↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「彼女は斜め上の高嶺の花」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編②)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/17

⑤ 伯爵登場

「キミが渡辺正人くんだね?」

 春の陽気の中で、ベンチに座ったまま、うっかりウトウトしていたボクの隣に、いつの間にか、一人の紳士が座っていた。


 髪はロマンスグレーでオールバック。どこのブランドものだろうか?高価そうな、モスグリーンのスリーピースを着ている。優しそうな青い瞳。年齢は……35歳くらいかな。


「はい……ボクが本人ですが。」

「我々の活動の趣旨についてはもう、お聞きになりましたね?」

「ええ、確か時空の調査とか?時には、危ない目に遭う事も有ると、おっしゃってました。」


「……そうです。私は彼女たちから、キミのチカラについて、伺っています。何でも、時を止める能力だとか?」


「どうやら、そのようです。しかし、何しろボク自身、初めての事で、今ここで再現しろと言われても、難しそうなんです。」


「構いませんよ。いつか見せて頂ければ、それで。」

 その紳士は、余裕の笑みでそう言った。


「あの……お名前は?」

「ああ、コレは失礼。申し遅れました。私がサン・ジェルマンです。一応、調査チームの、まとめ役をやらせてもらってます。因みに、仲間からは、伯爵と呼ばれています。」


 志村けんの、"変なオジサン"みたいな言い方をするんだな。ボクはつい、そう思ってしまった。と、同時に、そのサン・ジェルマンという名に、どこか聞き覚えが有るような気がしたのだった。


「どうぞよろしくお願いします。」とボク。

「彼女たちから、キミの決意の程は聞きました。ただ、キミはまだまだ若い。前途有る青年だ。そう簡単に、人生を棒に振る事は無いと、私は思いますよ?」


「時空を旅する事に、興味がわきました……まあ、正直に言うと、きっかけは雪子さんへの、一目惚れなんですけど。」

「ああ、分かります。彼女は確かに、美しいですからねえ。昔はこの私も……おっといけない。つい無駄な事まで、しゃべり過ぎてしまいました。」

 そう言うと伯爵は、辺りをキョロキョロと見まわした。


「黄色いワンピースの女性は……来てないですよね?」

 小声で、ボクに確認する伯爵。

「ええ、確か京子さんとかいう……?」

「そうです、そうです。彼女はこの話題に、非常に敏感なもので……気をつけないと、ね?」


 伯爵はそう言うと、ボクにウインクした。

 ボクにはその意味が、よく分からなかった。


「まあ、とにかく、キミには、ご自身の時空に留まってもらいつつ、時々少しだけ、仕事を手伝ってもらいましょうか。言わば"見習い調査員"です。とりあえずそれで、いかがですか?」


「ありがとうございます。是非、そうさせて下さい。」

「じゃあ、そういう事で……不老不死の件は、ゆっくり考えるとイイでしょう……あ、そうそう、コレを渡しておかなくては。」


 伯爵はそう言うと、ボクに黒い腕輪のようなモノをくれた。

「ソレは身に着けておいて下さい。連絡用ですよ。」

 そして彼は、煙のように、その場から消えてしまったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
伝説の不老不死の男サン・ジェルマンの調査の目的が気になりました。 どんな目的で時空を旅しているのでしょう? 今後の展開も気になりました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。