第10話 「事件の傷」
前回初登場の人物・前回情報を公開された人物 (説明)
豊龍 ??? (女、豊龍凪紗の母)
「私たちは思い違いをしてたのかも知れない。血縁者だってことに決まりはない。豊龍凪紗の考えだとクズなんだから血縁者を残さないわけないって言ってたけど、血縁者じゃなくて、ただの後継者、つまり血が繋がっていない人間の可能性もある。(もしそうだとしたら、「吉基」という苗字から後継者を探すのは難しくなる。私が知る限り、最近この学園で事件は起きていないけど、いつその吉基の後継者が動き出すか、わからない。学園を統一すればきっと、違う考えを持つ人を見つけられる。今回、豊龍凪紗は襲われて怪我もせずに済んだかもしれない。でもその後継者はそれ以上のことをしでかすかもしれない。子どもを作って逃亡、自殺したことを考えると、確実に九条櫂レベル、もしくはそれ以上の人物を育てた可能性もある。本当に大丈夫かなー。学園統一するのだけでも大変なのにさー。)」
ーーー翌日・豊龍凪紗の自宅ーーー
「凪紗、今日学園休みになったって。警察が来て色々聞かれるっぽいから今日は1日中待機しておいて。」
「う、うん。(大変なことになったな。そのまま話すしかないけど警察には学園統一については今回関係ないし、喋る必要はないな。)」
「色々あって疲れてると思うけど、とりあえず今日1日は頑張ってね、凪紗。」
「ありがとう。ん、暗限からなんかメッセージが来てるな。」
「豊龍凪紗、昨日考えてたらふとおかしいなって思ったことがあってさ。それを話したいんだけど、家からは今日出れないよね。何日か後でも良いからなるべく早く話せるように頼む。」
「なるほど。とりあえず今日は家からは出れないと伝えておくしかないな。(さて、次家から出られるのはいつになるのかな?)」
ーーー午後1時ーーー
ピンポーン。
「警察の方か。はーい。豊龍です。」
「こんにちは。警察官の針山未奈です。加羅琉学園1年生の豊龍凪紗さんで間違いないですね。」
「こんにちは。加羅琉学園1年の豊龍凪紗です。昨日のことについての取り調べを受けるんですよね。」
「そうです。昨日の状況やその前に起こった出来事などを詳しく説明してください。お母さんはどちらですか。」
「母なら、2階にいると思います。」
「わかりました。警察署でお話を聞くので、1度同行をお願いします。」
「わかりました。」
ーーー警察署ーーー
「息子をお願いします。」
「もちろんです。まだ未成年なので簡易的な取り調べしか行いませんので。」
「はい。」
「事件を起こした「九条櫂」についてですが、彼が今どこにいるなどわかっている情報はありますか。」
「何もわかってないです。でもおそらく、彼はヤクザなどと絡んでいると思います。彼1人で、僕のことを殺せるとは思ってないと思うので。1度くらい逃げられても、周りと情報を通じて僕の場所をわかるようにしているんだと思います。」
「なるほど。では、彼があなたを襲うきっかけとなったのはなんだと考えていますか。」
「確証はないですが、学園の授業のグループ活動の時に、彼が女子生徒を無理に連れていこうと声をかけたので、僕がそれを止めに入ったんですけど。それを境にクラスの中心だった彼が周りから笑われるようになったので。きっとそれが引き金になったんだと思います。」
「それだけですか。他に思い当たる節があれば話してください。」
「それは1度だけじゃなくて、数回あったんです。元から僕に対して良い印象を持ってなかったのかもしれませんが。それしか僕には考えられないです。」
「わかりました。また何か話せることがあれば連絡をしてください。ちなみに、昨日から学園では話し合いが続いているとのことです。警察が自宅の周りを巡回するので、外出時は心配しなくても大丈夫ですが、学園での会議が終わり結果が出るまでは、自宅から出ないようにとの報告がされています。」
「わ、わかりました。(後2日くらいか。その間にもできることをしておくとしよう。)」
「今日はもう話すことはないので、自宅まで送ります。」
「ありがとうございます。」
「お疲れ様だよ、凪紗。数日はゆっくりしてね。」
「母さんにも、迷惑かけたかもしれないしごめん。」
「良いんだよ。凪紗が無事だったことが1番嬉しいよ。」
ーーー2日後・豊龍凪紗の自宅ーーー
「今日で事件発生から3日か。」
プルルルル。
「電話だ。はい、豊龍です。」
「こちら加羅琉警察署ですが。学園での話し合いを終えたということで外出の許可が降りました。登園時間は今日の午後1時からだそうです。」
「わかりました。連絡ありがとうございます。」
「凪紗、よかったね。気をつけていくんだよ。」
「母さん、ありがとう。」
「(ついに登園再会か。周りの人に及ぶ可能性。暗限が1番危険性が高い。もちろん黎人も可能性は高いと言えるな。あとあるとすれば、、……か。)」
ーーー加羅琉学園ーーー
「豊龍くん、久しぶりですね。」
「あ、河実。久しぶりだな。」
「河実さんおひさ!何もなかったー?」
「大丈夫ですよ。諏訪異くんは相変わらずですね。」
「凪紗さー、色々考えたんだけどさ。やっぱ周りに被害が及びそうな気がするから、気をつけよ!」
「そうだな。(まずはせっかく会えるわけだし、暗限に色々話を聞かなくちゃだな。)」
