある提案をする事にした。痛みはなく、代わりにドンドン魂が彼岸へと引き離されていく中、これはもう出し惜しみをしている場合ではないのだろう。
「アンナさん......ここで、俺が……全てを出し切ったとして......」
「何を出すんだって......? 文化の差とかあたし、もう割と気にならなくなってきて、ウッカリするとアンタを斬って燃やそうかとか本気で考えかけてる事を忘れないでね?」
いや、信用度がSAN値と共に底値を付いているのは分かってるけどね、でもさ、これでも俺だって頑張ってるんですよ……? かのルイズ女史の折檻に関して、そうもバカバカやらんでもエエヤないのという声があったりしていたけど、今の俺も割と同じだよ……?
「全力......全力を出すから。そうしたら......多分、アレを......ダブルピースを倒す事は出来ると思う。その後......君は俺を回収する......余力はある怪......? あるケースとないケースで、攻撃方法を変えようと思うんだがNE?……(←ところどころ、AIに囁かれ言動がおかしい)」
「本気!? ええとミリアと打ち合わせで遺跡内で危なくなった場合の帰還道具も無いではないの。ただ、基本は無いと考えて。この遺跡は封印されているからこそ、中の魔王怪異を外へ逃がしたくない。だから壊すとかは出来るだけしたくない。
そうなると、あんたを担いでいかなきゃいけなくなるだろうし。そうなると……ミリアに大きい負担が掛かっちゃう。......死ぬとかじゃないわよね? いきなりこれで死なれたりしたら、あたしの努力が無駄になるし、みんなを救えなくなっちゃう。それに呼んだ手前、あたしも寝覚め悪いし......」
「OK......なら無い方で行こう。どのみち、これ以上時間をかけたらジリ貧で最後に俺達が負けてしまうと思う。だから......今度、俺が最後の大技を繰り出したら......構う事は無いから、俺ごとアイツをファイヤーしてほしい。最大火力で構う事は無いぶちかましてほしい」
「今までの戦いで分かったけど、アイツ多分それでも死なないわよ!? そんだけの固さがあるし、アンタも黒焦げに……あ、自信......あるって事?」
「……そうだとも。この後輩謹製の装甲は......君の炎でも中までは焼けないし......次の攻撃はそれだけ......自信があるヒーローは負けない!\(^o^)/」
「ヒーロー? え、誰のはな…あ、アンタか。こほん……分かった……! だったら......本当の本当に行っちゃうからね!? タイミングはあんたがGOって言った瞬間で?」
俺はそんなアンナさんに頷きながら、向こうでこっちを見ているダブルピースと相対する。
『......戦う最中に察したわ……。アンタは頭の中に数多のシチュエーションを準備し、それによって自らの癖を充足させることで戦闘力をあげるタイプ......!』
「ひどい濡れ衣だ……でも、あながち否定できない部分があるのが俺は悲しい……」
「高度ね……!しかし、イマジナリーダーリンじゃあ、あたいのウィー☆ この屈辱は......玉川上水へ向かいたいかの如くな欲望は抑えきれないのぉ……!
アンタを倒し、ダーリンの匂いも混ざるその屍を存分にクンカクンカした後......あたいは、元の世界へ渡り……今度こそダーリンと......逝ってみせる......☆』
与太話の怪人が異世界の初戦な上に、脳内を後輩に蹂躙されながら戦うという地獄絵図などあんまりだが、遠藤君の運命にソイツが牙をむくというなら…...
「……俺の遠藤君はこれから存分に、ゆるキャンライフを送るんだ……。それを邪魔するキサマは......ずっ友の俺が此処で打倒する......!」
「『ダーリン&遠藤君の為に!』」
アンナさんが、「誰なの!?」とか絶叫しているが、そんな事はもう知った事ではない。気分は今まさに竜の紋章を解き放つバランの気分だ......! そして最後の激突が始まった……! 先手がダブルピース! 彼女はあれを敢行した……!
