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十社会十パラドックス  作者: 遠藤千和
第1章 ー入学編ー
15/22

第15話 「大きな過ち」

前回初登場の人物・前回情報を公開された人物 (説明)

なし

ーーー3日後・加羅琉学園ーーー


「黎人、大丈夫なのか?」


「流石に、3日連続休みっていうのは心配になるよね。」


「だってもう刹那さんと話してから3日経って、情報を受け取りに行く日だぞ。」


「連絡はつくが体調が良くないの一点張りだしな。実際会ってない以上それを疑うのは変な話だが、こんな休むことなんてないからな。」


「あんな人でもこんな体調崩すんだっていうふうに思ってる。」


「黎人のことを知ってそうな人…。あ、亜夜芽さんに聞いてみるか。」


「亜夜芽月花って黎人とよく関わってるの?」


「黎人は亜夜芽さんとよく話してるらしいからな、前自分で言ってたんだ。もしかしたら何か知っているかもしれない。」


「流石に、心配しすぎかもだけど、聞いてみようよ。」


「あ、せっかくだし放課後一緒に帰ってもらって話すことにするか。」


「放課後刹那氏長の教室にも行ってもらわないといけないから、その時に声かければいいよね。」


「ああ、そうだな。」


「またたくさんの情報処理が待っているわけだから憂鬱だよ。」


「めんどくさいし時間もかかるだろうが、何かヒントが見つけれられるかもしれないからな、しょうがなく頑張ってくれ。ところで、刹那さんって頭いいんだろうか。」


「氏長だから最低限の頭脳は必要そうだし、亜夜芽月花も頭いいから、良さそうな気がするけど。」


「僕たちが今やっていることはこの膨大な内容の中からヒントを見つけることだが、僕ら視点ではあまりにも偏った部分をみることになる可能性もある。何が言いたいかっていうのは、つまり他の視点を持つ人からも考えてもらった方がわかることもあるんじゃないかってことだ。」


「私たちは少なくとも刹那氏長よりも長い間探してるから、偏った視点を持ってるかもってことね。」


「無限に時間があるわけじゃないが、時間をかけてでも進展させるためにはそういうこともいずれ必要になるかもしれないだろ。」


「ある程度の頭脳はないと考えも返って偏る可能性もあるよ。でも、頭脳が全てってわけじゃないか。ま、とりあえず刹那氏長は協力してくれるって言ってくれたし、一緒に考えることはあってもいいね。」


「そうだよな。」


「てか、どんな風にやっても豊龍凪紗次第だから。元はと言えば、豊龍凪紗が始めたことだし私はそれに従うことしかしないよ。まあ、人形ってわけじゃないから、そんな好き勝手に使ってもらったら困っちゃうんだけどね。」


