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「彼女は斜め上の高嶺の花」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編②)  作者: サナダムシオ


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12/15

⑫ 初デート

 日曜日が来た。

 当然のように、前日の夜は、全く眠れなかった。

 大好きな雪子さんと、デートできるなんて、夢の様だった。


 初めての出会いから、3日やそこらで、願いが実現するとか。

 ……ボクはもうすぐ死ぬんじゃなかろうか?

 思わず、ヘンな心配をしてしまう。

 ともあれ、朝9時の正門前での待ち合わせに、遅刻しないように到着出来た。


 予定の15分前だったが、彼女はもうそこに来て、待っていた。

 彼女のいで立ちは、白いノースリーブのブラウスに、ブルーのAラインのフレアスカート。清楚なお嬢様って感じだ。


「……ああ、綺麗だ。」ボクは、彼女に近づくなり、思わず呟いた。

「アナタ、そういう事を、シレっと言えるのね?純情そうに見えたのに、意外だわ。」

 雪子さんは、そう言いながら、満更でも無い様子だった。

 良かった。うっかり呟いちゃったけど、キモっ、とか思われなくて済んだみたいだ。


「有難く拝みなさいね。私のセーラー服以外の着用姿は、超が付く程の、レアなモノなんだからね!」

 雪子さんは、ツンデレっぽくそう言った。

 因みに、誰も興味無いだろうけど、ボクは白いTシャツに、デニムのジャケットを羽織り、下も、少し太めのジーンズのボトムスだった。


 そして、首には、ペンタックスの一眼レフに、マニュアルフォーカスの、50mmのレンズを着けたモノを、ぶら下げていた。もちろん、ボクが写真部だからである……決してやましい動機は無いのだ(?)


「じゃあ、行きましょうか?」

 彼女がそう言って、先に正門に向かう。

「あの……チケットは?」

 ボクが、慌てて尋ねると、彼女はニッコリ笑った。


「もうここに、二人分有るわよ。さっき買っておいたの。」

「……代金は?」

「私が誘ったんだもの。奢るわよ。安価なんだから気にしないで。」


「でも……。」

「どうしても気になるなら、ランチでもご馳走してね。それで構わないわ。」

「ああ……なるほど。」

 デートに不慣れなボクは、やっと納得した。

 

 正門をくぐり抜けると直ぐ右手に、水鳥の池がある。鴨や白鳥などが泳いでいるが、彼等がどうして逃げないのか、いつも疑問に思う。


「多分、風切り羽根が、切られているのよ。ニンゲンの都合で、酷い事をするわよね?」 

 ボクがついつい、疑問を口にすると、彼女がそんな事を言った。なかなかの事情通だ。


 酷い事と言えば、そもそも動物園という施設そのものが、ニンゲンの都合で出来ている訳だから、言い出したらキリが無いのだが……。


挿絵(By みてみん)


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