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轟き照らすは金の龍  作者: 火蛍
リバース・アルケミスト
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カグヤの反撃

 カグヤの配信から数日後。

 エレメントキメラ率いるカルト集団はすっかり活動規模を縮小してしまった。

 集団による蛮行がしっかりと配信アーカイブに残ってしまったため、民衆が危険な集団と認識して後ろ指を指すようになったためである。

 元締めがキメラであるとはいえ構成員は普通の人間、外野からの圧力や世間体には敵わなかった。


 カグヤはとても気分がよかった。

 理不尽に自分を虐げてきたカルト集団がさらなる理不尽に晒されて萎縮する様を眺めるのが非常に痛快であった。


 その日、カグヤのスマホに着信が入った。

 相手はハルヒであった。


 「もしもし。 どしたの?」


 『お姉ちゃんが心配だから電話しちゃった。 大丈夫なの?』


 「まぁなんとかねー。 相変わらず外には出られないけど、配信の収入があるからお金はまだあるし、買い物とかはアルムとアルジェが交互にやってくれてるから生活はどうにかなってるよ」


 カグヤは電話越しでハルヒに現況を報告した。

 姉の声を聞いたことでハルヒは安堵する。


 「そっちはどうなのよ。 何かと変なこととか起きてない?」


 『大丈夫だよ。 お姉ちゃんのおかげでうちの近くに出てたうるさいのがいなくなってめっちゃ勉強捗ってる』


 ハルヒは不審な出来事はないことを報告した上でカグヤに感謝を伝えた。

 妹に魔の手が及んでいないことを知ったカグヤの胸に熱い感情が込み上げてきた。


 「ありがとね。 ハルヒの声かけて安心したわ」


 『お姉ちゃんが元気そうでこっちも一安心って感じ。 落ち着いたらまた遊びにいくね』


 「うんうん。 またおいでよ。 じゃあねー」


 カグヤは短いやり取りを経て通話を切った。

 しばらくアルムとアルジェの声しか聞いていなかったことによる寂しさが緩和され、カグヤの中に希望の火が灯る。


 エレメントキメラは現状に苛立ちを募らせていた。

 利用するつもりだったはずの人間たちがこうもあっさりと弱体化させられるとは想定外だったのである。


 「ホークキメラ!」


 エレメントキメラはホークキメラを呼び出した。

 その呼び声ひとつでホークキメラはすぐにエレメントキメラの前に姿を現す。


 「マスター、ご用件は」


 ホークキメラはエレメントキメラをマスターと呼称した。

 彼はエレメントキメラによって生み出されたキメラだったのである。


 「人間どもを始末しろ。 怖気付くような腑抜けどもを一人残らずな」


 「人間は金龍から我々を守る盾となります。 故に安易にそれを捨てるようなことは……」


 ホークキメラはエレメントキメラの命令に対して考え直すことを提言した。

 ホークキメラは人間の中に逃げ込むことで金龍が攻撃を止めたのを身を持って理解しており、自分たちを守る盾として機能することを知っている。

 提言を受けたエレメントキメラはため息をついて冷静になる。


 「ではカナメ・カグヤを抹殺せよ。あの女は我々にとって最大の脅威だ」


 エレメントキメラは標的をカグヤ一人に絞った。

 金龍と銀龍、二体のキメラを従える上に配信によって民衆を動かせるだけの力も持っている。

 そんな彼女を放置するのはエレメントキメラにとっては非常に危険であった。


 「あの女はすぐには殺さず見せしめにせよ。 民衆を恐怖で黙らせるのだ」


 エレメントキメラはカグヤに対する処遇をホークキメラに指示した。

 彼は自分たちに反抗する人間に対して恐怖による支配を選択したのである。


 「御意」


 エレメントキメラからの命令を受けたホークキメラはカグヤ抹殺のために行動を開始するのであった。

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