「それはわかってる。僕が始めたこと、しかもそれを関係に色々な人にまで考えを話している以上途中で辞めるなんてことはできないしな。」


「うん、それが正しいと思うよ。」


「あ、ってか、今日数学あるじゃないか……。最近少し離れられてたんだけどな…。」


「いや、急にテンション落ちるじゃん。きつくてもちゃんと時間が過ぎれば2度とは同じ時間はこないんだから頑張って。」


「はあー…。頑張るか…。」


ーーー放課後ーーー


「やっと、やっとこの憎き日が終わった…。」


「いや、ただ数学あるだけじゃん。」


「終わったことはいいんだ、まず刹那氏長の場所によらないとな。」


「いや、切り替え早。」


「まず、あの遠い教室まで行かなきゃいけないからな、行くぞ。」


「3年ってすごいよね。慣れれば近いかもだけど普通の人からしたら遠いよ。」


「わざわざこんな移動があるのもなんでなんだかな。どうしても人が多いからなのか?」


「確かに人多いよね。長くて大きくしないと混雑して大変だからじゃないの。」


「人通りを少なくできるっていうのが利点だな。でも人を見つけるのも一苦労だぞ。」


「それはしょうがない。」


「だな。あ、やっと着いたぞ。」


「刹那氏長いる?」


「あ、忘れないで来てくれたんですね。ちゃんと準備して待ってましたよ。」


「ありがとうございます。やっぱり人数多かったんですか?」


「全員が全員面談をしたわけじゃないですけど、この学園自体の人数が多いですからね。全員の名前はわかりませんでした。私が氏長になる前の刹那氏の人もいたので。」


「そうなんですか。(……。そうか、3つの氏があることは知ってるが、それがどういう経緯でこの名前になって、前任者は誰だったのかまでは全然わからない。なんならいつから氏長に就任したのかも。そう考えたら氏制度についても全然知らないところだらけだった。これらも知らなければならない情報だが、これは亜夜芽さんから聞いた方が早そうだな。)」


「えっ、ていうかそれが情報が書かれた紙?」


「そうです。見てわかりますよね。」


「、、、。多すぎない?」


「これが、か、かなり骨が折れそうだ。」


「冊子にしてありますけど、30ページくらいに渡って書いてあります。」


「あ、焦らなくても、少しずつやればいいんだ。暗限が本気出せば3日くらいで終わるだろ。」


「流石に私でもこの量は時間かかるよ…。が、頑張るよ。」


「私も少し目を通そうと思ったんですけど、流石に印刷するだけで疲れたので。」


「あ、刹那氏長。今じゃなくて、今度でいいんだけど、私と豊龍凪紗と一緒に亜夜芽氏と刹那氏の名簿見て怪しい人物がいないか考えてほしいんだ。」


「それくらいなら、大丈夫ですよ。」


「ありがとう。それじゃ私たちは亜夜芽月花のところにも行かないといけないから。」


「それじゃあありがとうございました、刹那さん。また今度お願いします。」


「教室移動するのはそんな大変じゃないし、早く行こう。」


「亜夜芽さんちゃんといるといいけどな、連絡何もしてないし。」


「いるってことを願うしかないな。」


「よし3年B組、ついたね。」


「亜夜芽さん、いますか、っていない…。」


「これじゃ探すの大変だよ。もう帰った可能性もあるし、どうしよう。」


「しょうがないか、帰ってから連絡して聞いてみるしか…。あ、こっから見えるの、亜夜芽さんじゃないか?」


「あ、亜夜芽月花玄関の近くにいるね。早くいけば間に合うかも。」


「また、走らなきゃいけないじゃないか……。」


「ふうーーー。やっと、着いた。」


「亜夜芽さん!」


「あ、豊龍くん〜…。久しぶりだね。」


「聞きたいことがあるんですけど…。」


「あ、れ今日諏訪異くんいない、の…?」


「そうですよ。黎人について聞きたいことがあって亜夜芽さんのこと探してたんですよ。3日も欠席してるんで、亜夜芽さんに1回くらい連絡してないのかなって。」


「え、諏訪異くん、3日も欠席してるの、…。」


「何か知ってるんだ。その感じだと諏訪異黎人と1回は話したの?」


「……。暗限さんには、話すつもりはないよ…。」


「だったら、豊龍凪紗には話して。私は別に知らなくてもいいから。豊龍凪紗は、諏訪異黎人のこと1番心配してるんだよ。」


「(やっぱ、何かあったのか…。黎人のことを大切にしてくれてる唯一の先輩だからな、僕は強く口出ししたくないな。)」


「そうだね…。」


「豊龍凪紗は正真正銘1番大切にしてる。何かあったんだったら、豊龍凪紗が寄り添ってあげるんだよ。私は帰るから、頑張って。」


「ありがとう、暗限。」


「……。」


「それじゃあ、話してもらいますよ、亜夜芽さん。」


「帰りながらでいいかな…。」


「いいですよ。」


「私は、言っちゃったんだよ…。もう好きにならないでって…………。」


「亜夜芽さん…。でもそれは、2人の男女間なら、あることじゃないでs」


「私も好きだったんだよ…!なのに…!」


「亜夜芽さんも、好き、だったんですか?(暗限には、あんな風に流したし、黎人が亜夜芽さんのことが好きだと、いうつもりはなかった。だけど、亜夜芽さんも好きだったのは知らない…。黎人の様子を見ても一方的、憧れだとしか考えられなかったのに、もうそこまで言っていたのか…。)」


