↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「彼女は斜め上の高嶺の花」(セーラー服と雪女 第ニ部 新世紀編②)  作者: サナダムシオ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
10/23

⑩ 雪子と京子

「アンタって人は、またあ……若い子をたぶらかしてぇ。」

 雪子が瞬間移動で帰って来るなり、京子はそう言って、彼女をたしなめた。


 京子は、二人で乗って来た、黄色いワーゲンビートルを、公園脇に路上駐車していた。そして、その車内から、雪子と渡辺くんとの、やり取りの一部始終を、しっかり見ていたのだ。


「何よ。私はただ、働きに相応しい報酬を、彼に与えただけでしょ?」

「年頃の高二男子には、刺激が強過ぎるのよ。」


「あらあら、京子さんたら、古風なのねえ。流石は、母方の実家が、京都なだけの事はあるわ。」

「冷やかさないで。」

 黄色いワンピースを着た、永遠の23歳は、呆れる。


「そもそもアナタ、見た目こそ何時までも高二だけど、実は私と同じ年齢でしょ?私たちの時間軸では、確かもう西暦2001年だから……37歳!?年齢差20年って、ほとんど犯罪じゃない!?」


「まあまあ、カタイ事は言いっこ無しで……次はどんなご褒美をあげようかな。うふっ。楽しみ。」

 雪子はそう言って笑った。京子はワナワナしていた。


 一方その頃、ボクはまだ、ベンチの前に突っ立ったまま、呆然としていた。今のキスは、完全に不意打ちだった。純情なボクには、衝撃的過ぎた。


 やがてボクは、我に返ると、自宅に向かってトボトボと歩き始めた。

「うん、まあ取り敢えず、明日も頑張ってみよう。」

 ボクはとりあえず、自分にそう言い聞かせた。


 翌日の金曜日。ボクは雪子さんの指示通り、放課後の体育館裏に、委員長を呼び出した。

 理由は、「ちょっと球技大会の件で、尋ねたい事がある。」と言っておいた……まあ、嘘ではない。


「……それで、どんなお話なのかしら?」

 この後、また直ぐに練習だから、お互い体操着だった。改めて見ると、ブルマから伸びる彼女の白い脚は、なかなか美しい。


 いかん、いかん。雑念を払わねば。

 ボクは、話を切り出した。

「……実は、昨日の練習の時の事なんだけど。」


「うん、うん。」

「……いや、むしろ、昨日に限らず、委員長って、時々、手を触れずに、モノを動かしているよね?」


「えっ……見てたの?」

 彼女は意外にも、シラを切ったりしなかった。

「……認めるんだね?」


「まあね。でも、大した事は無いのよ。動かせるのは、せいぜい小石か……大きくても、野球のボール程度まで。」

「実は、ボクの知り合いが、その種のニンゲンの人脈を、作りたがっていて……。」

 コレも、概ね嘘では無い。


「渡辺くんも、何か出来るんでしょ?……そうね、例えば、時間を止める、とか?」委員長はそう言うと、ボクの事を真っすぐ見つめた。

 ボクはヘンな汗をかいた。なぜ、バレてるんだ?


挿絵(By みてみん)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。