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十社会十パラドックス  作者: 遠藤千和
第1章 ー入学編ー
18/22

第18話 「繋がる心」

前回初登場の人物・前回情報を公開された人物 (説明)

なし

「あなたの側で、一生大切にします…!」


「そう、だよねやっぱり、私なんかじゃ…?って、えっ…?(な、なんで?私、こんなことをしたのに、、、。振られるとばかり…。)」


「俺はどうしても、亜夜芽さんがどうなったか知りたかったんです。それがわかった今、もう付き合わない理由なんてありません。俺はあなたがどう答えようと、今の亜夜芽さんが大好きで、亜夜芽さんを手に入れたかったんです。それ以外に、理由が入りますか?」


「ううん…。諏訪異くん、本当に、ありがとう。」


「俺は何もしてないですよ。凪紗に、助けられたんです。最高の親友がいたからこそ、あなたを守れました。」


「そう、だね…。(豊龍くんは、諏訪異くんがこうなることは、分かってたのかもしれないね…。彼には、いつまでも上を取られているような気がする。)」


「その、吉田英俊のことについてですけど…。おそらく、彼は裁判にかけられて、未成年でも殺人未遂ですから、少しは重い処罰を受けることになると思います。でも、俺はそれを望みません。彼はきっと、友達を持てなかっただけで、俺と生きている世界が同じな気がするので…!」


「うん…。ありがとう。」


「というか、まだわからないこと、だらけですね。吉田英俊がどういうふうに九条櫂と繋がって、こんなにまで至ったかわからないですし。でも、一先ずは、終えられたんです。無事に。」


「私も、後遺症はなく、済んでいるといいんだけど…。」


「大丈夫ですよ、今度は俺が手伝えますから!本当に、亜夜芽さんと、出会えて良かったです!」


「うん、ありがとう。」


「大好きですよ、亜夜芽さん!」


「私もだよ〜!」


ーーー病室の外ーーー


「おい、暗限……。そろそろ亜夜芽さんのが目覚まさないかなって、来たけど……。」


「諏訪異黎人いるから気まずい。」


「しかも、今めっちゃ感動的な場面だよな。僕も話したいことあるのに、邪魔できないぞ、これ……。」


「また今度、出直すしかないよ…。」


「しかも、キスを……!?親友のこういう場面、見てしまったら会話しづらくなるんだが……。」


「結構、そういうのやっちゃうタイプなんだね…、諏訪異黎人…。(でも、こういうのも、生きてるからできる。本当に、生きていて良かった。こんな青春は学生時代しか味わえないものだしね…。……。)」


「僕らは、帰るか……。(正直次会うとき、)」


「さんせー……。」


ーーー病室ーーー


「ん?なんか外から音がしたような〜?」


「気のせいじゃないですか?疲れてますもんね!」


「そうかな〜〜。」


「あ、亜夜芽さん、きっと、取り調べがありますよね。警察の方呼んできます。」


「ありがとう。取り調べ終えたら、私たちの時間、楽しもうね〜。」


「はい!」


 そうして、2人の願いは1つの恋として実ることになった。亜夜芽さんはその後、警察から事情聴取を受けて、完全に犯人と断定された吉田英俊はもう逃れることはできなかった、はずだった。黎人と亜夜芽さんの警察への訴えで、現状は罪が軽くなる見込みとなった。裁判が行われるまではわからないが、いずれは罪が軽くなった結果を見ることはできるだろう。2人は、これから繋がった状態で過ごしていくことになる。今回の事件は未成年者の恋愛問題から起こった事件だった。未成年者は自分の経験が少ないことや、後先を考える力にかけているため、他人の恋愛を面白おかしくしようとする言動をする。それによって、未成年者の心は揺さぶられ、精神的な負荷を与えられる。人として未熟な状態にある以上、単純に受け入れられるわけもない。また、1度犯してしまったらもう2度と取り返しはつかない。だから過去から学んで次の糧とする他ない。糧にすらならない人が多ければ多いほど、悲惨な運命を辿る人は増えてしまう。でも、それとは真反対に、過去の経験から、目標に対して直向きに、変わらない意志を持つことがいつか一筋の突破口になり得て、実現に繋げることができると、学ばされた。1度失いかけたからこそ価値のあるもので、大切にしなければないと自覚できる。社会はこう成り立っていると、まさに理解できた出来事であった。ただこれは、序章にすぎず、先が見えない話の片鱗にすぎなかった。しして、これから更なる、試練が彼らを待ち受けていた。


ーーー2日後ーーー


「なんやかんやで、色々終わったみたいだな。暗限?」


「だね。でも私は正直、そんな簡単に吉田英俊を許せないよ。あの2人が許したとしても。」


「そうかもしれないけどな。最終的な結果を、あの2人が望んだ通りになりそうでよかったと僕は思ってるぞ。」


「そうかな。吉田英俊みたいな身勝手な人物が、「子作り事件」を起こしたんじゃないの?」


「あ……。……。(忘れていた、あの2人の優しさに隠されていただけで、危険をもたらした人物じゃないか…。)」


「今回、諏訪異黎人たちの訴えで、きっと吉田英俊の処罰は軽くなるとだろうけど、そういう人間は、後継者を残して、必ず同じことをしようとするって。豊龍凪紗がそう言ったんでしょ。」


