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「奥様は王妃」を満喫中  作者: アン・メリー
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今日もまた王妃様からホットラインが入った。

「聞いて聞いて!先日、視察に行った先の領地がイギリスの湖水地方そっくりだったの!堪能したわ〜」


おぉ、王妃様はお父さんがパイにされてしまった、うさぎさんのファンでしたか。


前世の私はイギリスには行ったことはないけども、世界一愛されたうさぎとかいう番組を観て、湖水地方の風景をほんのり覚えていた。

古代エジプト語で書かれた絵本をネットで見つけてしまい、買おうかどうしようか悩んだってことまで思い出した。


ちなみに前世の私は、違ううさぎキャラが好きで、オランダまで行ってしまった過去がある。

コーヒー美味しかったな。あれからコーヒーが大好きになってしまった。

今はお子ちゃまだから自粛してる。飲んでるコーヒーもミルクかなり多め。

大人になったらカフェイン中毒か?というくらいコーヒー飲みたい。

紅茶も好きだから、貴族の嗜み的な感じで「こちらは、何処どこ産のファーストフラッシュですわね、おほほ」とかやってみたい!


オランダでは、ガイドさんから、くれぐれもコーヒーショップや駅前の飾り窓の付近は近寄らないようにと言われた。

コーヒーショップは麻薬のお店だから、コーヒー飲みたいならカフェへとしつこく言われたな。

朝にバスで通りかかった時にガイドさんから、飾り窓の電気がついてるのは営業中です、と人生で一番いらない情報をもらった。めっちゃ電気ついてたわ。

前世の東京駅に相当する駅のすぐ近くに、飾り窓やコーヒーショップがあり、大人なグッズが売られているお店が普通に並ぶ不思議な街だった。


王妃様ホットラインは続々と届く。暇か。

「登城しても厨房ばかり行っていないで、たまにはお茶会しない?日本人トークしたいのよ〜」

いや、うさぎの話したいだけでしょう、王妃様。そもそも、私に厨房へ行く用事を作ったのは王妃様じゃん!


「先日の天むすももありがとう!執務の間にほうじ茶といただいたわ!◯福も良かったわ〜。

そういえば、あなたの和菓子屋さんもまだ行ってないわ、ごめんなさいね!今度、お忍びで陛下と行くから!」

うん、来ないでください。


それでなくとも、お店のイートインには学園帰りのルー兄様。テイクアウトには宰相のお使いの方などで、固定客がしっかりつき始めている。


あ、小豆を煮る時のアク抜きで出たゆで汁。あれ、もったいないから私がゴクゴク飲んでるけど、あのポリフェノール、体に良いって言われてなかったっけ。

今度、イートインに出してみようかな。1回目か2回目くらいのゆで汁なら飲みやすいはず。


ノックの音がして、アル兄様が部屋に入ってきた。

前世で読んだ、こんなタイトルから始まるショートショートが大好きだったなあ。あの作家さんの本読みたい。大好き。誰か前世から買ってきて欲しい。仕方ない、脳内で物語を再生しよう。そのくらい読み込んでた。


「リリ、ドロシー嬢が、先日のイリスの婚約式で食べたケーキのレシピが欲しいそうなんだ。何でも、持ち帰ったケーキを母君が大変にお気に召してくださったらしくてな」

アル兄様、ドロシー様とすぐ会いたいからって領地に戻らないでタウンハウスにずっといる。


ドロシー様のお母様のお口に合ってなによりです。

あの日、ドロシー様はケーキ全種類制覇していた。

ローストビーフやミートパイ、ミニシチューパイ、キッシュ、伯爵領の海鮮盛りだくさんのカナッペやパエリア、クラムチャウダー、ブイヤベースまでペロリだった。あんなに細いのに何処に入るの?って感じだったな。


「いいですよ。嬉しいですね。何のケーキをお持ち帰りいただきましたっけ」

後で執事に確認しよう。


あの時はケーキビュッフェにして気に入ったケーキをホールでお持ち帰りいただいたのだ。


「それがな、ドロシー嬢が母君に会場には、たくさんのケーキがあって全部美味しかったとか言ってしまって、母君がうらやましいと、機嫌が悪いらしい。で、レシピも欲しいけど、他のケーキも味わってみたい!って、ドロシー嬢を扇ではたいてるんだって。俺とのお茶会とは別で、母親同士で是非、お茶会をって話も出てるんだが、まずケーキを贈らないとなぁ」

仲良きことはよきことかな、なのかな?

どうしよう、ショートケーキ詰め合わせを料理長に頼んでみようかな。なんか、ドロシー様のお母様が、我が家に突撃しにきそう。


そこにニーンニンニンが王妃様ホットラインを持ってきた。


「ケーキビュッフェね!婚約式の噂を聞いたわ。お土産のホールケーキも話題になってたわね!

私がお茶会ひらくから、日程を決めて、内容をつめましょう!令嬢も招くようにすれば、貴女の社交にもなるじゃない!」

うわ、王妃様がケーキ食べたいだけじゃん!それに高位貴族の令嬢コワイヨ。


「打ち合わせに登城なさいな。その時にあやめ屋のお重も忘れずにね!宰相が団子といなりがたまりませんって陛下と話しててうるさいのよ」


餅を喉につまらせないように万が一の対処法もつけとこう。前世では毎年毎年、お餅を喉に詰まらせるという事故があったもんね。

あと、太っても私は知りませんからね!?


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