25.その後の2人
最終話です。
11/6:誤字修正
我が家の庭で私はレオ様とラウラ様とお茶をしています。
あの事件からようやく日常の生活をするまでには回復できたのは2人のおかげです。
ただ、以前みたく駆け回るまでには回復していない状態です。
沙希とアンの消失により体と魂のバランスがまだ安定していないことが原因です。
今の私では剣を持つことすらできない状態なのです。
その為、私は再びルーチェ国で静養を兼ねて光の宝玉と闇の宝玉とでバランスの調整をとることになりました。
このようなケースは初めてという事で以前のように戻らない可能性もあると言われましたが、私は可能性があるならばとルーチェ国に行くことを決意しました。
ラウラ様には目が覚めるなら謝罪されたのには驚きましたが、今ではとても仲のいいお友達です。
明日には再びルーチェに向かうので、その前に2人に感謝の気持ちを込めたお茶会を開いております。
「レオ様とラウラ様にはお世話になりっぱなしで感謝しています」
「いえ。こんなことを言ってはアリア様に失礼かもしれませんが、
他の神官と協力し合う機械など滅多にない機会です。
むしろこちらが感謝したいくらいですよ」
「その通りですわ。
滅多にない経験をさせてもらってますもの。感謝の言葉しかありませんわ」
2人の言葉に私は笑顔で再び感謝を告げるとラウラ様も微笑そしてふと疑問を口にした。
「あの、余計なお世話かとは思うのですが、
レイヴィン様とは本当に連絡取らなくてよいのですか?
こちらにいつ戻ってこれるかわかりませんのよ?
状況によっては年単位になるかもしれませんわ」
ラウラ様の言葉に私は微笑むことしかできませんでした。
学院はソフィア様からの手紙で通常通りに戻り、生徒会も以前以上に動きが良いと聞いて安心しております。
ただ、私はあれからレイヴィン様とは連絡をとっておりません。
目が覚めて一度あったきり、公爵家を去る際もこれからルーチェ国に行く時も何も言わずに行こうとしています。
合わせる顔がないと言うのと今の私ではレイヴィン様をお守りするどころか足手まといにしかならないからです。
それにソフィア様の話ではレイヴィン様も元気のようなので、私がいなくてもきっと大丈夫なはずです。
それに学院を卒業されたら家柄にあった方と婚約をなさいます。
そしたら増々私は必要なくなります。
私が願う事は”レイヴィン様には幸せにいてほしい”なのです。
だから、足手まといになるなら側にいない方がいいにきまってます。
でも本当は・・・・。
そう考えているとサラが慌てるようにこちらにやってきました。
「お嬢様!!レイヴィン様がお見えになっております」
「え?」
「それなら私達はお暇しましょうか」
「そうですね。アリア様、明日またお迎えに上がります」
驚いてるわたしを余所に2人は早々と席を外していき、すれ違うようにレイヴィン様がこちらに向かってきました。
レイヴィン様は挨拶もなく、先程までレオ様が座ってた席に座りました。
サラが急いでレイヴィン様にお茶を出すとそのまま戻って行ってしまいました。
これは一体どういう事なのだと私は混乱中です。
「久しぶりだな、アリア」
「は、はい。レイヴィン様は今日が学院はどうなさったのですか?」
「ヴィル達に追い出された。アリアに会って来いと・・・」
レイヴィン様の答えに私は首を傾げます。
何故、殿下達はレイヴィン様と私が会う事を勧めるのでしょうか。
「ソフィア嬢にアリアからの手紙が届いたと知ってショックだったんだ。
避けられてるのかもと思ったのだけど・・・。
でも、そこで気付いたんだ、私はアリアを待つばかりで自分から何もしていないと。
おまけに私よりもヴィル達の方がアリアの状況に詳しかった・・・。
だからアリア自身から教えてほしい。
何故退学してルーチェ国にいくのか・・・」
「レイヴィン様には何も告げずに行くつもりでいました」
私の言葉にレイヴィン様の顔が曇ります。
本当に告げずに行くつもりだったのですが、ここまで来たら全て告げて別れを告げるべきなのでしょう。
「今ここで襲撃事件が起きたとしたら私はレイヴィン様をお守りできません。
それどころか自分の身も守れません」
「自分の身も守れない?だってアリアは・・・」
「今の私の体力は日常生活するくらいしかないんです。
その為にレオ様とラウラ様に協力してもらって体力の回復に専念します」
言葉をいったん切り、私はレイヴィン様を見つめました。
ずっと側にいたい、でもそれは絶対に望んではいけないことだから・・・。
「私が男に捕まった時、レイヴィン様は諦めずに助けようとしてくれました。
とても嬉しくて幸せでした(あのまま時が止まってしまえばいいと思うほどに)。
でも、思ったのです。
あの事件の後、私は色々と考えるのをやめて言われるままに行動してました。
皆が優しくしてくれるのが嬉しくて甘えてしまってたのだと思います。
だからレイヴィン様とは今日でお別れです。
今までありがとうご・・・」
「何故?!お別れ何て言う!!
