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「彼女は斜め上の高嶺の花」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編②)  作者: サナダムシオ


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⑱ 花井実

「何だい用事って?」

 そんな感じに訝し気に訊く彼に向かって、ボクは単刀直入に尋ねる事にした。

「キミは、液体を操るチカラを持っているね?」

「……!?」


「いや、たまたま、ちょっと見かけてしまったのでね。」

「……そうか。すまんが、この件は、皆には内緒にしておいてくれ。」

「ああ、もちろんだとも。ところで、どうかな。キミの他にも、似たようなチカラを持った知り合いが居るんだけれど、会ってみないかい?」


「そうか。たまたま今日は、部活がオフだから、今すぐなら構わないけど……。」

「よし。じゃあ、そうと決まれば、善は急げだ。」

 もともとボクは、彼に断られても、定期連絡のために、委員長と佐倉さんに、体育館裏で待っていてもらったのだ。だから花井くんを、そこまで連れて行った。


 体育館裏で、彼と女子2人を引き合わせると、ボクの方から紹介した。

「花井くん、こちらは佐倉瞳さんと委員長の鈴木圭子さん、佐倉さん、委員長、こちらは花井実くんだよ。彼は液体を操作するチカラを持っているんだ。」


「よろしくね、花井くん。私のチカラは人形使いよ。手足の付いたモノなら、動物の縫いぐるみでも、動かせるわ。」と佐倉さん。

「私の事は知ってるわね?チカラは念動力。まあ大した事は無いわ。小さな物体にしか有効じゃないから。」と委員長。


「ああ、よろしく。僕のチカラは水でも油でも、液体状のモノなら、何でも動かせるモノだよ。」

「因みにボクは、時間凍結のチカラを持っているんだ。ただこのチカラを使うと、寿命を縮める事になるらしいから、あまり多用出来ないんだ。」


「そうかい。でも、良かったよ。こんなヘンなチカラを持っているの、ひょっとして自分だけなんじゃないかって、少し悩んでいたところだったんだ。」

 彼は、どこかホッとしたようにそう言って、笑顔になった。


 ああ、そうだよな。それが普通の反応というモノだ。ボクは改めてそう思った。はしゃいでる佐倉さんは、やっぱりどこか常軌を逸している感じがした。


「ところで渡辺くん……。」委員長がボクに尋ねた。

「……一体どんなきっかけで、彼のチカラを知ったの?」

 もっともな質問だった。ボクは先程の、選択美術の授業中の話を、かいつまんで二人の女子に話した。


「……そうなんだ。また黒いモヤモヤが出たのね?」

 彼女は少し、考え込んだようだった。

「え~?何それ。私、聞いてないわよ?」

 ちょっと不満げな佐倉さん。


挿絵(By みてみん)

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