3話
肩で大きく息をして目が吊り上がってる妹の気迫に押されながら、カルダモンは問いかける。
「えーと、何かあった?」
「あったに決まってるでしょ!? そうじゃなかったらいきなり悲鳴なんて上げるわけないじゃない! 今までにそんなこと一度でもあった!?」
シナモンは人差し指を兄に向かって突き立て、大声で叫んだ。
「ちょっと手が離せなかったんだよ」
「手が離せないって何よ! 妹の大ピンチよりも大事なことなんてあるの!? ないわよね!?」
「無いです、はい」
「だったらどうにかしてよ! お兄ちゃんでしょ!?」
「分かったよ。今度は何が出たの? クモ? それとも蛾?」
「何言ってんの! なんにも分かってないじゃない!」
「だって、まだ何も教えてもらってないし」
「バッカじゃないの!? 私をよく見なさいよ!」
「えーと……髪切った?」
「バカバカバカバカ、馬鹿すぎるぅうううう!!」
シナモンは絶叫しながら、その場でドタバタと飛び上がった。
「あれ?」
カルダモンは自分の目を擦り、よく見た。
「ようやく気が付いたみたいね………」
シナモンの金色の頭の上から、真っ白なキノコが一本、ニョキッと生えていた。
「これは大変だ………」
「だからそう言ってるでしょ!!」
呆れ顔でため息をつく妹のキノコが揺れていた。
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