21
中華街の超がつきそうな高級なお店で円卓を皆で囲み、北京ダックのサーブ、前菜的な棒々鶏に冷製盛り合わせ。
北京ダック、サクサクだ!少しお肉も付けてくれてる。後からスープもお出しいたしますって、王妃様、わかってるな〜。
食べ歩き用のテイクアウトのお店もあったものね。お姉様が買いそうになって慌てて止めて良かった。デカい唐揚げ食べたのに。ふふ。
ほら、お姉様、先程のチャーシューございます。ピータン、クラゲの酢の物は皆、ハードルが高い感じ。
おっ。ルー兄様、勇者ですね!ピータンが美味しい?えっ買って帰りたい?
あの見た目、買って帰るのってどうなのかしら。まあ、いいか。うちの厨房だしな。
忘れちゃいけないコーンスープ!美味しい。あとから北京ダックスープくるのに!
おこげ料理だって。定番の中華お初でも大丈夫?なコースを組んでるとのこと。
昔、英語でニワトリの鳴き声みたいなメーカーから出てた中華コーンスープの素。大人になったら見なくなった。あれ、好きだったのに。
缶のコーンクリームで鶏がらスープの素を使って作ったなぁ。
今度、料理長にお願いしよう。王妃様のおかげでコーンの缶詰はある。だが、クリームのはない。
有名な絵にもなってるメーカーのスープの再現力、王妃様、素晴らしかったなぁ。あれで庶民のご婦人方の時短にもなったと伺った。
あと、文官一人暮らしの味方とも。やはり、文官の救済を求めるか笑笑
そういえば、前世でベルギー行った時に有名チョコ菓子店、スポンサーが、そのスープメーカーに買収されたと聞いた気が。
その時に入った無名の家族でやってます的な、お店のチョコが絶品だった。なんか、色々思い出して来ちゃった。
確かにクリスマスマーケット巡り、毎年してたさ!まだ日本では、おこなってなくて、クリスマス市って呼んでた頃。あ、耳ピアスのクマ縫いの夜警バージョン、やっぱり買えば良かった。くうぅ。
「どうした、リリィ。腹でも痛いのか?」ルー兄様、口からクラゲはみ出してます。
「やはり、リリィ様のお箸?ですの?使い方はお上手でいらっしゃいますね」ドロシー様は早々にお箸離脱してナイフフォークで召し上がってる。
「この後、まだまだお料理がくるので少しずついただこうと思っておりますの」
は〜。お茶も美味しい。凍頂烏龍茶かな。
ビシっ。
ルー兄様、お姉様が固まる。北京ダックのおかわりにチャーシュー食べすぎですよ。
これから肉、海鮮の主菜におこげ料理や麺ものらがきて、デザートにマンゴープリンと杏仁豆腐もくるんだから!
熱々のゴマ団子も食べたいどうしよう。久しぶりすぎる中華に欲が止まらない。お母様達にマンゴープリン召し上がっていただきたいな。買って帰ろう。
侍女、侍従や護衛の卓から何故かニーンニンニンがやってきた。え、買って屋敷に届けてもらうよう手配してある?お姉様がガッツリ見てたケバブや、アル兄様がチラチラ見てた甘味も?なら、ここのお店の月餅も頼もう。栗入ったのと、胡麻あんのがあるんだもの!お茶も買って帰りたい。このクオリティならジャスミン茶や東方美人茶、鉄観音、プーアール茶も期待できそう。それにしても、王妃様の内緒の伝手って。
きゃ!ニーンニンニン、ケバブの肉グリル丸ごとお買い上げは止めてね!
あ、マンゴーで思い出した。前世の社長がベトナム出張のお土産ってマンゴーのお菓子だよって配ってくれた。
でもパッケージの絵は明らかにドリアンのそれ。
わかってしまった社員はそっとしまい、わからなかった社員はニオイに悶絶しながら、甘い何かを食べていた。しばらくは度胸試し的な感じで盛り上がったけど、誰も社長には言わないままだった。
中小企業だったけど、人数もそこそこいて、みんな仲良しで、みなし三代目が大手企業からそろそろ帰ってくるぞーって。
緊急連絡先を実家にしなかった私を気にしてくれた人事部長。前世のこと、思い出すな。なんだろ。
「そういえば、ウィルに中華街行くって話したら、伯爵領の海鮮を卸し始めたって言ってた」
正解。将来の伯爵夫人様、肉ばかり見てないで頑張ってくださいませ笑笑
エビチリ〜楽しみ!前世の中華街ではエビチリも衣付けて素揚げしてないのがきたりしてガッカリした思い出が。
食べ放題が流行った弊害かしら。どちらが正しいのかわからないままだったな。
横浜近くのホテルでいただいたエビチリは私の理想そのものだったなぁ。
エビチリきた!えっ小籠包も一緒に来ちゃった。小籠包食べなきゃ。
あ!お姉様。ひと口でいっちゃった。
「っ!%⁉︎〆〜!っ」はい、お水。
「ふは!熱い!美味しい!」
ルー兄様が
「リリィ、食べ方があるな?」おう、さすがです。
「ナイフとフォークでは難しいかもしれません。あくまでも私の食べ方でしてよ?」
小籠包をそっとレンゲに乗せ、少しだけ。ほんとに少しだけ、お箸で穴をあけ…ほわ〜と出る湯気。
これは本格的。ガチなヤツだ。
王妃様、本当に中華食べたかったんだな。マナー違反にならない程度にフゥッと息で少し冷ます。そして黒酢に少しつけた針生姜を乗せたらレンゲを口に寄せてパクり!
美味!これ、台湾の有名店と同じ皮を再現してる!あの皮だ!
ルー兄様はスプーンとフォークで上手になさって召し上がった。
「これは美味いな。俺はこの籠のもの一段もらうぞ。お!メニューには蟹子入りってやつもあるぞ」
あ、ルー兄様、それ美味しいヤツ!そして腹パンルート確定だ。
エビチリ!もう、見た目でわかる。キチンと処理され衣付けて揚げてソースに絡めたエビチリ!
一人で食べちゃいたい!もう、これでお腹終わってもいい。北京ダックに小籠包食べたし。
ドロシー様が楽しそうに、アル兄様に話す。
「友人が悔しがりますわ。こんな楽しく、美味しいお食事、家族でもなかなかありませんもの」
うわ、マナー違反?伯爵家と子爵家の違い?ヤバ。お姉様、小籠包は逃げません。ルー兄様、蟹の小籠包は私の分もお願いいたします。えぇ、一段いただきますわ。〜そうじゃなくって!
ドロシー様が私に、にっこり微笑まれて
「私、兄と姉がおり、未子でしたので、妹が欲しかったのです。アイリス様、リリィ様、仲良くしてくださいませね」
えっ。天使?天使なの?美人で伯爵家、お人柄も良し。ほんとに、ほんとにアル兄様でいいのですか。
アル兄様、お食事中にゲンド○ポーズはおやめになってくださいませね。そしてため息は幸せが逃げるって言いますわよ。
あ、給仕さん蟹肉入りフカヒレスープもお願いいたします。豚の角煮も!コースにある?足りないんです泣。姉が1人でひと皿いっちゃいそうで。
豚の角煮、台湾の博物館のやつ、面白かったなぁ。
ルー兄様、お姉様、コースに追加されるのは構いませんが、肉メニューから離れてください。
ドロシー様は「私も、まだまだいただきますわ!」とルー兄様、お姉様へ楽しそうに宣言なさって、アル兄様へ微笑まれた。
食べ残しはほとんどありませんでしたが、残った料理はスタッフ(護衛、侍従)が美味しくいただきました。