「久しぶりに来るとやっぱ移動距離が長いなーー!家にいるだけじゃ運動不足だよほんとーー!」
「思ったんだが、3つの氏でどこかがやらかしたりしても、そこの信用が落ちたりはしないのか?」
「確かに、刹那氏の一員の九条櫂が起こした行動ですよね。だったら、こんな生徒を氏に入れた刹那氏全体の信用が落ちそうなものですね。」
「たしかにー!でもどこかの氏に入らないといけないわけだし、結局どこかは入れられるもんね。だったら信用が落ちるってほどでもないかもしれないけどね!」
「少なくとも、九条櫂とその周りに人間は危ないというイメージは持たれただろうな。」
「そんなもんですよね。」
「お、豊龍凪紗。実際に会うには久しぶりだね。」
「暗限、確かにしばらく会ってなかったな。」
「この前言った話、今日の放課後話しても大丈夫?」
「ああ。いつものとこでな。」
「俺も行っちゃっていい感じ?」
「まあ大丈夫か。黎人も来ていいぞ。」
「やったー!暗限さんとも久しぶりに喋れるし嬉しいよ!」
「でも今日は数学かあ、。ほんとテンション下げられるな。少しずついい方向に向かっていってるっていうのに。」
「まあまあ頑張って!」
「へえ、豊龍凪紗って数学苦手だったんだ?あんま知らなかった。」
「数学だけは授業を聞いてても頭が痛くなってくる、、。」
「ちなみにさ、豊龍凪紗ってどれくらい頭いいの?」
「凪紗はすごいんだよ!数学苦手とかいうけど、めっちゃ高い点数取るんだから!」
「そうなんだ。中学校時代を知らないけど、なんか頭良さそうだもんね。」
「多分英語はそこらへんの大学の問題なら余裕レベルでできちゃうよーー!」
「そんなことないから、な?黎人あんまりも大口をたたくな。数学なんて今やってる範囲の問題8割5分くらいしかわからないぞ。」
「いや十分わかってるよ!俺なんて何喋ってか数学はもちろんだし全教科よくわからないよ!」
「それはこの学園留年しないの、大丈夫?」
「うーん!やばいかもしれない!」
「でも万が一のことがあったら凪紗に助けを求めるよ!」
「破滅的だね。」
「毎日が苦痛だが頑張るしかないか、、。」
ーーー放課後・1年B組ーーー
「やっと長い1日が終わった、、。」
「凪紗毎日これだからなー。ま、とりあえず暗限さんと凪紗行こー!」
「黎人はよく元気でいられるな。」
「豊龍凪紗みたいに元気じゃない方がレアだけどね。」
「別にいいんだそれについては。とにかくだな、帰る時も一応周りに怪しい人物がいないかは警察が見てくれているが、何があるかわからないからな。なるべく気を付けながら行くか。」
「暗限さんももしかしたらターゲットになってる可能性もあるからね、感覚研ぎ澄まして見ておいてね!」
「言われなくても自分の命は自分で守るよ。」
「そう言っても、僕も河実が気づかなかったら串刺しにされていたかもしれないしな。何とも言えない。」
「とりあえずいつものとこに早めに進んでった方がいいよね!」
「そうだな。外にいる時間を短くするためにも少し急いで向かおう。」
ーーーいつものカフェーーー
「なんか数日しか経ってないのにさー、めっちゃ久しぶりに感じるよ!」
「そんなもんだろう。」
「相変わらずだね。そんだけ来てたら飽きそうなもんだけど。」
「俺はとりあえず久しぶりだからノーマルを楽しみたいなー!マーブルサイダーにしよ!」
「ほんとそれ好きだよな、黎人。」
「そうそう、豊龍凪紗。本題に入ってもいい?」
「あ、そうだな。」
「最初にまず言っておきたいのが、「元凶の血縁者は存在しない可能性がある」ということだよ。」
「はっ?どういうことだ。」
「私たちは元凶がクズならばその血縁者はいるだろうと考えていたけど。それが血縁者だけじゃなくてただの後継者だっていう可能性があるということ。」
「血は繋がってない、元から吉基という名前は変えているだろうという予想だったが、さらに吉基から探すのが難しくなったわけか、。。」
「これはどうしようもない問題だとは思う。でも、だからって後継者、元凶の後継者は見つけられる可能性はあると思う。」
「サクセサー、後継者って意味か。」
「この前の考えたけど、吉基という名前から探すより、とりあえずこの学園の卒業した人をできる限り探って、年齢から推測して探す方がよっぽど手取り早いと思う。」
「卒業した人とは言ったものの、流石に全員探すのは骨が折れるな。」
「だから、まずは一つの可能性としてもある、私たち、今の1年から6年の代を探ってみるのがいいと思う。」
「見つからなかったら、いずれ卒業した人を探すことにはなるかもしれないけどな。」
「でも、事件がこんな長い間起こらなかったことは、きっと若い世代に元凶の後継者がいるからだとしか思えない。」
「たしかに、そうだな。できるだけ現在この学園の生徒である人を探すとするか。あ、そういえば、この話はあの人にもしておいた方がいい気がするな。」
「確かにそうかもね。何かわかることがあるかもしれないし。」
「よしかけてみるか。」
プルルルル。
「お世話になってます。1年B組の豊龍凪紗です。亜夜芽さん、急遽なんですけど、来てもらえますか?」
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