⑲ 侵略者たち
「それに関しては、私から説明するわね。」
突然背後で声がした。そこにはやはり、セーラー服姿の雪子さんが居た。
ボクはこんな状況に、少しばかり慣れつつある自分に、戸惑っていた。
「私の名は、雪子。みなさん、お久しぶり。一年生の三学期に、ちょっとだけ、こちらの高校で、お世話になったわね。」
「……あっ、ああ、あの時の。」
皆一斉に、思い出したようだった。雪子さんは、この後の話がスムーズに進むように、みんなの記憶を戻したらしい。
「あの黒いモヤモヤしたモノは、4次元の世界からの訪問者よ。悪意のある侵略者を悪魔、善意のある介入者を、天使や神などと、ニンゲンは勝手に呼んでいるわね。」
彼女はそんな感じに説明した。
「今後もソレが悪魔だった場合は、私が退治するから、皆さんには是非、協力して欲しいのよ。構わないかしら?」
彼女はにっこり笑って、そうつけ加えた。
そんな訳で、この時空に駐留する調査チームは、ボクを含め4人になった。少しだけ気になるのは、ボク以外のメンバーが、みな念力系のチカラの持ち主だという事だった。コレには、何か意味が有るのだろうか?
水曜日。昼休みの時間に、ボクは屋上に居た。そこで購買で買ったメロンパンをかじっていたんだ。隣には、同じように焼きそばパンをかじりながら、花井くんが座って居た。
「……不思議だよな。」食べながら、花井君がしゃべり始めた。
「昨日みたいな奇想天外な話、急にされても困るけど、何故かすんなり信じる事が出来た。」
「まあ、ボクら自身、ヘンなチカラを身に着けてしまったからね?もう、信じるしかないだろう。」ボクも食べながら、そんな風に答えた。
「それにしても、悪魔とはねえ……何だか、ピンと来ないなあ。」
「ああ、その名称なら"仮"だから。気にしなくてもイイらしいよ。」
「ふ~ん。何かしら呼び名が無くては、話がしずらいって事か。」
「……そうだね。」
その後は、ぼーっとしながら、黙って二人で空を見上げて居た。
「あっ、見ろよ、あの雲。まるでゴジラみたいだな?」と花井くん。
「ホントだ。偶然にしては、よく出来てるなあ。」ボクも相槌を打つ。
「あれっ?あっちはモスラみたいだ。」
「そうだね。」
「……それに、見ろよ。キングギドラまで居るぜ!」
「ああ、ホントだ……って、いくらなんでも、オカシイだろ!」
ボクたちは、咄嗟に辺りを見回した。すると、一人の少女が、まるで空に絵を描くように、右手の人差し指を天に伸ばして、左右に動かしているのを、発見したのだ!




