表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私は溺愛されて殺される。数百年、何度も失った彼は、今度こそ私を絶対に救う。  作者: 唯崎りいち
マリアナ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/18

1-5

 12歳に死に戻った私は、13歳になっていた。


 前回の婚約者のエルヴィンには相手にされないまま、親友メアリーの前回の恋人だったオスカーに告白された。


 エルヴィンがいないなら、オスカーが好きになるのは私らしい。



 ——朝、学園でオスカーに会う。


「……」


 告白された後だと、何を話していいか分からない……。


「マリアナ、おはよう! オスカーも」


「……お、おはよう、メアリー……」


 私のメアリーへの挨拶……不自然だった……。


「マリアナ?」


 メアリーがおかしく思う。


「何やってんだ二人とも、早く教室に行くぞ!」


 オスカーがいつもと変わらずに話す。


「ちょっと、待ってよ……マリアナが……」


 でも、メアリーは私の様子を心配してくれるんだ……本当に優しい。


 でも、その優しさに困ってしまう……オスカーに告白されて気まずいとは言えないもの。


 ガタッ


 廊下の影から人が出て来た。


 ——エルヴィンだった。


 ……いつからいたの……?


 エルヴィンは私を睨むと行ってしまう。


「何!? 睨むことはないでしょう!? ……エルヴィンがそばにいたからなのね……ごめんなさいマリアナ、私の従兄弟が……」


 あ、偶然いただけなのに……。


 メアリーがエルヴィンがいたから、私が不自然だったと誤解してくれた。




 私とメアリー、オスカーで学食でお昼を食べる。


「なぁ、今朝はエルヴィンがマリアナを睨んでいたけど、なんでなんだ……? 冗談じゃなく嫌われてるだろ……」


 オスカーが、メアリーに聞く。


「マリアナは……やっぱりエルヴィンにとって特別な子なんだと思う」


「と、特別って……」


「婚約者になるはずだったのに、エルヴィンが『魔法を極める』って言って直前で婚約を取りやめたから……マリアナがこんなに可愛い子で後悔してるのよ」


 メアリーが私を抱きしめて、「可愛い可愛い」と撫で撫でする。


 前にもメアリーはそう言ってたけど……。


「そ、そんな事ないわよ……本当に嫌われてるもの……」


「マリアナ……絶対に後からエルヴィンの方から「付き合って下さい」って言ってくるわよ。まだ13歳だもの、好きとか自分の気持ちも分かってないのよ、エルヴィンは!」


 メアリーが言ってくれるの嬉しいけど……。


 メアリーは、死に戻る前の前回のエルヴィンを知らないからそう言うのよ。


 エルヴィンは12、3歳の頃でも、私なんかより、ずっと自分の気持ちを分かっていたと思う。


 好きって私の何倍もたくさん伝えてくれていたもの。


 思い出して、カァッと赤くなる。


「ほら、可愛いんだから、マリアナは!」


 また、メアリーに撫で撫でされる。


「……いや、でもそんな感じじゃ、なかったぞ……」


 オスカーがつぶやく。


 そして、学食での食事中、オスカーは一言も話さなかった。


「……オスカー?」


 メアリーが心配していた。



 ——そして、食べ終わって授業に戻る頃……。


「……きっと、エルヴィンは——」


 オスカーが顔を上げた、私を見た。


「俺は、マリアナが好きだ」


「……え……」


 朝から、メアリーにオスカーから告白されたことを言えずに困っていたのに……。


 オスカーが、メアリーの前で言うなんて……。


「……——ッ!!」


 メアリーがショックで言葉を失ってる。


「今、マリアナを好きなのは俺だから、俺と付き合ってください」


 オスカーが私に向かって手を差し出して頭を下げた。


「……あ……」


 周りの人たちが、私を見てる……。


 私はオスカーから後退る。


 みんなに注目されて、どうすればいいの!?