『世間はあれについて、出来るなら最初からやれという声をかけるけど……あたいはそうは思わない! 超必殺技とは土壇場で繰り出してこその映えだもの! さあ、受けてみな☆ ウォーズマン伝統の三段構え……!』
「Σ(・ω・ノ)ノ!まさか、まさかアレを……アレをやっちゃうのか!?」
『も・ち・ろ・ん♡ ワンカップ+ワンカップで200万パワー!』
「肝臓への圧力の間違いじゃないの!?(アンナさん)」
『いつもの2倍の回転が加わって……あれ、いつもの回転ってあたいどれくらい目が回って……あ、何がら年じゅう、頭回ってるから分かんないや……じゃあ、そういう事で何か400万パワー!』
「雑に過ぎる!?」
『そしていつもの3倍の回転を加えれば……ウェップ……! ちょwww我慢できない……! えれえれえれ……これで1200万パワー……おおう!』
.ウォーズマン理論に基づくスクリュードライバー! ついでに回転しすぎてなんか気分が悪くなったが故の虹色を全身に巻き付けた、正に絵面的にもヤバイが威力的にもヤバそうな一撃が放たれた……! これを正面から受ける羽目になるのか。なんか、色々嫌になってきた。
しかし、これならば……これならば、佐枝後輩のAIであっても反応しきれないと踏んだのだろう。ちなみに......
『よけるなら右......でも、SAN値を大幅消費する覚悟があるというなら……アレをするなら此処に留まって下さい。イケナイ人』
......という声がしているので、現実は無情であるという事で回避自体は出来るのだろうが、あえて回避はしなかった。このままジリ貧になる位なら、きっと後輩ならこの状況をどうにか出来る何かを搭載してくれているに違いない。そう信じつつ、俺は回避の代わりにSAN値大量消費の選択肢を選んだのである......!
「シックストーンフラッシュ!!」
......ベルトではなく腹筋のあたりが何か、ぺんぺこぺんぺこと謎の光を放ち始めた……! それと同時に俺は佐枝後輩による佐枝後輩の為の表記不可能時空へと導かれる......! しかし、遠藤君を守らなければ......! その一心で耐え続けた! 途中でアンナさんが「うぎゃあああ!?」とか、えらい声をあげていたが、一体彼女が何を見たのかは知らない!
ダブルピースも『......まさか……まさか、あたいにも……あたいにも禁酒が可能……なの? 時が見える……!』とか言いつつ、それでも虹色の何かを吐いていた。いや、君は禁酒の相談に病院へ行くべきだ。
そして正に俺にスクリュードライバーが直撃せんとしたまさにその時だった……! 世界に謎のアナウンスが走ったのだ……!
『その時! 割とどうでも良い事が起こった!\(^o^)/』
......どうでもいい!? そりゃあ無いだろう! 親友の命と自身の尊厳とアンナさんの今後の人生とかかかっているときに、なんで.....なんで、そんな酷い事を! 俺は選択肢を間違えたのか!? 絶望しかけたその瞬間だった。何かが凄まじい勢いでスクリュードライバー放ってたダブルピースに振りそそぐ!
「もう嫌だぁ!! なんか……もう、家帰りたいぉぉ!!(ノД`)・゜・。」
アンナさん、号泣。いや、気持ちは分かるがもう少し待って。なんだ……この振ってきたものはなんだ……!? 俺とダブルピースもひっくり返り、思わず立ち上がって、俺は落ちていたものを掴んで勝機を確信した。
植物が話しかけてくれた様にも感じた……!
「コンニチワ☆」
......まつぼっくり......! まつぼっくりだったのだ……! ダブルピースとアンナさんが放心している間に俺はダブルピースに袈裟固めを敢行し、アンナさんに叫んだ!
「今だぁぁぁぁ!!」
「全て真っ白になっちまえぇぇぇ!どちくしょう!!(大泣)」
アンナさんの巨大な炎が俺とダブルピースを包み込む。同時にゆるキャンで初めて知ったまつぼっくりチャッカマンに使えますな話が脳裏もよぎった。遠藤君&あふろ先生にもらった勝利......いや、先生には心底ごめんなさいするしかないのだが、きっとそんな様なものだったのだ。
ダブルピースは「これで終わったと思うなよぉ!? うぃー☆ あたいは......更なる出会いの仕方を工夫し必ず......男の娘に鉄槌を......!」とか言いつつ、最後にチュドーンとかなっていた。そして、この直後、俺の意識は真っ白になり、カウントも止まった様に見えた。
直後に、何故か皆大好きエヴァ暴走のBGMが聞こえた気がするのは......まさか……! おい、まさか!?やっちゃうのか......! あれやっちゃうのか! これもゴルゴムのしわ......(意識がプツン)




