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「彼女は斜め上の高嶺の花」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編②)  作者: サナダムシオ


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㉑ 球技大会

 再び木曜日になった。

 今日はいよいよ、校内球技大会の本番だ。


 恐らく保護者からクレームが入ったのだろう。

 例の旧校舎の工事現場は、以前より厳重に、黄色い鉄板の塀で囲まれていた。

 コレで、例えボールが、後ろに逸れてしまっても、ソレを追いかけて、瓦礫の中に頭から突っ込む心配は、無くなった訳である。


 さて、第1試合が始まった。試合はトーナメント方式で行われた。

 まずはA組対B組だ。この試合は無事に終了した。結果はA組の勝利だった。

 次にC組対D組。事件はその時に起こった。


 試合の終わったA組とB組は、隣の空きコートで練習していた。

 負けたB組も、この後、残酷な事に、最下位決定戦が待っているのだ。

 ソレは、ボクがトスを上げて、雪村くんがスパイクを打った瞬間の事だった。


 その場の誰もが、ボールの行方に注目していた時、異変が起こった。

 ボクらの背後の校舎の裏から、体高2m程の、ロボットが走って来たのだ。

 アレは確か……ガンダムとかいう……去年の文化祭で、3年生が作った段ボール製のヤツだ。


 あまりにも出来がイイから、今年の文化祭でも使いまわそうって、誰かが言い出して、渡り廊下の隅に保管されていた……待てよ。こんな事が出来る能力者は……佐倉さんは、どこだ?ボクがそんな事を考えて居る間に、そのロボットは、どんどんこちらに迫って来る。


 すると今度は、籠に入っていた予備のバレーボールが、次々に飛び出して、そのロボットに向かって飛んで行く。コレは……雪子さんかな?


 そして、手洗い場の水道の蛇口が、すべて上を向いて開き、水が飛び出してロボットに襲い掛かる。コレは花井くんだ。


 更に、運動場の地面の小石も、まるで弾丸のように飛び交い始めた。コレは委員長だ。球技大会の現場は、最早、すっかりカオスと化していた。


 最後に、さっきまで晴れていた空が、一天にわかに掻き曇り、まるでこの高校だけを狙ったような、集中豪雨になった。当然の事ながら、各試合は、即中断となった。コレはもちろん、町田さんの仕業だ。


 先程の段ボール製のロボットは、コートまで辿り着く事も無く、グチャグチャに濡れそぼって、地面に倒れていた。バレーボールもたくさん散らばって落ちていたが、この雨の中、誰も拾いに行こうとは、言わなかった。


 暫くすると、雨が止んで、皆で片付けをする事になった。今しがたの騒動の、一体どこまでが、皆の認識になっているのか?ボクはふと、そんな疑問を持った。そして、片付けに奔走する他の皆を尻目に、ボクはこっそり、渡り廊下の隅に行ってみたのだ。


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