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轟き照らすは金の龍  作者: 火蛍
アルケミック・アライバル
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バーンアウト・アルム

 昼前ごろのことであった。

 カグヤがリビングでソファに寝転がりながらスマホをいじってくつろいでいるとアルムとアルジェが玄関から帰ってきた。


 「ただいま」


 「おかえりー。 昨夜からどこ行ってたのさ」


 「アルムの発散に付き合ってた。 あとキメラを仕留めてきた」


 カグヤが動向を尋ねるとアルジェがここまでの行動を明かした。

 その一方でアルムの様子を見たカグヤは思わず引き攣った笑みを浮かべた。

 アルムは力なくだらりとした状態でアルジェの肩に担がれていたのである。


 「アルムさん。 それはどういう状態で?」


 「力使いすぎちゃったみたいー……」


 アルムは自身の状態をカグヤに説明した。

 半日以上覚醒しっぱなし、放電しっぱなしにさせられたことで自覚以上に体力を消耗させられており、その結果が身体を動かせなくなるほどの脱力感であった。

 顔すら上がらない様子はアルムの言葉に説得力を与えた。


 「アルムにも力の使いすぎとかあるんだ」


 「うぅー……」


 アルムは項垂れたまま言葉にならない声で返事をした。

 カグヤはソファから離席し、アルムに場所を譲って横たわらせる。

 

 「アルジェ、もうちょいそっちに寄せて。 はい、充電するから尻尾出してー」


 カグヤはアルジェに位置取りをさせつつアルムに尻尾を出させるとアルジェの手を介してそれをコンセントに接続させた。

 充電を始めたアルムはそのまま瞼を閉じ、いびきをかいて眠り始めた。


 「アルムにも限界ってあるんだね」


 「私たちキメラも生物だから限界はある。 ただそのラインが他の生物とは違いすぎるだけ」


 いびきをかきながら眠りこけるアルムを見ながらカグヤは呟いた。

 これまで底抜けのエネルギーで動き回っていたアルムにも限界が存在したという事実はカグヤに少なからずショックを与えた。


 「私も寝る。 外は寝心地が悪い」


 「うん。 ゆっくりおやすみー」


 アルジェはそういうと自室へと戻っていった。

 彼女は今回二体のキメラを同時に屠っているため、それに伴う肉体的疲労は普段以上のものであった。


 (今日の配信はお休みにしといた方がいいなー)


 カグヤは今日の配信の予定について考えた。

 アルムは極度の疲弊状態にあり、アルジェも消耗している。

 とても配信ができるような状態ではなかった。


 (あ、そうだ)


 何かを思いついたカグヤはスマホのカメラを起動するとそれをアルムの方へと向けた。


 『今日はアルムとアルジェがお疲れみたいだから配信はお休みしてまた後日にやらせてもらうよ。 楽しみにしてたみんなにはごめんね。 代わりに二人の寝顔をどうぞ』


 カグヤはSNSで配信を休むことを告知してリスナーたちにお詫びを入れると、アルムとアルジェがそれぞれ寝息を立てている様子を収めた十数秒程度の動画を二本アップロードした。

 

 『人外でも疲れることってあるんだ』


 『ゆっくり休んで!』


 配信がなくなってもリスナーたちに何か楽しみを与えようとするカグヤの誠意に絆され、リスナーたちは温かい反応でそれを受け入れた。

 これまでにないアルムとアルジェの生活的な一面を見せたことでカグヤの投稿はバズりを見せたのであった。

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