「私は自分が最低だってわかってる…。諏訪異くんを傷つけてしまうってことも………。でも私には、これしかできなかった…。」


「なんで、振ったんです…か……?」


「私は、亜夜芽氏長で…、最高責任者……。最高責任者っていうのは、大切なものがあれば脆くなる…。諏訪異くんを被害に巻き込みたくはないの…。彼は本当に、優しくて、いい人だから………。」


「(……。な、なんで、なんでだよ!ふざけんな…。)」


 パチン!


「痛いっ…。」


「ふざけないでくださいよ!そんなのあんまりですよ…。確かにあなたは亜夜芽氏長で最高責任者です。でも、最高責任者という役職の重さに飲まれているんじゃないですか?僕はあなたがどんな経験や考えからその行動に出たかはわかりません。ですが、最高責任者でも大切なものの1つくらいあってもしょうがないじゃないですか。そして、責任者だからって大切なものを手放すような行動をするべきじゃないです。誰だって、人間なんです。自分の感情を持っていて、大事に思う気持ちはあります。被害に巻き込みたくないなら、あなたが自分で守る道を作ればいいじゃないですか。黎人は元気な奴で、自分のことより周りのことを考えてます。だから何があっても彼は気にせずにあなたのそばに居続けてくれるって、あなただったらわかるんじゃないんですか!あなたの考えは浅はかすぎますよ…。責任者の重圧故に見失うものがあってうまく行くわけないじゃないですか………。それこそ、いつか狙われる対象になって、崩壊することにつながるかもしれないじゃないですか……。」


「…………………。うあぁぁん…。ごめんなさい…、ごめんなさい…。」


「僕も、勝手に手まで出して…………。本当にごめんんさい……。」


「んーん、大丈夫………。豊龍くんの言ってることは、わかります……。ぐすっ。でも、私にだってこうすることになった経緯があるの……。」


「やっぱり、そうなんですね…。」


「長くは話さないけど……、私は中学校時代、付き合ってた人がいた…。彼の名前はYくんと言うけど…。私が彼と付き合ってからというもの、生徒会長としてしなければならない仕事とか諸々、中途半端な行動を続けてたから、学校中から誹謗中傷を浴びてたの…。悪いのは絶対に私だったから、周りに彼を誹謗中傷しないように注意を促したんだ…。でも、落ち着くことなく、彼はいつしか私から離れて、そのまま転校した…。その先どうなったかはわからないけど…。鬱病になって苦しんだってことと、優しかった性格が真反対になってしまったこと、この2つは噂で聞いたことがある……。」


「そう、だったんですか……。そりゃあ、そんな風に思ってしまいますよね……。何も考えずに…、ごめんなさい…。」


「いいんだよ……。」


「やっぱり、どんな人にも、過去からの経験を引き継ごうとするもの、ですね……。」


「……。ごめん、私、諏訪異くんのところに行ってくるよ…。ちゃんと話をつけて、終わらせないと……。」


「良かったです。亜夜芽さんなら、そうしてくれるって、信じてましたから…。」


「(諏訪異くん…!本当にごめん、今すぐ着くから……。絶対に話しきってこんな結末をなくすんだ……。私はもう振り返らない…。ありがとう、豊龍くん…。あなたのおかげで、向き合えそうな気がするんだ…!)」


「はっはっは。」


 グサっ。


「えっ?」


「残念だったな?」


ーーー→ continue to next story


 


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