「こんなところで! マリアナの事も考えてよね、オスカー!」


 メアリーがオスカーに怒って、私の手を取って走り出す。


「行こう、マリアナ!」


「……うん」


 私はメアリーと授業のある教室に戻った。



 遅れてオスカーが教室にやってくる。


 ヒソヒソとクラスメイトたちが噂してる。


 食堂にいた子もいるし……オスカーが私に告白したという話は、あっという間に広がっていた。


 クラスメイトのエルヴィンは、噂を知ってるのか知らないのか無関心な背中を向ける。


 ルカスが心配そうに私を見ていた……。




 それからは、私とメアリーが一緒にいても、オスカーが話しかけてくる事はなかった。


 たまに、私が一人の時に話しかけて来たけど、「ごめんなさい」と言ってすぐに逃げ出した。


 メアリーは、私と変わらずに仲良くしてくれたけど……隠れて泣いているのを知っていた。




「マリアナ……」


 私とメアリーが一緒の時にオスカーが話しかけてくる。


「オスカー……」


 オスカーはメアリーを無視して、私を見て——。


「——……っ! ごめんなさい、マリアナ……!」


 メアリーはオスカーに無視されてショックで、何処かに行ってしまう。


 私は追いかけようとしたけど、オスカーに手を掴まれる。


「……オスカー、なんでメアリーを無視するのよ……!」


「……マリアナが俺と話さないからだろう。俺は、マリアナが俺と付き合わなくても、代わりにメアリーと付き合うなんて事はしない」


「……なんで……そんな事を言うの……」


 オスカーはメアリーの気持ちを知って無視してるの……? 私がメアリーに遠慮してると思ってるの?


「私は、エルヴィンが好きだから……! エルヴィン以外の人を好きにならないの!」


 そう言って、オスカーの手を振り解いてメアリーを追いかけた。



「人を好きになる気持ちは仕方ないと思うの……オスカーがマリアナを好きな事は、マリアナのせいじゃないし、それで、自分の気持ちに正直なだけのオスカーを責めたりできないもの」


 メアリーは私とオスカーを怒っていたり責めたりしない。


「でも、ごめんなさい。マリアナは悪くないのに……嫉妬を止められない。マリアナといると苦しくなる……」


「……うん。私もエルヴィンが誰か他の人を好きになったら、嫉妬して辛くなるもの……」


 エルヴィンは、今はまだ魔法に集中していても、上級科に進んだら、誰かの肩を抱いて『大好きだよ』って何度も何度も言うの。


 私にそうしたみたいに——。


『マリアナ、大好き、愛してるよ』

『私も、エルヴィンの事、大好きで愛してる』


 何度も何度も言い合って、メアリーとオスカーに呆れられてた。



 それから、私とメアリーは話さなくなった。


 メアリーが私を嫌いじゃないのは知ってるから離れていても辛くないけど……他にいつも一緒で話せる友達がいなかった。


 だから、避けたいのにオスカーに話かけられたら、つい話してしまう。


 メアリーを傷つけることになるのは分かっているけど……。


 友達と一緒のメアリーが、私とオスカーが話ている様子を、横目でチラッと見て傷ついた表情をした。

 気づいた私も胸が痛くなる。


 オスカーだって、こんな状況は望んでいなかったでしょう。


 三人ともが苦しかった。



 ——だからなのか、オスカーがメアリーと話すようになる。


 そして、オスカーは私とは話さなくなった。


 ——。



「マリアナ……」


 メアリーに話しかけられた。


「オスカーが私の事を好きだって……」


「え……」


「ずっとマリアナに辛く当たってごめんなさい……」


「ううん、そんな事ないわ。良かった、メアリー……!」


 私たちは抱きあって、仲直りした。



 私、メアリー、オスカーは、前みたいに仲良く三人一緒だった。


「やっぱり、オスカーはメアリーが好きだったのね」


「……ああ」


 ちょっとだけオスカーは気まずそうにしたけど、すぐにいつものオスカーに戻っていた。


 メアリーとオスカーが一緒だと落ち着くし、お似合いの二人だと思う。



 メアリーの事は嫌いじゃない、ただ、マリアナの方がずっと好きだっただけだ——。


 俺のせいで、マリアナとメアリーの二人が離れてしまったのは知ってるけど、それで自分の気持ちは曲げられない!


「オスカー」


 エルヴィンに話しかけられた。


「俺の従姉妹のメアリーを傷つけるのはやめろ」


「そんなの仕方ないだろう。メアリーが俺を好きでも、俺が好きなのはマリアナ……」


 エルヴィンがゾッとするよう目をした。


「マリアナは俺のモノだ。メアリーと付き合うなら彼女のそばに近づく事を許可する」


 耳元で囁かれた。


 そして、「この事は誰にも言うなよ」と口封じの魔法を俺にかける。


「メアリーとの事、応援してるからな、オスカー!」


 耳元から離れて、俺の肩を掴んだエルヴィンが、別人のようににこりと笑ってる。


「あ、ああ……」


 ゾクッと背中に悪寒が走って、冷や汗が流れた。


 絶対に逆らってはいけない気がした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