「……。そうだな、僕はちょっと、目が曇っていたかもしれない。まったくと言って、許していい人間ではないんだ…。暗限の言う通りだ…。」


「諏訪異黎人たちの優しさが悪いとは言わないけど、私はその考えは変えられない。吉基みたいな人物を次は絶対生まないように、そして吉田英俊みたいな人物の行動を防ぐために、必ず常に考えていた方がいい。」


「そうだよな…。気を引き締め直さなくちゃな。色々出来事が続いて起きたからな、止まり気味になっていたが、学園統一を進めるぞ。そして、たくさんいる人物の中から刹那さんと一緒に元凶の後継者のヒントを探していくか。」


「それが私たちの今するべきことだよ。前よりは確実に前進できたし、ただでさえ亜夜芽氏と刹那氏の情報は握れてる。いずれ突破口は開くはずだよ。」


「できることから、潰すか。」


「私もそれがいいと思う。そう、現状確認も、今しておこうよ。」


「わかった。というか、今更だが、なんで日曜日に学園にきてるんだ僕らは。」


「私の気分だよ、何かとすることもないわけだし。」


「まあ、誰もいないからいいが…。」


「ここだったら誰にも聞かれないで話をできるし。」


「まあいい、現状確認だ。よく考えたら、色々仲間も増えたし、整理しないと抜けているところもあるかもしれないな。」


「まず、私たちが情報を話している人たちの確認をしよう。私が知っている範囲だったら、私、豊龍凪紗、諏訪異黎人、河実眼論、亜夜芽月花、刹那奏菜、白光琥珀の7人だよ。他にも誰か話した人はいるの?」


「僕が単体で言った人は、河実の姉の、河実柚だ。彼女はこの学園の生徒で、不登園だが氏制度についての事情は色々知っていた。河実に協力を仰ぐときに必要だったからな、話さなければならなかった。」


「これで、8人だね。この中には、元凶に血縁者はいないものと仮定するけど、まだこれしか候補から外れている人はいない。」


「かなり、まだ先は長いな…。」


「きっと、元凶の後継者は、巧妙に姿を隠している人物だよ。一見周りから見たら普通の人物だろうけど、この学園の大勢の人混みの中に紛れてる。そんな簡単にわからないけど、相手は人。必ずその化けの皮を剥ぐことはできる。直向きに努力すれば結果もついてくるはずだから、それまで頑張らなくちゃだよ。」


「そうだな…。」


「ていうかさ、ずっとちゃんと聞きたかったことがあるんだよ。」


「なんだ?」


「豊龍凪紗が、そこまで学園統一を求める理由だよ。」


「学園統一を求める、理由っか。」


「亜夜芽月花みたいに、過去が関係しているんじゃないかって私は思ってる。」


「なんで、だろうな。過去……?僕には…わからないな。殺しが学園の過去にあった聞いたとき、不思議とそれは嫌だと体が動いた。」


「なんなんだろう、ね?」


「何があったかなんて、僕はわからない。、、、頭痛が、してきた…。」


「ごめんごめん、最近なってなかったのに。大丈夫?」


「大丈夫、だ…。うっ…。苦しい、、。」


「本当に大丈夫?」


「大丈夫、だ、から、心配するな…。」


「わかった、わかったから…。(豊龍凪紗の、頭痛の条件は、もしかして、「過去」に触れること?何かあったのか無理にでも聞き出すものじゃないし、豊龍凪紗には苦しんでほしくはない。「過去」に触れるはもうやめよう…。)」


「(自分でも、なんでこんなに辛くなるのか、わからない…。僕の脳は何かに過敏になっているのか?思えば、黎人が安全に帰ってきた時も、頭痛はなかったが寒気がした。安心したことがいけなかったのか、心配したことがいけなかったのか、あるいは、自分の知らぬところでトラウマを思い出しているのか。こんな頭痛を起こせばまた周りに迷惑をかけることになる…。頭痛の原因の可能性があることには、今後あんまり触れないようにしよう…。)」


「だい、じょう、ぶ…?」


「少し、よくなった…。」


「よかった…。話、戻しても大丈夫そう?」


「ああ…。大丈夫だ…。」


「でも、さっきの話はもう、大丈夫だから。」


「あ、ありがとな…。」


「学園統一に必要な情報は、さっき言った通り、亜夜芽氏と刹那氏の現在いる人の名前と学年組が揃ってるから、亜夜芽と刹那氏は進められそう。」


「導氏については、まだ何も情報なしだ。」


「子作り事件、吉基の残す後継者の繋がりをどこからか調べなきゃいけない。多分だけど、当時の周りの人の証言とか、実際に吉基が残した言葉がないかとか、探す必要があると思う。」


「そうなるよな、全員の名前がわかったところで、関係を持てたところで裏の姿まで掴むことはできない。」


「どういうふうに統一していくのがいいんだろうね。」


「一歩ずついくのが間違いない。1つずつ潰すんだ。」


「導氏について関わる機会も、今は欲しいね。」


「あ、そうだ。思い出したことがある。」


「前の行事、企業研修のあとは忙しいことだらけで、あまりゆっくりできなかったが。次の行事はきっと、まともに他の氏と関われるんじゃないか?」


「次の行事?」


「そうだ、次の行事は、「学び育つ合宿」だ。」


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