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王子様の悩みの種 <前編>

ヴィル殿下視点のお話です。

中編は11/16:AM6:00に投稿します。


ブックマークが450越えてました。

ありがとうございます!!

私がレヴィと初めて会ったのは上位貴族の子供達の集まりの場だった。

将来の婚約者や側近候補との交流の場としての集まりは私が7歳の頃から開催せれたが、レヴィは集まりの度に隅の方でぼんやりしているか本を読んでるかのどちらかだった。

そんなレヴィとまず最初に仲良くなったのがコンラートだ。

本好き同士話が合うらしくよく話すのを見かけるようになった。

ルーカスもたまにその輪に入っていたが、そうなるとレヴィはほとんど聞き役に徹していた。

意外だったのはレヴィとアルの組み合わせだった。

2人は騎士団の訓練所でよく会うらしく、修行仲間で仲がいいとアルから聞いた時は剣を扱うレヴィのイメージがつかず信じられなかった。

私もルーカスやアルとコンラートはよく一緒にいることが多いから必然とレヴィと一緒にいる機会は増えたが、会話をすることはなかった。

この集まりは1年位で終わりを告げ、後は友人となった友や婚約者候補だけを城に招く事になり、私は友としてルーカス、アルベルト、コンラート、レイヴィンを招く事にした。

話したことはないがレヴィは目を引く存在ではあったので、少人数なら彼と話せるだろうと考えての事だった。

だが、その考えが甘かったと思い知ることになる。

レヴィは私からの問いに答えはしても自分から話すことはなく、会話らしい会話にならないのだ。

そしてレヴィは感情をあまり表に出さない。

私だけでなくルーカス達が話しても同じらしく、家でも常に無表情らしい。

あまりの無表情さにいつしか仲間内でレヴィを笑わせる事ができるかと頑張ってみたが、中々達成することはできなかった。

初めに会ってから5年経った今でもレヴィを笑わせる事はできなかった。

そんなある日、中庭で休憩でもしようかと足を向けると弟のディーとレヴィの弟のセドが話してるのが見えた。

声をかけようとした時、セドが悔しそうな顔でディーに話してるのが気になり、思わず物陰に隠れて会話に耳を傾けた。



「何をそんなに怒っているの?」

「だって兄さんが!!クールで何でもできて格好いい兄さんがだよ?!

 無表情だけど優しくて剣も強い兄さんがだよ!!」

「はいはい。その兄さんがどうしたんだい?」

「笑ってたんだ!!」

「そりゃ人間だから笑うでしょう?」

「家でも笑った事ない兄さんなのに?!なんでアリアの前では笑うんだ!!

 しかもクリスが言うには兄さんの笑顔はよく見るっていうんだ!!

 その全てがアリアが原因って言うんだよ?!

 兄さんの笑顔をヴィーゼ兄弟が独占するなんてひどいと思わない!?」


セドの話をまとめると護衛役のクリスの家に武術を習いに行ったら、レヴィと彼の護衛役であるティルフの所にアリアがやってきた。

彼女のエプロンの中にはリンゴが入っていて、それはアリアが木登りをしてとったものだとわかるとレヴィが肩を震わせながら静かに笑っていたというのだ。

アリア嬢はお転婆らしく毎回、何かをやらかしてはレヴィを笑わせてたらしく、ヴィーゼ家ではよくある事らしいのだが、初めて見たセドはかなりショックだったらしい。

セドは家でレヴィの笑顔を見たことがなかったのが悔しかったらしくディーにずっと文句を言っていた。

今の2人に話しかけるのはやめようと私は静かにその場から立ち去った。

それにしてもレヴィの笑顔を出せる相手がいるとは、セドじゃないが少し悔しいと言う思いがする。


機会があればレヴィを笑わせたという令嬢に会ってみたいが、ヴィーゼ家と言ったら護衛学校で有名な貴族で今の所私とは接点が全くない貴族だ。

それにしても木登りしてリンゴを取る令嬢とは・・・。

何時かは会ってみたいものだと思いながら私は城の中に戻った。


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