甘えるくらいいいじゃないか。私はアリアが頼ってくれるのが嬉しいのに」
「だって今の私は足手まといにしかなりません。
それにどれくらいの時で前のように動けるかわからないのです。
もしかしたら頑張っても前のように動くのは無理の可能性もあるのです。
だから・・・」
言ってるうちに涙が出そうになりました。
必死にこらえているとポンと頭にレイヴィン様の手がのり優しくなでてくれます。
「足手まといとか関係ない私はただ側にいて欲しい」
「駄目です。私はまたレイヴィン様に甘えてしまいます」
「甘えていたのは私の方だよ。
いつもアリアから話しかけてくれたから何かあってもアリアは私の所に来るって思っていた。
だからこれからもずっと側にいて欲しい」
「ずっと側にいていいのですか?」
レイヴィン様が静かに頷き、私は思わず涙がでてしまいました。
「アリア、私は今回はついていかない。
家督はセドに任せたし、これからの事も考えて学院で過ごすよ。
その間私と文通をしてくれないか?」
「はい、はい!!勿論です」
側にいてもいいと言われ、文通の約束までできて嬉しさでいっぱいでした。
ずっと側で見守ることが出来るのです。
私は何が何でも頑張ってティルフ兄様に負けぬように力を手に入れてお守りしようと改めて決意したのです。
翌日、レイヴィン様に見送られてルーチェ国に向かう馬車の中で私の決意と文通をすることになったと告げればラウラ様とサラから驚きと呆れの表情でみられました。
何故でしょう。
----- 3年後 -----
私は以前のようにまでとはいきませんが、武器を使っても違和感がないくらいまでに回復できました。
ルーチェ国には2年近い滞在して、今は我が家で訓練のお手伝いをしながらセシリア姉様に薬学について学ぶ日々を過ごしています。
レイヴィン様は学院を卒業した後はヴィルフリート殿下の補佐を務めております。
そして今日、私達は教会にいます。
新郎新婦として・・・。
どうしてこんな状況になったか兄様が言うには
『3年も全く進展がないとは予想もしなかった。
お前たちの進展を待ってたら何時になるかわからないからな。
陛下からの許可も全て完了している』
という事らしいのです・・・。
「あ、あの。レイヴィン様。これは何かの間違いでは?」
「間違いではないよ。
周りに押し切られる情けない形になってしまったが・・・。
アリア、これからも共に歩もう」
「だって身分も違うし・・・」
「公爵家はセドが継ぐから私の身分はあってないようなものだよ」
「で、でも・・・」
「私はアリアがいてくれればそれで十分なんだけど?」
多分今の私は耳まで赤くなっているはずです。
確かにずっと側で見守っていたいとは思ってました。
まさかこのようなことになるとは思いませんでしたが・・・。
でも、私が願っていたことは”レイヴィン様が諦めずに生きて欲しい。”です。
ならば私が答える言葉は決まっています。
「私もずっとレイヴィン様のお側にいたいです」
私の言葉にレイヴィン様は嬉しそうに微笑み、そして私達の唇が静かに重なりました。
Fin
最後までお読みくださりありがとうございました。
色々と反省することの多い作品でしたが、何とか最後までこれました。
レイヴィンがあの後学院に戻って文通をするって報告した時のヴィルたちの話もここにかこうかと思ったのですが、話がまとまらなくなりそうだったので断念しました。
番外編とかでいつかかけたらいいなと思います。
次の作品でもまた逢えたらうれしく思います。
拙い作品でしたらここまでありがとうございました。




