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轟き照らすは金の龍  作者: 火蛍
銀龍
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ミツバチ騒乱

 アルムたちがハチミツを回収して持ち帰ってきた翌日の早朝、カグヤは布団の上で目を覚ました。

 酩酊状態が解けてようやく正気に戻ったのである。

 カグヤは朧気ながら昨日の記憶を取り戻した。


 「あー、昨日の夕方には不動産屋行くつもりだったのにな……」

 

 事故とはいえ昨日の予定が台無しになってしまったことをぼやきながらカグヤは空腹を満たすべく冷蔵庫の方へと足を進めた。

 そこでカグヤはある異変に気がついた。

 部屋の中が妙に蒸し暑いのである。

 換気のために窓を開けようとカグヤが窓に接近したその時であった。


 「うわあああああああ!!」


 カグヤは窓越しに映ったものを見て絶叫した。

 窓には巨大なミツバチが隙間なくびっしりとこびりついていたのである。

 部屋が蒸し暑いのはミツバチが周囲を密閉していたからであった。

 カグヤの絶叫を耳にしてアルムとアルジェが飛び起きてきた。


 「なにこれ!?」

 

 アルムも窓にこびりついたミツバチの群れに驚いた。

 アルジェは冷静に様子を観測し、カグヤはこの空間の蒸し暑さにやられかけていることに気づくと微弱な冷気を放出した。


 「ありがとアルジェ」

 「アイツらを排除しなければ」

 「それならボクに任せて」


 アルムは窓をわずかに開けるとミツバチの群れに腕を突っ込んで放電した。

 電気はミツバチの群れに一瞬で伝播し、感電を起こして焼け落ちる。 

 ものの数秒で群れは全滅して外の景色が蘇った。


 「はぁービックリした……」


 カグヤが安堵したのと束の間、すぐに次のミツバチの群れがやってきた。

 アルムは放電で駆逐するが絶え間なく次のミツバチが飛んでくる。

 これではキリがなかった。

 

 「ボクちょっと行ってくる!アルジェはカグヤをお願い!」


 アルムはアルジェにカグヤの護衛を任せると窓を全開にし、その身を外へと投げ出した。

 ドラゴンの姿に変化し、放電でミツバチを駆逐しながら群れが飛来してくる方角へと飛び立った。


 アルムは巨大ミツバチを根絶すべくその巣へと向かう途中、ミツバチがアルムの身体にまとわりついてきた。

 アルムはそれを意に介することなく飛翔し、ついでのように放電で焼き払う。

 ミツバチ自体にキメラの反応は見受けられないものの、その裏についにキメラの気配を感じ取った。

 アルムはその気配を探り、とある山の中に入った。


 『見つけた!』


 アルムはミツバチが出入りする洞穴を見つけた。

 周囲を警戒するミツバチを容易く殲滅し、巣穴を豪快にぶち破るとその奥へと突入をかけた。


 アルムが巣の奥へと進むと、そこには一体のキメラの姿があった。

 橙と黒の警告色を持つ、ミツバチをそのまま人型にしたようなキメラであった。


 アルムは有無を言わさずミツバチのキメラ=クイーンビーキメラに先制攻撃を仕掛けた。

 クイーンビーキメラはミツバチをけしかけて応戦するがアルムにはまるで通用しない。

 放電によって巣の中のミツバチを全滅させたアルムはクイーンビーキメラに組みついてマウントを取ると最大出力の放電をかけた。

 クイーンビーキメラは一切の抵抗もできないまま感電して生き絶えることとなった。

 

 あまりにも呆気ないその最後にアルムは少しの間余韻で呆然とするのであった。

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